バナナ共和国/往路

大きな変更点はセリカが同行してないことだけかも。

ミリア「おはよう、ルルリ」
ルルリ「おはよう、ミリア」
ルルリ「スイートクラスって凄いのね!」
ルルリ「777-300ERなのに」
ルルリ「高級ホテルに泊まってるみたいだわ」
ミリア「飛行機なのにホテルみたいってこと?」
ルルリ「そういうことよ!」
ルルリ「これ、いくらなの?」
ミリア「10万円」
ルルリ「100万円じゃなくて?」
ミリア「おまけしてもらったみたい」
ルルリ「どういうおまけよ」
ティー「セリカさんがビジネスクラス取って」
ティー「株主優待券で半額になって」
ティー「空席のスイートにアップグレードです」
ルルリ「やるわね」
ティー「本当はお客様優先なんですが」
ティー「そんなそぶりは全く無かったですね」
ルルリ「私達だってお客様でしょ」
ティー「セリカ航空なので、どうでしょう」
ルルリ「あー、セリカママが乗る時は」
ルルリ「ビジネスクラスにするってことね」
ティー「いい席は他の人に譲るんだそうです」
ルルリ「まあ、私達はいいんじゃない?」
ルルリ「空いててラッキーってことで」
ミリア「あとでママに連絡しとく」
ルルリ「ティーさん、飲んだ?」
ティー「いえ、一応職務中ですから」
ルルリ「まあまあ固いこと言わずに」
ティー「そんなにお酒強くないので」
ティー「セリカさんに酔い止め貰ったんですよ」
ルルリ「つまり、飲んでいいってことね」
ティー「そうなりますかね」
ルルリ「酔い止めって子供にも効くかしら?」
ミリア「だーめーでーすー」
ルルリ「大卒なんだしお酒も飛び級で良くない?」
ミリア「よーくーなーいー」
ルルリ「匂いだけでも嗅がせて」
ミリア「中毒かな?」
ミリア「そんなに美味しいの?」
ルルリ「私は大好き、いや、ほどほどに好きよ」
ミリア「ふぅん」
ティー「飲んだことあるんですか」
ルルリ「いや、脳内設定でね!」
ルルリ「私は昔、大人の女だったから!」
ルルリ「カルーアとかを嗜んでたのよ!」
ティー「脳内でも牛乳飲んでるんですね」
ルルリ「バストアップには欠かせないからね」
ミリア「大きかったの?」
ルルリ「そりゃあもう、ホルスタイン級かしら」
ルルリ「枢里乳業からスカウトされるくらいね」
ミリア「さ、ティータイムにしよ」
ティー「かしこまりました」
ルルリ「スルースキルたけえ・・・」
ティー「お嬢様の優しさだと思いますよ」
ティー「バナナカクテルが美味しそうですね」
ルルリ「私もそれにする! ノンアルある!」
ミリア「わたしはロイヤルクイーンティー」
ルルリ「え、あ、私もやっぱり同じので」
ミリア「ウーロン茶だよ?」
ルルリ「なんかすごく贅沢そうな響きだわ」
ミリア「贅沢なウーロン茶です」
ルルリ「きたきた」
ルルリ「これ、いくらくらい?」
ミリア「また値段を気にする」
ルルリ「だって味だけじゃわからないもの」
ミリア「高いやつだと50万円くらい」
ルルリ「飛行機より高い」
ミリア『普通のは5千円くらいだけど(心の声)』
ルルリ「一気に飲み干してしまったわ」
ミリア「おいしかった?」
ルルリ「おかわりくださーい」
ルルリ「うーん」
ルルリ「値段を聞いてもわからないわね」
ミリア「好きなの頼めばいいのに」
ルルリ「バナナは現地でいただくわ」
ティー「とってもおいちいれす」
ルルリ「弱っ!」
ティー「るるりしゃんものめばいいんれすよ」
ミリア「酔い止め飲ませよう」
ルルリ「向こうに転がしておきましょう」
ティー「うふふふふ~」
ルルリ「ちょっと羨ましいわ」
ミリア「ちょっと飲んでみる?」
ルルリ「いや、やめとく」
ルルリ「大人しく到着まで過ごしましょう」
ミリア「楽しみだね、バナナ共和国」
ルルリ「冬は南の島に限るわね」
ミリア「去年は沖縄だったもんね」
ルルリ「来年も沖縄かしらねえ」
ミリア「もう来年の心配してるの?」
ルルリ「鬼も笑うわね」
ミリア「笑って済むならいいけど」
ルルリ「不安ぶっても仕方ないでしょ」
ミリア「うん」
ルルリ「あと何時間で着くかしらね」
ミリア「1時間半くらいかな」
ルルリ「映画は微妙に最後まで見れなさそう」
ルルリ「観光案内動画があるわね」
ミリア「それ見たい」
ルルリ「んじゃ再生っと」
『地上の楽園 バナナ共和国』
ルルリ「すでに面白いわ」
ミリア「どうして・・・あ、クロエだ」
クロエ「観光客の皆様、バナナ共和国へようこそ!」
クロエ「わたしがイチオシのスポットを紹介します!」
ミリア「ぱちぱちぱち」
ルルリ「なんかミリアっぽいわね」
ミリア「わたしの観光案内を見せたことがある」
クロエ「ここが一番リッチなホテルです!」
