一剣世界。

   Posted on 2020年12月12日 by me in 小説執筆 

試しに書いてみたけど、一応書いてはいける。

 ◆

ヤリア「この物語はフィクションです」
ヤリア「登場する人物・団体・名称等は架空であり」
ヤリア「実在のものとは一切関係ありません」

ヤリア「それでは、ゲームを始めましょう」
ルリカ「TRPG? だっけ?」
ヤリア「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム」
ヤリア「どんなゲームかは、遊べばわかるはず」
ルリカ「どうやって遊ぶの?」
ヤリア「まずはキャラクターを作ります」
ヤリア「ルールの通りにサイコロを振ると」
ヤリア「筋力、体力、敏捷、器用、知性、精神が決まる」
ルリカ「ごろごろ~」
ルリカ「器用と知性は高いけど、体力は最悪みたい」
ヤリア「すぐ死にそうですね」
ヤリア「今のは練習ということで」
ヤリア「もう一度振りましょう」
ルリカ「ほぼ変わらないけど筋力が上がったかな」
ヤリア「出だしから最悪ですね、ルリカさん」
ルリカ「当たらなければどうということはない」
ヤリア「もういいです。次は種族を決めてください」
ルリカ「ドワーフにしよう」
ヤリア「体力不足を補えるのは良いですね」
ルリカ「小さくて可愛いし」
ヤリア「次は職業です。ドワーフは戦士向きですね」
ヤリア「筋力があるので重装備も可能です」
ルリカ「じゃあ戦士にしようかな」
ヤリア『誘導成功ですかね』
ヤリア「初期スキルは《暗視》《炎耐性》+1つ選択」
ルリカ「《聴覚拡大》にする」
ヤリア「マニアックですね」
ヤリア「あとは名前と経歴を考えてください」
ルリカ「名前はルミナ」
ルリカ「大財閥のお嬢様」
ヤリア「八剣に対する当てつけですか」
ルリカ「そういうプレイよ、アリアさん」
ヤリア「別にいいですけど、所持金は優遇しませんよ」
ルリカ「チッ」
ヤリア「というわけで最後は買い物です」
ヤリア「武器と防具と【冒険ツール】を買ってください」
ヤリア「野宿道具や非常食などが入っています」
ヤリア「遺跡探索には【鍵開けツール】が便利です」
ルリカ「ギリギリ買えたかな」
ヤリア「では、ルミナは明日の宿代も無いので」
ヤリア「野宿をするかすぐに働かないといけません」
ルリカ「貴様、謀ったな・・・?」
ヤリア「そういうルールですから!」

ヤリア「というわけで、セッションを開始します」
ヤリア「以降、私のことはマスターと呼んでください」
ルリカ「あたしはスレイブ? サーバント?」
ヤリア「ふつうにプレイヤーです」
ヤリア「私はゲームマスター」
ヤリア「ゲームの最終的な判断を行います」
ルリカ「あたしはどうすれば勝ちなの?」
ヤリア「物語と結末を用意してあるので」
ヤリア「ハッピーエンドならセッション成功です」
ルリカ「マスターは敵なの?」
ヤリア「敵の役もやりますけど」
ヤリア「どちらかというと味方です」
ヤリア「一緒に面白い物語を作り上げましょう」
ルリカ「なるほど」
ヤリア「ついでに一人、仲間を追加します」
ヤリア「私のキャラクターが旅に同行します」
ヤリア「名前はアリス。エルフの神官です」
ルリカ「回復魔法が使えるのか」
ヤリア「一人旅はつらいから、後方支援ですね」
ヤリア「あくまでNPCということで」
ヤリア「交渉や謎解きはルミナがやってください」
ルリカ「了解」
ヤリア「では、ルミナは小さな町にやってきました」
ヤリア「目の前には宿屋兼酒場があります」
ヤリア「この世界では酒場で仕事が貰えるようです」
ルリカ「なんて世界だっけ?」
ヤリア「便宜上、一剣世界と呼びます」
ヤリア「公式には世界や大陸に名前がついてますが」
ヤリア「細かい設定はまだ読み込んでないので」
ヤリア「名もない大陸のとある町ということで」
ルリカ「わかった。あたしは知らない町に着いたと」
ヤリア「さて、どうしますか?」
ルリカ「まずは飲酒で旅の疲れを癒すかー」
ヤリス「ルミナ、お酒はほどほどに」
ヤリス「このあいだも暴れて追い出されたでしょう?」
ルリカ「うるせー! 酒はあたしのガソリンだ!」
ヤリス「困った人ですね」
ヤリア「この世界にはまだガソリンは無いですね」
ルリカ「剣と魔法の世界みたいなやつだもんな」
ヤリア「科学的には15~16世紀と考えてください」
ルリカ「人間五十年、下天の内をくらぶれば」
ヤリア「夢幻のごとくなり」
ヤリア「できれば西洋的なイメージでお願いします」
ルリカ「じゃあ赤ワインを戴こうかしら」
ヤリア「一杯2ゴールドです」
ルリカ「意外と安い」
ルリカ「なーなー仕事を紹介してくれよ!」
ヤリア「あんたらみたいな新米にピッタリのがあるぜ」
ルリカ「どれどれどんなやつ?」
ヤリア「夜に畑を襲う獣を追い払う仕事」
ヤリア「一晩10ゴールドだが三食昼寝付きだ」
ルリカ「田舎の獣害対策かよ」
ルリカ「乗った、と言いたいところだが」
ルリカ「あたしはガッポリ稼いで財閥を立て直すんだ」
ルリカ「もっと割のいい仕事がやりたい」
ヤリア「じゃあ、遺跡探索の仕事が来たら回す」
ヤリア「遺跡に行く日は夜の仕事は休んでいいし」
ヤリア「飯は用意する。それでどうだ」
ルリカ「ありがとう。よろしく頼む」

