枢里DIO2023。
Posted on 2020年12月14日 by me in 小説執筆
2020からの続きだと書きやすいんだけどなあ。
◆
『2023年3月 春休み』
イオリ「サバイバル合宿?」
ルルリ「そう! 夏休みに2週間ね」
タケル「無人島にでも行くのか?」
ルルリ「そうしたい所だけど、すごく近所にしたわ」
ミリア「三剣宮から徒歩5分の畑つきのおうち」
ミリア「1丁を壁で囲って、その中で生活するの」
タケル「食糧とか道具は揃ってるのか?」
ルルリ「道具は完備」
ルルリ「食糧は、事前に植えることが出来るわ」
イオリ「夏休みに収穫できる作物を育てておくのか」
ルルリ「そういうこと」
ルルリ「それと、自分の家も作って貰うわ」
チサト「女子中学生ということを置いといても」
チサト「2週間で小屋を建てるのは無理では?」
ルルリ「残念ながら建築は法的にもNGなので」
ルルリ「軽トラの荷台に作ります」
イオリ「モバイルハウス!」
タケル「アタシらは運転も出来ないんじゃ?」
ルルリ「住むだけだから運転は要らないわ」
ルルリ「建築じゃないから市への申請が不要なのよ」
ミリア「大人の保護者が一人参加するから」
ミリア「配置換えくらいは出来ると思う」
ルルリ「サバイバル期間中は、原則外出禁止です」
ルルリ「通販、出前、差し入れも禁止」
タケル「トイレとかはどうすんの?」
ルルリ「共通で使える小屋はあるわ」
ルルリ「風呂トイレつき」
ルルリ「個室は無いけど雑魚寝なら出来る」
チサト「モバイルハウスは期間外でも作成可能?」
ルルリ「そこは協議の結果、可能としました」
ルルリ「ちなみに質の第一位が組立キット」
ルルリ「ロフトつきのしっかりした個室が作れる」
ルルリ「製作期間は大人二人で3日くらいですって」
イオリ「手伝って貰えるんですか?」
ミリア「参加者、私達と保護者は協力して欲しい」
ミリア「それ以外の人は禁止かな」
ルルリ「ちなみに、保護者は女性になるはずよ」
タケル「女の見せ所だな」
ルルリ「そこまで頑張って作りたくないなら」
ルルリ「荷台キャリアと幌で作るのが第二位」
ルルリ「半日もかからないで組み立てられるわ」
ミリア「馬車みたいな感じになる」
イオリ「雨とか寒さは大丈夫なんですか?」
イオリ「あ、夏だから寒さは大丈夫か」
ミリア「雨はテントよりは防げる感じだった」
ルルリ「というわけで第三位はただのテント」
ルルリ「四角いやつがあるから場所は取れるし」
ルルリ「まあ2週間程度なら大丈夫かしらね」
チサト「インターネットは使っていいんですか?」
ルルリ「妨げない。でもSRの持ち込みは不可」
ルルリ「急用、病気や怪我などの外出は認めるけど」
ルルリ「行き来する前提での参加はご遠慮ください」
チサト「参加者はここにいる5人と保護者1人?」
ルルリ「コハクが来るかもしれないのと」
ルルリ「保護者は2人にするかも知れないくらいね」
タケル「2週間生活すればいいだけか?」
タケル「敵が出たりとか事件が起きたりとか」
ルルリ「敵は出ないけど事件は起きます」
ルルリ「あと、チャレンジ課題がいくつか出るわ」
イオリ「暇つぶしの道具は必要無さそうですね」
チサト「必要な道具は支給して貰えるんですよね?」
ルルリ「チャレンジの対象以外は支給されるわ」
ルルリ「マッチで火を起こしましょうって課題の時に」
ルルリ「ライターとかは支給されない」
タケル「持ち込みはいいのか?」
ルルリ「基本は手ぶらの事前申請方式」
ルルリ「5日分の非常食、着替え、防寒具はある」
ルルリ「PCとスマホは必要なら用意するわ」
