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文字数がどうしても収まらないので10回で終われないかも。
05/10ページ
「合コンとか何年ぶりだろ」
同僚を誘った。食いつきがいい。
「大学ぶりかも知れない」
出会いの無い職場だった。
「お姉さん来るの?」
「まさか。娘、高1だぞ」
「紹介してくれ」
「娘はやらん」
「お義父さん!」
姪が結婚したら僕は泣くと思う。
「じゃあ、来るのは美人だけ?」
「だけ、ってことは無いでしょ」
姉の言葉が蘇る。
「一番美人には惚れるな、とは言われたけど」
「二番目は美人なのか?」
「だいたい、誰が一番かわからないよね」
「女の言う美人と可愛いは当てにならんしな」
「一番狙いはやめて、僕は二番を狙えってさ」
「それは正しい。一番は俺が狙うからな」
洒落た個室居酒屋に集まる。
3対3と聞いたが、男女2人ずつしか来てない。
「もう一人はそろそろ着くそうです」
女性陣に話しかける。年下で内気な友人を誘っているのだ。
女性二人は、一人が派手で、一人が地味な印象。
「女性のかたは?」
「いえ、わかりません」
地味な子が答えた。
「どっちがいい?」
「話してみないと」
同僚は興味無さそうに距離を取った。
最後の一人が美人という読みか。
「こちらです」
店員さんが連れてきたのは友人だった。
僕たちに向かって小声で謝る。
あっちに謝れ、と思ったが時刻はギリギリセーフだ。
どうしたものか、と思案する間もなく。
「すみません、遅れました」
最後の一人が登場して、全員の視線を掴んだ。
僕はこの人に惚れてはいけないのか。
「モデルさんですか!」
同僚が切り込む。自重しろ。
姉任せにしていたが、これ、幹事は僕じゃないか。
「えーそれでは、始めたいと思います」
幹事のやり方なんてわからない。
僕は女性陣の顔色を窺いながら乾杯をして、自己紹介を回し始めた。
「ハイッ! まずは自分から! 今日は婚活に来ました!」
同僚がボケる。
「上場企業勤務! 年収600万くらい! 趣味は恋愛漫画です!」
「うっさいわ!」
まったくウケてない。
が、美人さんが反応した。
「ユースケさん?」
「はい?」
急に呼ばれて胸が苦しい。
心臓が高鳴るってこういうことか。
「ユースケはこっち」
同僚が僕を指さす。
「あら」
美人さんは僕を見て、静かに微笑んだ。
ごめんなさい。ミスがあったので05ページ前半書き直しです。
お詫びといってはなんですが、わかりにくかった会話を増補しました。
合コンには、同僚と友人を誘った。
「ウヒョー! 合コンとか何年ぶりだろ!」
奇声を発する同僚。人選を誤っただろうか。
「僕は大学ぶりかも知れないな」
哀しいかな、出会いの無い職場だった。
「お姉さん来るの?」
姉は日程の調整とお店の予約だけをしてくれた。
家族に女の子を口説く姿は見られたくないので、配慮なのだろう。
「まさか。娘、中3だぞ」
「紹介してくれ」
「ロリコンかよ!」
「綾波より年上だろ?」
「基準そこ?」
3年前に話題になった映画の登場人物と比べられても。
「姪はもっとふわふわしてて優しいタイプだよ」
姪が結婚したら僕は泣くと思う。
「オジサン! 姪をください!」
「姪はやらん!」
伯父だけど、オジサンとは言われたくない。
「じゃあ、来るのは美人だけ?」
姉の奇妙な注文。「一番美人には惚れるな」の話は同僚に伝えてある。
「3人来るらしいけど」
「美人が3人!」
「ポジティブシンキングか。それじゃあ誰が一番かわからないじゃん」
「女の言う美人と可愛いは当てにならんしな」
姉の場合、審美眼は納得がいくとしても、可愛いの基準はおかしい。
「一番美人に男が集まるから、僕はそれ以外を狙えってさ」
「それは正しい。一番は俺がゲットするからな」
同僚とは好みのタイプが違う。一番は人によって違うのだ。
僕が気になった人は一番じゃない、と考えれば問題ないじゃないか。
誰のセリフかわかりにくいというご指摘を戴いたので後半も増補。
6ページ目が遅れる見込みです。
05/10ページ 後半
洒落た個室居酒屋に集まる。
3対3と聞いたが、男女2人ずつしか来てない。
「もう一人はそろそろ着くそうです」
僕から女性陣に説明する。
男性の三人目は、同僚ではなく友人だ。年下で内気。
女性二人は、一人が派手で、一人が地味な印象。
女性の外見年齢には明るくないが、30歳前後に見えた。
「あと一人の女性のかたは?」
どちらともなく聞くと、地味な子が「いえ」と首を横に振った。
「二人はお友達同士なの?」
地味な子がうなずく。同僚が僕をつつく。
「おい、どっちがいい?」
「もっと話してみないと」
振るだけ振って、同僚は興味無さそうに距離を取った。
最後の一人が美人という読みか。
「こちらです」
店員さんの声がする。誰か来たようだ。
友人だった。僕たちに向かって小声で謝る。
あっちに謝れ、と思ったが時刻はギリギリセーフだ。
どうしたものか、と思案する間もなく。
「すみません、遅れました」
最後の一人が登場して、全員の視線を掴んだ。
シルエットのわかるワンピース。小顔で整った顔立ち。
近くに来ると、ふんわりといい匂いがする。
僕はこの人に惚れてはいけないのか。
「モデルさんですか!」
同僚が切り込む。自重しろ。
姉任せにしていたが、これ、幹事は僕じゃないか。
「えーそれでは、始めたいと思います」
幹事のやり方なんてわからない。
僕は女性陣の顔色を窺いながら乾杯をして、自己紹介を回し始めた。
「ハイッ! まずは自分から! 今日は婚活に来ました!」
同僚がボケる。
「上場企業勤務! 年収600万くらい! 趣味は恋愛漫画です!」
「うっさいわ!」
恐らくは僕の趣味を言うというネタなのだろうが、まったくウケてない。
勝手に滑るのはいいけど、僕はなんて自己紹介すればいいんだ。
フォローを考える前に、美人さんが同僚に言った。
「ユースケさん?」
「はい?」
急に呼ばれて胸が苦しい。
心臓が高鳴るってこういうことか。
「ユースケはこっち」
同僚が僕を指さす。
「あら」
美人さんは僕を見て、静かに微笑んだ。