ヤリア「ルミナ達はゴブリン2匹をなんとか退治した」
ルリカ「わりと接戦だったな」
ヤリア「私が攻撃を外さなかったら死んでましたよ」
ルリカ「レベルとか上がらないの?」
ヤリア「戦闘で貰える経験値は少ないんです」
ヤリア「セッションの達成報酬なら上がりますよ」
ルリカ「よし、ウォーミングアップは終わりだ」
ルリカ「そろそろ遺跡探索の仕事を回して貰おうか」
ヤリア「一週間後、とうとう遺跡の話がやってきた」
ヤリア「しかし、本当に大丈夫なのか?」
ヤリア「命が惜しければ、やめてもいいんだぞ」
ルリカ「うーん、正直、命が惜しい」
ヤリス「ですよねー」
ルリカ「よし、やめるか」
ヤリア「えっ、やめるんですか」
ルリカ「諦めたら試合終了?」
ヤリア「うーん、終了ですけど」
ヤリア「諦めてもいいです」
ルリカ「諦めてみる」
ヤリア「ファイナルアンサー?」
ルリカ「ファイナルアンサー!」
ヤリア「その後、ルミナ達は」
ヤリア「夜のバイトで細々と稼ぎながら」
ヤリア「それなりに平和に暮らしましたとさ」
ヤリア「セッション終了です」
ルリカ「よし、レベル上げよう」
ヤリア「うーん」
ヤリア「話が最後まで進んでないので」
ヤリア「達成報酬はあげられません」
ルリカ「がーん」
ヤリア「でも良いです」
ヤリア「レベルアップを認めます」
ヤリア「サイコロを振って能力を育ててください」
ルリカ「お、一段と賢くなった」
ヤリア「もー!」

ルリカ『私は生きることを諦めた』
ルリカ『どう足掻いても、死ぬ運命が待っていた』
ルリカ「諦めたら終わりだよな」
ルリカ「頭ではわかってる」
ルリカ「わかってるんだけど」
ルリカ「正直、もうしんどい」
ヤリア「ルリカ、ありがとう」
ヤリア「これで最後にするから」
ヤリア「もう一回だけチャンスをくれないかな」
ルリカ「チャンス?」
ヤリア「八剣財閥に伝わる秘術を試したい」
ヤリア「ルリカを別の世界に送る方法があるの」
ルリカ「別の世界・・・」
ヤリア「別といっても、現実とほとんど同じ」
ヤリア「ただ、細かいところは変わってしまう」
ヤリア「だから、タイムリープというよりは」
ヤリア「夢とか、並行世界に近いものだと思う」
ルリカ「その世界なら、死なないのかな」
ヤリア「秘術がうまくいけば」
ヤリア「私は世界の成り立ちに干渉できる」
ヤリア「だから、死ぬ心配の無い世界が作れるかも」
ルリカ「ここよりひどい世界にはならない?」
ヤリア「出来る限りのことはするよ」
ルリカ「わかった。信じるよ」
ヤリア「私は先に行ってるから」
ヤリア「あっちの世界でもよろしくね」
ルリカ「うん」
ヤリア「それじゃあ、八剣の秘術を始めます・・・」