ルルリ「光は引いてある。水もある」
ルルリ「だから、食糧の持ち込みは禁止ね」
タケル「わりと簡単そうだな」
イオリ「懸念は9日分の食糧の収穫くらいですね」
チサト「事件が起きるのが気になるけど・・・」
タケル「よーし、乗った!」
イオリ「僕も大丈夫です」
チサト「親とスケジュールの調整をしておきます」
ミリア「みんなありがとう」
チサト「あ、具体的にいつ頃開始ですか?」
ルルリ「決めてないけど、お盆前だと思うわ」
ルルリ「お盆は忙しい人もいるでしょうし」
イオリ「お盆明けはアリア祭りですね」
チサト「7月の終わりごろから」
チサト「8月10日くらいまでですかね」
ルルリ「そうなるわね」
ひとまず、7月26日(水)から8月9日(水)の14泊15日を想定。
11日が祝日で3連休になるのでお盆休みは11からになるはず。
2019年の福井県の夏休みは7月21日(日)からなのでもっと前倒しでもいいが、
ふわふわ2020では7月25日(土)からだった。
2023年は7月22日と29日が土曜日。
梅雨明けはだいたい7月20日くらいになる。
◆
チサト「ピーマン、トマト、ナス、カボチャ」
チサト「トウモロコシ、枝豆、オクラ」
イオリ「夏休みに収穫できそうな作物ですね」
チサト「主食はトウモロコシ」
タケル「カボチャは?」
チサト「日本カボチャは低カロリーなんですよ」
タケル「ジャガイモは?」
チサト「梅雨明け直後の収穫ならギリギリあり」
チサト「サバイバル開始後すぐに収穫を狙う」
イオリ「雨が続いたらどうなるんですか?」
チサト「腐って収穫量が減るらしいです」
タケル「賭けだな」
イオリ「さすがに全滅は無いと思うので」
イオリ「育てる価値はありそう」
チサト「主食の種類は多い方がいいでしょう」
チサト「カボチャと枝豆も活用したいところ」
タケル「レシピはこっちで決めていいの?」
チサト「そのほうが美味しいですよね」
タケル「まあね!」
チサト「春休みのうちに植えちゃいましょう」
イオリ「植えきれるのかな・・・」
『枢里・サバイバル合宿所』
ルルリ「ここよ」
タケル「塀が高いな」
ルルリ「よじ登る気が失せたでしょ」
タケル「元々ねーよ!」
ルルリ「入口はカード認証」
ルルリ「イオリのゲストカードも用意しておくわ」
ルルリ「準備のための出入りはご自由にどうぞ」
ルルリ「さ、入って」
ミリア「こんにちは!」
ミリア「地獄の合宿所へようこそ・・・」
タケル「お嬢が言うと全然怖くねーな!」
ミリア「えへ」
イオリ「こんにちは、アリアさん、エルハさん」
エルハ「ご無沙汰しております」
イオリ「あれ、コハクもいたんだ」
コハク「いるよー!」
チサト「コハクは参加決定?」
ルルリ「よく考えたら私は頭数に入らないから」
ルルリ「かわりに頑張って貰うことにしたわ」
タケル「体力ないもんなー」
イオリ「敏捷も筋力も無いよね」
チサト「精神も脆いのでは」
ルルリ「ボロクソ」
ルルリ「そうじゃなくて、運営側として同行します」
タケル「例によって悪役令嬢か」
イオリ「ご苦労様です」
ミリア「わたしがやるって言ってるのに」
ルルリ「悪役の座は譲らないわよ!」
ルルリ「どうせ体力ないし」
ミリア「ますます動かなくなるじゃん」
ルルリ「労働はコハクに任せるわ」
コハク「この上級国民めー!」
ルルリ「というわけで、妹をよろしくね」
タケル「任された」
タケル「で、畑って後ろのこれ全部か?」
ミリア「うん」
イオリ「広すぎ・・・さすがに5人じゃ無理ですね」
チサト「でも耕されてるみたいだし」
チサト「10日ぶん作れれば十分なのでなんとか」
