『宮殿島・セリカ大邸宅』
ティー「おはようございます」
ルルリ「生きてる?」
ティー「朝はスッキリです」
ルルリ「朝食済ませちゃったけど」
ティー「えっ」
ティー「じゃあ食後のミルクでも」
ルルリ「バナナオレを戴いたわ」
ティー「申し訳ございませんお嬢様」
ミリア「くるしゅうない」
ミリア「でも、ちこうよらないで」
ミリア「おさけくさい」
ティー「がーん」
ティー「色々洗ってきます・・・」
ルルリ「お気をつけて」
ルルリ「クロエは空いてそう?」
ミリア「案内するって」
ルルリ「住民島に行きたいわ」
ミリア「何か見るの?」
ルルリ「クルマが見たい」
ミリア「ルルリ、車に興味あったっけ?」
ルルリ「凄い事になってるらしいわよ」
ミリア「ほほー」
ミリア「あ、来たみたい」
ルルリ「行きましょ」
クロエ「ハロ」
ミリア「おはよー」
ルルリ「メオメオハロ!」
クロエ「ルルリはいつも元気だね!」
ルルリ「フワシコに来ると元気が出るのよねー!」
ミリア「そういえばルルリって」
ミリア「フワシコ語は話してるよね?」
ルルリ「日本語より簡単だもん」
クロエ「漢字無いもんね」
ミリア「英語も漢字無いんだけどなー」
ルルリ「カタカナのまま発音出来るし」
ルルリ「日本語に似てるし」
ルルリ「ミアミアルールでシコシコだわ」
クロエ「観光客にチンチンって言うと喜ぶよ」
ルルリ「女性にシコシコマンって言ったら怒りそう」
クロエ「そういうのは出来るだけ気を付けてるけど」
クロエ「男の子にカワチンって言ってたら泣かれた」
ルルリ「それは泣くわ」
ルルリ「ムケチンって言ってあげましょう」
ミリア「それはフワシコ語ではない」
ルルリ「言わなきゃばれないのに・・・」
クロエ「言語の壁を装ったセクハラ楽しい」
ルルリ「クロエはもう日本語は完璧ね」
ルルリ「言い回しがネイティブだわ」
クロエ「日本の漫画読みまくってるからね!」
ミリア「勉強熱心で凄いと思う」
クロエ「漫画読む勉強はどんどんいける」
ルルリ「ある意味理想的よね」
ルルリ「枢里も観光事業あればいいのに」
ミリア「人こないもんね」
クロエ「枢里には何があるの?」
ミリア「コメとムギとソバかな?」
ルルリ「見るところが何も無かったわ・・・」
クロエ「海が無いんだっけ」
ミリア「ちょこっとだけあるかな」
ルルリ「ほんとに申し訳程度よね」
クロエ「今度案内してよ。一回行ってみたい」
ミリア「いいけど、何年後になるかわからない」
ルルリ「ネットで見せたほうが早いかもね」
クロエ「そっか。見るなら今のうちだったね」
ルルリ「そうなのよ」
ルルリ「私、フワシコの住宅地が見たくて」
ルルリ「前回も見ないで終わっちゃったのよね」
クロエ「住宅地? それこそ何もないけど?」
ルルリ「何も無いところが見たいのよ」
ルルリ「クルマが走ってるんでしょ?」
クロエ「日本にもクルマあるでしょ?」
ルルリ「日本人はクルマに住んでないのよ」
クロエ「家建てるからか」
ミリア「うん。枢里は箱だけどね」
ミリア「大きい車で運ぶんだよ」
クロエ「それは漫画には無かったな」
ミリア「枢里が珍しいんだと思う」
クロエ「へえ、そういうのを見てみたい」
ルルリ「まずはクルマを見せて貰ってからね!」
クロエ「はいはい」
クロエ「せっかくだし乗ってみる?」
ルルリ「ヨシヨシ!」
『フワシコ・車中』
ルルリ「なるほど、軽自動車だわ」
ルルリ「ベッドに寝たままでいいの?」
クロエ「いいんじゃない?」
ルルリ「日本だと座席にしてシートベルトだわね」
クロエ「もうすぐ自動運転になるんでしょ?」
ルルリ「そうだけど、日本は法律が遅れてるのよ」