ルリカ『最初に気が付いた時、あたしは4歳だった』
ルリカ「2014年・・・」
ルリカ『20年も昔だ』
ルリカ「いや、アリアさんと最後に話したのは」
ルリカ「2020年だったっけか・・・」
ルリカ『あたしには特別なスキルがあった』
ルリカ『ゲームで言うなら、《ロード》のようなものだ』
ルリカ『特定の時刻をあらかじめ《セーブ》しておけば』
ルリカ『バッドエンドを迎えてしまった時に』
ルリカ『《セーブ》した時刻まで戻ることが出来る』
ルリカ『能力は、アリアさんが死ぬ夢から始まった』
ルリカ『その後、アリアさんは何度も殺された』
ルリカ『そのたびに《ロード》を行い運命を変えてきた』
ルリカ『しかし、どんなに運命を変えても』
ルリカ『2034年に私達は必ず破滅するのだった』
ルリカ「だから、まずは《セーブ》だ」
ルリカ『それで、2014年からやり直せる』
ルリカ『もっとも、《ロード》はあたしには出来ない』
ルリカ『別の何かのきっかけによって勝手に発動する』
ルリカ『ゲームで言うと、パッシブ・スキルだ』
ルリカ『だから、あたしには自殺する権利すら無かった』
ルリカ『ずっと、彼女の亡骸を見せられ続けてきた』
ルリカ『彼女の血や臓物を嫌悪する感情は克服した』
ルリカ『でも、悲痛な表情や絶叫には耐えられない』
ルリカ「今度こそ、彼女を救えるだろうか」
ルリカ『まずは彼女に会いたい』
ルリカ『でも、あたしにはその方法がわからなかった』

ルリカ『2015年9月21日』
ルリカ『あたしは6歳になった』
ルリカ『子供なりに調べてわかったことは』
ルリカ『この世界には八剣財閥が存在しない』
ルリカ『かわりに、二剣財閥があって』
ルリカ『二剣アリアという一人娘がいる』
ルリカ『便宜上、元の世界を八剣世界』
ルリカ『今の世界を二剣世界と呼ぼう』
ルリカ『二剣世界は治安がいいと思う』
ルリカ『有名人の不審死もほとんど無いし』
ルリカ『町で爆発を見かけることもない』
ルリカ『交通事故や医療ミスが多いわけでもない』
ルリカ『ここが鶴城(つるぎ)市であること』
ルリカ『鶴城駅の北側が財閥に買い占められてること』
ルリカ『南北で対立が起きているのは八剣世界と一緒』
ルリカ『でも、要人暗殺事件には至っていない』
ルリカ『八剣世界なら、既に数名の死者が出ていた』
ルリカ『二剣世界は平和なのかも知れない』
ルリカ『しかし、ここは南部の有力者の娘の家で』
ルリカ『親の協力を仰ぐのはまず不可能だろう』
ルリカ『だから、あたしは機会を待つ必要があった』
ルリカ『枢木小学校の入学式が、最初のチャンスだ』

ルリカ『2016年4月7日』
ルリカ『あたしは新入生の中に彼女を見つけた』
ルリカ「アリアさん、会いたかった」
ニリア「?」
ルリカ「あたしルリカ。わからないの?」
ニリア「わかんない」
ルリカ「・・・・・・」
ルリカ『想定外だった』
ルリカ「じゃあ、これからお友達になって欲しい」
ニリア「わかりました」
ルリカ『そこまで言えただけでも精一杯だった』
ルリカ『アリアさんは記憶を失っている!』
ルリカ『世界を移動する時に事故があったのか』
ルリカ『困った』
ルリカ『根本的に致命的なことも問題だが』
ルリカ『まずは会話の接点が無いことが問題だった』
ルリカ『八剣世界では、あたしは彼女の死を予言した』
ルリカ『それで彼女の家に招かれて仲良くなったのだ』
ルリカ『財閥令嬢と接点なしに友達になれるのか?』
ルリカ『その答えにたどり着くのに、2年かかった』

