215HIT。15レスなのは自分の再投稿のせい。
文字数縛りは半ば諦めて、「あと5日で終わらせる」ように頑張る。
毎日連載出来る作家さんって凄い。
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「次、自己紹介お願いします!」
同僚が美人さんを指名した。
「クレハと申します」
「どんな漢字書くの?」
「もみじ、です」
「ユースケ、もみじってどんな字だっけ」
紅葉さん。
名前も声も美しい気がしてくる。
「揉み……いや、こうようだろ。くれないにはっぱだよ」
「紅だァー!」
わかったから落ち着け。
「セラピストをしています」
「どんな仕事?」
「アロマを使ったボディエステとかです」
「凄いお仕事ですね!」
揉む仕事だった。いい匂いなのも仕事柄かな。
「ご趣味は!」
「趣味は……ドライブですね」
きっと車を持っているのだろう。
僕は電車通勤のペーパードライバーだ。
さらに聞きたがる同僚を制止して、次の人を指名して貰う。
地味子→派手子→友人、最後に僕。
趣味は無難に旅行と読書を挙げた。
美人……紅葉さんには同僚が食いついてるので、
僕は友人と女性二人に話を振るが盛り上がらない。
幸いか、友人のほうがウケている。
あれっ、僕の魅力、低すぎ……?
紅葉さんを眺める。漫画の話をしているようだった。
目が合う。
僕に笑顔を向けてくれた気がした。
「ユースケは、かぐや様とか読んでんだろ」
それはラブコメじゃん、と言いたい気持ちをグッと抑える。
「圭ちゃんが可愛いよね」
「誰?」
「読んでないんかーい!」
紅葉さんは楽しそうにしている……ように見える。
営業スマイルだとしても、本心を見抜ける自信は無い。
話題は車に移り、同僚が連絡先交換にこぎつけた。
ついでとばかりに僕も交換して貰う。姉と同じアプリだ。
「LINE無いんすか?」
同僚は急いでアカウントを作成している。
「お客様の個人情報を取り扱う仕事なので」
「ですよね! もう古いですよね!」
微妙に会話がズレている。
「ユースケさん、あちらもお願いします」
紅葉さんが促す。3対3なのに輪が完全に二分されていた。
友人たちの会話にも入れず、座ってるだけ。
やがてトイレに立つと、同僚がついてきた。
「俺はもうダメだ」
紅葉さんはその後、同僚をあしらったようだ。
「お前ならいける」
そう言われたものの、一次会で解散。
ここからでもチャンスはあるのだろうか。