クロエ「一億人で選挙するから仕方ないね」
ミリア「家が無い」
ルルリ「ほんとに無いわね。凄いわ」
ルルリ「あれが食堂?」
クロエ「コンビニだね」
ルルリ「見てみたい」
クロエ「停まって」
『フワシコ・コンビニ』
ルルリ「充電も出来るんでしょ?」
クロエ「どこでもついてるよ」
ミリア「便利だねー」
ルルリ「シャワールームがあるわ!」
クロエ「綺麗なお湯が出ます!」
クロエ「反応が薄い」
ミリア「このへんだと珍しいんだよね?」
ルルリ「セリカママが最初に整備したのよ!」
ミリア「なぜかルルリが一番得意げだ」
ルルリ「そういえば予約忘れてたわね」
クロエ「何の予約?」
ルルリ「枢里ではご飯食べるのに予約がいるの」
クロエ「ふふん、うちでは要らないよー」
ミリア「ご飯余ったらどうするの?」
クロエ「冷凍する」
ミリア「贅沢だ」
ルルリ「そうか。電気が潤沢だから・・・」
ミリア「発電所いっぱいあるんだよね」
クロエ「風力、太陽光、廃棄物、海洋温度差発電」
クロエ「止めてるけど石炭と石油もある」
ルルリ「羨ましいわね」
ミリア「枢里はソーラーとゴミだけだもんね」
ルルリ「石油掘れないし、石炭も掘らないし」
ルルリ「うーん、理想的だわ」
ルルリ「住宅島のほうが地上の楽園だと思う」
クロエ「でも観光客には見せない決まりなの」
ミリア「どうして?」
クロエ「なんでだろ?」
ルルリ「移住希望者を出さないためだと思うわ」
ルルリ「産業は自動化してるし」
ミリア「枢里に似てるんだね」
ルルリ「フワシコ人はいまだに掘っ立て小屋」
ルルリ「って思われてるのよね、きっと」
クロエ「自慢したいけど我慢かな」
ルルリ「それがいいと思うわ」
ルルリ「ここ、牛ステーキ食べれるの?」
クロエ「食べれるね」
ミリア「フワシコ語は、ら抜き言葉が正しい」
ルルリ「食べられる、だと立場が逆になるものね」
クロエ「そこは日本語が変だと思うなー」
ミリア「食べる事が出来る、って言うんだよ」
ルルリ「日常会話だと使わない気がするけどね」
ルルリ「まあ、食べたいわ」
クロエ「ミリアは?」
ミリア「食べる」
クロエ「じゃあ3ね」
ルルリ「ナニカネカナ?」
クロエ「タダだよ」
ミリア「タダなの?!」
クロエ「配給制に戻したんだよ」
クロエ「セリカがカードになってて」
クロエ「一応タッチするだけ」
クロエ「充電もシャワーもタダだよ」
ルルリ「とうとう貨幣経済を卒業してしまったか」
ミリア「お店潰れないの?」
クロエ「国庫はかなり黒字らしいよ」
ルルリ「国民は働いてるの?」
クロエ「みんなよく働いてるよ」
クロエ「観光が無くなったら暇つぶしが大変だって」
ルルリ「来月のホテル、埋まりそう?」
ミリア「誰か泊まるの?」
ルルリ「一年単位で泊まる客を募集してるのよ」
ルルリ「一千万くらいで食事レジャー送迎全部込み」
ミリア「なるほど」
クロエ「あんまり埋まってないみたいだけどねー」
ルルリ「残念ね。逆に殺到されても怖いけど」
クロエ「まーね」
ルルリ「来た来た。ステーキだわ」
ミリア「柔らかくて甘い感じだね」
ルルリ「凄い・・・ほんとにステーキの味がする」
クロエ「偽物が出ることなんてある?」
ルルリ「日本では合成肉の店が増えてきたわ」
ミリア「枢里では牛肉は貴重だもんね」
クロエ「これ、日本の牛だって聞いたけどなあ」
ルルリ「セリカママが輸出したのかしら?」
クロエ「飯舘牛だって」
ルルリ「なるほど、こんな所で生き延びてたのね」
ルルリ「日本でも販売再開してたと思うけど」
ルルリ「出来るだけ続いて欲しいわね」
ミリア「ごちそうさまでした」
クロエ「どーもどーも」
ルルリ「フワシコは素晴らしいわ」