ルリカ『3年生のクラス替えで、同じクラスになった』
ルリカ『挨拶と世間話をする関係から進展したい』
ルリカ『彼女に挨拶する生徒は多かったが』
ルリカ『仲の良い友達はいないようだった』
ルリカ『あたしは馴れ馴れしく絡み続けた』
ルリカ『そしてようやく、初めて家に招かれる日が来た』
ルリカ「失礼します」

 ◆

続・一剣世界。

   Posted on 2020年12月12日 by me in 小説執筆 

TRPG掛け合いは結構気に入ってたりする。

 ◆

《聞き耳》はスカウトのスキルだったので、
初期スキルの選択は《防御強化》に変更する。

ヤリア「それでは、前回の続きから始めます」
ルリカ「あたしはレベル3になった!」
ヤリア「ルミナ達は何カ月も夜のバイトを続けて」
ヤリア「ゴブリンとの戦闘経験を重ねました」
ルリカ「ということは、報酬が貯まったかな?」
ヤリア「一滴も飲酒してなければ貯まります」
ルリカ「ぐぬぬ」
ヤリア「これはマスターとしての発言ですけど」
ヤリア「ゴブリン2匹で苦戦するようだと」
ヤリア「ちょっと遺跡探索は無理なので」
ヤリア「レベルをあげて挑戦して貰うということで」
ヤリア「ゲームバランスの調整です」
ルリカ「了解した」
ルリカ「じゃあ《命中強化》を取ります」
ヤリア「涙ぐましい」
ヤリア「というわけで・・・」
ヤリア「どうだ、そろそろ遺跡行ってみるか?」
ルリカ「行きます」
ヤリア「無理そうなら引き返してきてもいいんだぞ」
ヤリア「これはマスターとしての発言ですけど」
ヤリア「決死の覚悟で飛び込まなくて大丈夫です」
ヤリア「無理そうならまた何か考えます」
ルリカ「手厚い」
ヤリア「いけそうな時に尻込みしても優遇しません」
ルリカ「やれるとこまでやれと」
ヤリア「出発前にしたいことがあればどうぞ」
ヤリア「遺跡までは片道5時間くらいです」
ルリカ「遠い」
ルリカ「じゃあ早朝に出発します」
ヤリア「正解」
ヤリア「と言いたいところですけど」
ヤリア「ドワーフもエルフもゴブリンも」
ヤリア「《暗視》持ちなので昼夜関係ないですね」
ルリカ「ゴブリンは夜行性だから昼は寝てる」
ヤリア「なるほど」
ヤリア『うっかり口を滑らせてしまいました』
ヤリア「《暗視》の無い敵だったら逆に損ですね」
ルリカ「屋内ならどうせ暗いし」
ルリカ「人間が相手なら会話の余地があるさ」
ヤリア「ふむふむ」
ヤリア「さすが知力最強」
ルリカ「松明も要らないし、準備は大丈夫だ」
ヤリア「では進めます」
ヤリア「正午近く、ようやく入口のあたりに来ました」
ルリカ「敵がいないか警戒しながら近づこう」
ヤリア「御明察。見張りのゴブリンが2匹見えます」
ルリカ「深夜バイトで培った経験を活かす時が来た」
ルリカ「奇襲をかけたい」
ヤリア「どうやって?」

 ◆

二剣世界と三剣世界の差。

二剣世界の運命(うしろから)
・日本は内戦状態に陥り、未来への希望が持てなくなる
・食糧不足が起きて生活が成り立たないので外部への略奪と人口削減を行う
・自給自足の設備が故障し、生産量がどんどん減っていくが、修理は出来ない
・ジャガイモの二期作を試みるが、種芋を入手できず、病気が発生して全滅する
・世界恐慌が始まり、二剣財閥は解体される
・食糧不足を輸入によって補う
・全国から疎開してきた二剣社員が住むことで養う人数が増える
・新しい機械を購入する余力がなくなる
・壁を立てて土地を囲い、強制的に自給自足生活を始める
・南部から強盗がやってきて倉庫の食糧が奪われる
・特効薬が無い状態で7万の社員家族を守るためにロックダウンを行う


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Last-modified: 2021-02-22 (月) 06:00:45