V

093

ルルリ「おはようございます」
ルルリ「まだふわふわしてる」
ルルリ「勝手にルルリのコーナーです」
ルルリ「どんな時も娘を撮影する親と」
ルルリ「こんな時でも挨拶を忘れない私」
ルルリ「血は争えないわね」
ルルリ「さて、今日のお便りは」
ルルリ「三剣宮のミリアさんからです」
ルルリ「あの子、変なところで鋭いのよね」
ルルリ「婚姻届ってある?」
ルルリ「紙媒体がいいわ」
ルルリ「いつ書いたかわからないからね」
ルルリ「さすがジップ」
ルルリ「須堂琉瑠璃」
ルルリ「画数が多いのが恨めしいわ」
ルルリ「ふぅ」
ルルリ「これで三剣枢里では」
ルルリ「正式にパートナーになれるでしょう」
ルルリ「日本では性別も年齢も満たないけど」
ルルリ「8年後には認められるかもね」
ルルリ「まあイケメン見つけて貰うのがいいかな」
ルルリ「寂しいけど仕方ない」
ルルリ「次のメールは担当医からです」
ルルリ「なるほど、冬眠という手があるのね」
ルルリ「確かにコールドスリープより良さそう」
ルルリ「法務部も心配だけど」
ルルリ「最悪、日本では死亡扱いでもいいわ」
ルルリ「未来に希望を託すのが目的なんだし」
ルルリ「病気自体が治ってくれれば良かったけど」
ルルリ「今までの病気とは違うみたいね」
ルルリ「次のメールはラボ長から」
ルルリ「クロエのリモートドールを遅らせるのね」
ルルリ「悪いけどそれでお願いするわ」
ルルリ「台数半減の影響は思ったより大きいわね」
ルルリ「通信のラグがひどいってことにしとくか」
ルルリ「次のメールはラッカから」
ルルリ「まあ、クレームは受け付けません」
ルルリ「リソース確保のために交渉した」
ルルリ「みたいな言い訳かしらね」
ルルリ「ルッカの108台の借主も誤魔化してね」
ルルリ「最後のメールはセリカ」
ルルリ「コビドがいつ落ち着くかはわからないわ」
ルルリ「変異するから何度も流行する」
ルルリ「弱毒化するのが現実的な落としどころね」
ルルリ「前の世界では米国産のワクチンが一年後」
ルルリ「日本での摂取開始はもう半年先かしらね」
ルルリ「空港で止められれば不要だけれど」
ルルリ「完全な検査のほうが難しいのかも」
ルルリ「あとはお金の話か」
ルルリ「ビットコイン少しずつ売りましょう」
ルルリ「この世界では値上がりしないのかも」
ルルリ「財政出動自体が限定的だからね」
ルルリ「百万円で売れれば十分でしょう」
ルルリ「メール書く元気が無いわ」
ルルリ「ビデオレターにしましょう」
ルルリ「セリカに送っておいて」
ルルリ「なにその口は」
ルルリ「毎回チューするのは嫌」
ルルリ「寝てる間にしてもいいわよ」
ルルリ「それはそれで犯罪的か」
ルルリ「ミリアのことを先に考えさせて」
ルルリ「ああそうだ」
ルルリ「私の死を隠匿する期限は無期限にするわ」
ルルリ「バレるまで隠し通す」
ルルリ「それでもバレたら」
ルルリ「冬眠の解除はパスワード方式にする」
ルルリ「最初のパスワードはルリカね」
ルルリ「質問は、私の元の世界での名前よ」
ルルリ「アリアさんの記憶があれば答えられる」
ルルリ「私の見立てに間違いが無ければ」
ルルリ「ミリアの記憶さえ戻れば」
ルルリ「私の病気くらい簡単に治せるはずなのよ」
ルルリ「だから死にたくない」
ルルリ「でも記憶がずっと戻らないのなら」
ルルリ「その時は好きに生きて欲しいわ」
ルルリ「ミリアは世界に愛されていいと思う」
ルルリ「私の死を乗り越えて欲しいわね」
ルルリ「と言いながら私が足掻いてるんだけど」
ルルリ「いざとなると生きたくなるものだわ」


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2021-04-16 (金) 07:30:29