エルハ「農業機械は任せてください!」
タケル「機械が使えるのか!」
イオリ「免許が無いといけないんじゃ?」
エルハ「ふっふっふっ」
エルハ「とりましたよ、大特!」
イオリ「おおーっ」
タケル「かっけー!」
チサト「まあ、公道が走れるってだけですけど」
ルルリ「機械類はあのガレージに全部入ってるし」
ルルリ「ここは塀で囲われた私有地だから」
ルルリ「無免許でも捕まらないんだけどね」
エルハ「自慢させてくださいよー」
タケル「無免許でもいいってことは」
タケル「アタシも運転出来るの?」
ルルリ「まあ、外からは覗けないわね」
エルハ「だーめーでーすー」
タケル「えー!」
タケル「畑耕すとこだけでもやってみたい」
エルハ「そうやっておいしいとこだけ!」
エルハ「やるんなら全部やってください」
タケル「やってやるぜ!!」
ルルリ「危ないからみんな離れてね」
チサト「じゃあ別動隊は種と種芋を調達します」
チサト「でも、枢里ってホームセンターが無い」
ルルリ「もちろん、種から自分で作るのよ」
イオリ「自家採種ですね」
ルルリ「というわけで、近所の方から分けて貰って」
ルルリ「ミリア、よろしく」
ミリア「ほい」
イオリ「ということは、F1種ではないんですね」
ルルリ「細かく言うとややこしいけど」
ルルリ「近所の作物はほぼ在来種、一般品種なの」
チサト「種苗法か。あれも2020年改正でしたね」
タケル「ごめんわからん」
ルルリ「自家採種はわかるわよね」
ルルリ「自分の畑で作物を育てて種を採る」
タケル「うん」
ルルリ「その種を品種改良をして登録品種にする」
ルルリ「登録品種の自家採種を禁止するのが法改正」
タケル「海外に盗まれるからだっけ?」
ルルリ「法改正では海外流出を防げないわ」
ルルリ「品種改良した企業の利益を守る法律ね」
タケル「つまり庶民の敵だ」
タケル「法改正反対運動してたのを思い出した」
チサト「半年後にあっさり可決しましたけどね」
イオリ「あの運動は何だったんでしょうね・・・」
ルルリ「枢里が取った戦略は2つ」
ルルリ「一つは登録品種の徹底排除」
イオリ「在来種で今まで食べてきたんだもんね」
ルルリ「もう一つは種苗メーカーによる開発よ」
ルルリ「枢里で登録品種を作ればタダで使える」
タケル「三剣が儲けるのか」
ミリア「枢里の種を守るんだよ」
ルルリ「三剣放送協会とか三剣知財と一緒よ」
タケル「MHK!」
イオリ「受信料を払わないために作ったやつ!」
ルルリ「枢里のテレビ普及率を2.4%にしたわ」
イオリ「ゼロではないんですね」
ルルリ「どんな情報でも得る権利はあるわよ」
ミリア「テレビ館も人気だよね」
イオリ「テレビ館?」
ルルリ「映画館でテレビが見られるのよ」
ルルリ「・・・あのチャンネル以外」
イオリ「あれを見る権利は無いんですか」
ルルリ「座席数のぶんだけ契約しろと言うから」
ルルリ「出禁にしてやったわ!」
チサト「テレビ館訴訟って話題になってません?」
イオリ「南部では全然聞かないです」
タケル「報道しない自由ってやつだな」
タケル「見られたくないニュースを隠蔽する」
ルルリ「MHKは100%三剣資本だから」
ルルリ「三剣家が困る情報以外は全部流すわよ」
イオリ「偏向報道ではあるんですね」
ルルリ「自称中立だけど、枢里が特殊だからねえ」
チサト「お嬢様の悪口とか聞いたことないですね」
タケル「いまや里長(さとおさ)だもんな!」
タケル「逆らうやつは粛清だ!」
ルルリ「試しに誰か逆らってみて欲しいわね」
イオリ「南部にならまだ沢山居そうですけど」
チサト「枢里社員ではおそらく皆無ですね」