最初の引き込み。
Posted on 2020年12月 6日 by me in 小説執筆
とっかかりがうまくつかめない。
◆
ルルリ「ねえ、ラクリモサ」
ルルリ「人はどうすれば自分で考えるのかしらね」
ラクリ「為政者としてはむしろ好都合なのでは?」
ラクリ「下手な考えで危機を招くよりよっぽどいい」
ルルリ「それじゃあ前世紀の三流SFになるわ」
ルルリ「最後は人類がコンピューターを破壊して」
ルルリ「平和を取り戻した気になって終わりよ」
ラクリ「あくまで人類が自ら考える体裁にして」
ラクリ「為政者は責任の追及を逃れるわけですか」
ルルリ「いいえ。私は集合知を信じるわ」
ラクリ「民主主義はこれまで常に衆愚政治でした」
ルルリ「それは人類に知能が足りなかったからよ」
ルルリ「人工知能を使えば、人は思考力を持てる」
ラクリ「全員が思考力を持つ必要はないのでは」
ルルリ「そうね。でも」
ルルリ「望めば誰でも持てることが大事なのよ」
ラクリ「機会平等ですか」
ルルリ「人はどうすれば」
ルルリ「自分の意志で生きようとするのかしら」
ラクリ「やはり本末転倒な問いに見えます」
ルルリ「じゃあ、人はどうすれば」
ルルリ「自分の意志で生きるのをやめてしまう?」
ラクリ「諦める、とか」
ルルリ「つまり、機会と希望があればいいのよね」
ルルリ「たしか、パンドラの匣に入ってたかしら」
ラクリ「他にも沢山入っていたと思いますが」
ルルリ「そこがいいのよ」
ルルリ「私は、枢里に禍と希望を与えるわ」
◆
ジェシ「枢里覚醒計画、読んだよ」
ルルリ「私がやるのは破壊だけですけど」
ジェシ「大筋はいいとして、いくつかはダメ」
ルルリ「出来るだけ全部実行したいんですが」
ジェシ「まず、天導家を名乗るのはやめてちょうだい」
ルルリ「そうすれば、南部へ敵意を向けられます」
ジェシ「それがダメなのよ。南部を巻き込むのは禁止」
ルルリ「不服です。枢里には人口限界問題がある」
ルルリ「南部の人口拡大への対抗は喫緊の課題です」
ジェシ「だからこそよ。南北で分断すべきではない」
ジェシ「枢里拡大の道は、南部との融和しかないのよ」
ルルリ「しかし、南部に攻められては、元も子も」
ルルリ「・・・いや、従います」
ルルリ「私は三剣家の離反勢力を名乗る」
ジェシ「単に避難訓練として頂戴」
ルルリ「それでは真剣に取り組まない恐れが」
ジェシ「それはルルリちゃんの腕の見せ所よ」
◆
うーん。
タケルが避難訓練やったほうがいいのか。
タケルは枢里に引っ越す。
ルルリはタケルに試練を与える。
タケルはそれをこなしていく。
南部の情報源はイオリとコハク。
枢里を観光するのであればイオリに見せれば良い。
コハクに見せてもいい。
とにかく最初の引きが弱い問題を何とかしたい。
枢里を成立させることは八剣の願いとは少し外れている。
ミリアの個人的な願いであり、三剣のみの問題だ。
でも、ふわふわとしては主題である。
この時点で温度差が生じているのだろうか。
どうすれば一発で「枢里の話」に出来るんだろうか。