クロエ「凄い広くてキラキラしてますね!」
クロエ「大国の五つ星ホテルとそっくりです!」
ルルリ「そっくりパク・・・作ったんでしょうね」
クロエ「プールもついてます!」
クロエ「まわり全部海なのにね!」
ルルリ「インフィニティプールって」
ルルリ「ネトゲみたいで嫌よね」
ルルリ「透明な壁が邪魔して先に進めない感じ」
ミリア「海で泳げばいい気はする」
クロエ「ディナーは牛ステーキ!」
クロエ「和牛と交雑した極上のバナナ牛です!」
クロエ「うーん、おいしーい!」
ルルリ「誰が持ちだした和牛なのかしら」
ミリア「わたしは聞いてないよ」
クロエ「食後は定番のバナナオレ!」
クロエ「バナナパイナップルスムージーも美味しい!」
ルルリ「何か入ってそうなくらい美味しいわよね」
ミリア「バナナとミルクが入ってると思う」
クロエ「空を自由に飛びたいあなたは!」
クロエ「はい、ハングライダー!」
クロエ「ハンググライダー? どっちでもいいか!」
ルルリ「わりとギリギリを狙ってるわね」
ミリア「とっても大好き」
クロエ「世界最強のジェットコースターに」
クロエ「一攫千金も狙えちゃう公営カジノ!」
クロエ「まあ、バナナ共和国はみんな公営だけど!」
ルルリ「フワシコセリカは一応民間企業なのに」
ミリア「ママの会社?」
ルルリ「ええ。セリカママとプレジデンテの合弁会社」
ミリア「プレジデンテって」
ミリア「クロエのおじいちゃんだっけ」
ルルリ「そそ。一族で100年続けて大統領らしいわ」
ミリア「枢里みたいだね」
ルルリ「枢里は最近70周年やってたわね」
ミリア「でもプレジデンテはまだ若いよね?」
ルルリ「68歳くらいかしらね」
ルルリ「大統領としては3代目だそうよ」
ミリア「枢里はわたしで4代目?」
ルルリ「お嬢様的にはそうなるかしらね」
ミリア「4代目はクロエになるのかな」
ルルリ「あー、そうね」
ミリア「じゃあいっしょだ」
ルルリ「大統領選挙って何歳からだったかしらね」
ルルリ「10年に一度だから次は2027年」
ルルリ「クロエは17歳だからまだかもね」
ミリア「大統領選挙?」
ルルリ「前に手伝ったでしょ。覚えてない?」
ミリア「選挙って人を投票で選ぶやつだよね」
ルルリ「普通はね」
ミリア「演説は手伝ったね」
ルルリ「対立候補がいないからあれでいいのよ」
ミリア「いなかったね・・・」
ルルリ「まあ実際のところは独裁国家よ」
ルルリ「バナナ王国にすれば良かったのにね」
ミリア「民主主義人民共和国的なやつだよね」
ルルリ「そうね」
ミリア「枢里といっしょだ」
ルルリ「枢里は選挙すら無いけどね」
ミリア「選挙したほうがいいのかな」
ルルリ「株式会社の代表は、普通、選挙しないわ」
ミリア「そっか」
ミリア「でも独裁者っていつも悪者にされるよね」
ルルリ「民衆は責任を取りたがらないものよ」
ミリア「わたしが悪者になってあげればいいのか」
ルルリ「そこまで一気に割り切らなくていいわよ」
ルルリ「できるだけ良い子でいてください」
ミリア「はーい」
ルルリ「それにしても清々しいほど宣伝しかない動画」
ミリア「ゲームも作ってるんだね」
ルルリ「島でしょ。毎回買ってるわ」
ミリア「バナナ・アイランド」
ルルリ「そう。国家運営シミュレーション」
ルルリ「日本語の翻訳会社がやる気無いのよね」
ルルリ「悪くないゲームなのに勿体ないわ」
ルルリ「私は人工知能で翻訳するからいいけど」
ミリア「ルルリって日本語以外できないの?」
ルルリ「苦手ね。すっかり機械頼りだわ」
ミリア「普通に英語の動画見てたよね?!」
ミリア「クロエとも普通に話してたし!」
ルルリ「科学のチカラは偉大ね」
ミリア「大卒の天才少女はどこいったの・・・」
ルルリ「私、一応理系だし・・・」
ミリア「コンピューター得意だもんね」
ルルリ「PCはそうでもないんだけどね」
ミリア「あ、動画終わっちゃった」
ルルリ「もっと島の内情みたいなのが見たかったわ」
ミリア「クロエに直接聞いてみよう」
ルルリ「そうね。なんか自慢したいって言ってたし」
ミリア「なに自慢?」
ルルリ「なんか凄いモノを買ったらしいわよ」
ミリア「気になる」
ルルリ「自慢ついでに詳しく案内して貰いましょう」
ミリア「当機は間もなく着陸の体制に移ります」
ルルリ「まだっぽいわね」
ルルリ「今のうちにおかわりしようっと」
ミリア「トイレも済ませておいてね」


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Last-modified: 2021-02-28 (日) 16:43:15