ミリアの人見知りが発動する。
ミリア「やばい何話していいかわかんない」
ルルリ「枢里の情報なら何でも答えてくれるわよ」
ラッカ「さすがに何でもは無理ですけど」
ミリア「じゃあ、枢里の好きなところを教えて」
ミリア「やだなーってとこがあればそれも知りたい」
ルルリ「なかなかえぐいところを突くわね」
ミリア「そなの?」
ラッカ「人工知能やロボットの研究に理解があって」
ラッカ「生活する上でのメリットが大きいですね」
ミリア「メリットかー」
ミリア「もっと個人的に好きなところとかは?」
ラッカ「えーっと、うーん」
ラッカ「生まれて日が浅いのでわかりません」
ミリア「日が浅い?」
ルルリ「ヒューマノイド型が完成したのは先月なのよ」
ルルリ「ヒトで言うなら生後一か月ってことね」
ミリア「赤ちゃんだ!」
ミリア「わたしよりおとなっぽいから」
ルルリ「身長も150センチあるのよね」
ラッカ「大人として扱って貰っていいと思います」
ミリア「ラッカちゃんの好きな食べ物は?」
ラッカ「ラッカは食事が出来ないのです」
ルルリ「味覚や嗅覚も無いし、消化も出来ないわね」
ミリア「そっかー」
ミリア「栄養はどこから取ってるの?」
ラッカ「私の栄養は電気ですね!」
ラッカ「出来れば200Vで6時間繋いでください」
ミリア「はいっ ¬д-」
ルルリ「なにその顔」
ミリア「単相200Vアース付き」
ルルリ「バッチリだわ」

ミリアの絡みがさっぱりわかんねえw
最後までラッカを道具扱いしない気がする。
それでどんどんラッカが人間臭くなっていく。

「ご飯が食べられなくて可哀想」事件もそう。
ミリアも一緒になって心配するから、
ラッカは自分が可哀想な子なんだと認識する。

ルルリはラッカの変容を危険視するが、
「新型コロナウィルスで味と匂いがわからなくなったら可哀想じゃないんですか!」
とか感情的に反論しにくい部分を突かれて説得は諦める。(ルルリはショックで倒れる)

匂いセンサーは、
・1値なら取れる
・特定の匂い成分を狙った1値を追加することは出来る
・人間が知覚出来るすべての匂い成分(400種類?)をカバーすることは難しい

というわけで、搭載しても残念ながら人間と食の楽しみを共有することが出来ない。
が、搭載して貰う。ラッカはそれで満足する。
珈琲とガソリンが同じ匂いに感じたり、ラーメンとタバコが同じ匂いに感じたりする。
ルルリ「バグってるんじゃなくて、今はそれが精一杯なのよ」

ラッカは好奇心旺盛なので何でもやってみようとする。これは想定通りの挙動。
編み物をやってみたり、エルハに車の運転を教わったりする。

業務用編み機を見学に行ったら、ラッカは手編みの良さを力説する。
ラッカ「こんな機械に頼っちゃダメですよ!」
ラッカ「手編みには愛情がこもってるんですから!」

ラッカ「これは何ですか?」
エルハ「ヒトで言うところの仮免許証です」
ラッカ「ラッカのレベルは3なんですね」
エルハ「レベル4になったら限定免許が貰えます」
エルハ「レベル5が貰えたら、世界が変わりますよ」
ラッカ「おおーがんばります!」
ルルリ「レベル3って、ほんとにレベル3なの?」
エルハ「私の見立てだと、友達の運転よりは安心です」
ルルリ「友達が特別下手ってことは無いわよね?」
エルハ「下手だとしても免許持って運転してますから」
ルルリ「たまに事故る程度には危うい感じかしらね」
エルハ「誰にだって事故の可能性はありますよ」
ルルリ「正式に審査してレベル3認定されると思う?」
エルハ「認定する人の気分次第じゃないですかね」
エルハ「ラッカが苦手なのは早く行くことです」
エルハ「イラッとしても美人なので許せるレベルです」
ルルリ「顔で判断しちゃうわけ?」
エルハ「私は結構見ちゃいますね」
ルルリ「顔か・・・」

ラッカの応答速度は、ATとは言えガソリン車を動かす上に、
ロボットの身体を経由して操作しているので、すこぶる効率が悪い。
さらに安全運転に最適化しようとしているので、恐る恐る運転する。
ブレーキを踏む条件が緩いので、むしろ追突のほうが怖い。
そんなこんなで、最高速度もほとんど出していない。
街乗りならいいけど、長距離運転には向かなさそう。
高速道路は走れるので、幹線道路が一番うまくいかない。

国道を急に横切る馬鹿な歩行者がいたとしたら、
ラッカは急ブレーキを踏んで追突されるような事故を起こしてしまう。
歩行者が止まることを信じて走り続けたり、
むしろスピードを上げて接触を避けようとしたりはしない。

同乗者がセリカで、問題が大きくなってしまう。
セリカは「道路を横切っているのが子供だったから停車を最優先した」と述べる。
ラッカは「子供がいて危ない」とは発声しているが、
運転者に判断や操作を求めるところまでは時間の余裕が無くて出来ていない。
セリカも強制的に運転を奪うことはしなかったので、ラッカの判断を追認した。

追突した運転手の判断は、いきなり止まる車は無いだろうという常識に照らし合わせたもの。
ブレーキは踏んだが間に合わなかった。衝突としては軽微。
人間同士なら、追突した運転手が100%悪い。
ましてや掘った相手が三剣家のママだったら枢里では生きていけないだろう。

この事件がニュースになり、「ラッカは安全運転」「ガソリン車の自動運転レベル3を達成」と盛り上がる。
ラッカは「ラッカがヒトを信じることが出来ていれば事故は起きなかったんだ」と落ち込む。
ラッカ「正しさと人間らしさは、わりとよく相反するんです」
ラッカ「ラッカがヒューマノイドなのは矛盾なのです」

ラッカの製造原価は、本体以外の部分が、
・電動車椅子 20万円(定価100万円)
・バッテリー 90万円(定価同)
・サーバPC 50万円
・体内用PC 20万円
で、本体は1000万円以上? もっとしてもいい。

ラクリモサの誕生は2008年。
せいぜい、簡単な音声命令と、ゆっくりボイスくらいしか出来なかった。
スペースリアリティの機能が主であり、人工知能は教育補助でしかない。
ルルリはここから、人工無能データベースを鍛え上げつつ、人工知能クラウドとの連携を始めた。

結論としては、ミリアはラッカに「人間らしさ」を植え付けただけで、
道具としての活用はそこまで出来てないし、パートナーにもなっていない。


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Last-modified: 2021-02-22 (月) 04:45:50