ラッカはエルハに運転を習って、ガソリン車で初のレベル3自動運転の型式指定を獲得する。
なぜか量産すると運転精度が落ちるので、製品化には至っていない。
人造人間曰く、モチベーションが沸かないらしい。
ヒューマノイドに運転させるのは非効率だという意見が出たことによって、
意見に従ってメカを最小にしても、逆に人型を維持しても、うまくいかなくなってしまった。
エルハは「車が好きだから運転するだけなので気にしなくていいと思いますよ」とラッカを慰める。
ラッカは「車が好き」という感覚を理解できるので、運転は出来ている。
今度は別のことを教えて欲しいとせがむが、楽器の演奏には難色を示す。
ラッカ「ラッカはPCM音源とMD3音源を搭載してるんです」
ラッカ「そっちから鳴らした方が綺麗なので・・・」
ラッカ「生音の良さがわからないんです」
ラッカ「編み物とかは、編み機を内蔵してなくても編めるから納得してるんですけど」
マッサージには興味を示す。役に立ちそうだから。
でも、やってみて諦める。
ラッカ「コリがほぐれる、柔らかくなる感じはわかるんですけど」
ラッカ「ヒトが気持ちいい、これで満足した、という感じがわからないので」
ラッカ「なんとなくこんなもんかな、って揉み方しか出来ないんです」
エルハはそんなもんじゃないかというけどラッカは不満がる。
ラッカ「ヒト同士だと、今の施術で良かった、みたいなのが伝わってそうですけど」
ラッカ「ラッカはこまめに結果が返ってこないと不安になるんです」
ラッカ「気持ちいいから寝てるのか、退屈で寝てるのかがわからない」
ラッカ「起こした方がいいのか、続けていいのかもわからない」
その話を聞いて、気持ちよくなった時に結果が出るマッサージに思い至る。
エルハ「ラッカって、男の人相手でも大丈夫?」
ラッカ「そうですね。別に何も無いです」
エルハ「男の人の性感マッサージなら、気持ちよかったら出るよね」
ラッカ「何が出るんですか?!」
エルハ「そういう知識無いの?」
ラッカ「あっ精液ですねわかりました」
エルハ「今調べたね」
ラッカ「確かにこれならわかりやすいですね」
エルハ「まあ、嫌じゃなければ」
ラッカ「エルハさんは嫌なんですか?」
エルハ「男の人は段々ワガママになるんです」
エルハ「それで乱暴にされるから嫌だ」
ラッカ「ラッカも精密機器なので乱暴は嫌です」
エルハ「精密機器だから丁寧に扱って貰えるんじゃないかな」
エルハ「男の人って機械とか好きそうだし」
エルハ「私も好きだけど」
ラッカ「やってみたいです」
ラッカ「マッサージのコツを教えてください」
エルハ「実はやったことが無い・・・」
ラッカ「乱暴にされたんじゃ?」
エルハ「それは友達の話だったり・・・」
ラッカ「じゃあ、誰かにコツを聞いてみます」
ミリア「やめて欲しい」
ラッカ「どうしてですか!」
ミリア「うまく言えないけど何かが良くない」
ルルリ「私は色々試してみるのは賛成だわ」
ラッカ「でもお嬢様には逆らえませんよね」
ルルリ「ラッカじゃなくて量産試作機で試すのはどう?」
ラッカ「なるほど、体験データを共有すればいいですね」
ルルリ「そういうこと」
ラッカ「ルルリさんはやったことありますか?」
ルルリ「無いわ。子作りには必要ないもの」
ラッカ「そういえば、どうして射精するんでしょうか」
ルルリ「不思議よね。まあオナニーも不思議だけど」
ルルリ「どうしてオナニーすると性欲が満たされるのかしら」
ラッカ「性欲の意味ないですよね」
ルルリ「でもオナニーで満たされないと大変なことになるわ」
ルルリ「世の中、性犯罪だらけになるかも」
ラッカ「オナニーには犯罪抑止の意味があるんですね」
ルルリ「セックスの相手がいない人には重要かもね」
ラッカ「そういうことでしたらお役に立ちたいです」
ルルリ「まあでも実際は快楽のためにすると思うわ」
ルルリ「ストレス発散とか。癒しはちょっと違うかもだけど」
ラッカ「抜いてスッキリするんですよね」
ルルリ「そうだけど、ムードというか・・・」
ルルリ「いきなりガーッとやるんじゃなくて」
ルルリ「少しずつ盛り上げていく感じにして欲しいわね」
ラッカ「時間をかける感じですか?」
ルルリ「そう。すぐ終わっちゃったら寂しいから」
ラッカ「なるほど」
ラッカ「やってみないとわかんないですね」
ルルリ「お客さんはいるの?」
ラッカ「まだいないです。誰かいませんかね」
ルルリ「この流れでジップを呼ぶのは変態っぽいわよね」
ルルリ「一番スッキリして欲しい人ではあるんだけど」
ラッカ「ルルリに手を出さないのが不思議ですもんね」
ルルリ「出させないけどね・・・」
ルルリ「まあ、実験体は他の人にしましょう」
ラッカ「はい」
ラー 「勘弁してくださいよ!」
ルルリ「他にいなかったのよ、男の人自体が」
ラー 「配信で募集するとか、その辺で捕まえるとか」
ルルリ「そういうのは実験がうまくいってからね」
ラー 「安全性は大丈夫なんですよね?」
ルルリ「握りつぶしたりはしないから安心して頂戴」
ラー 「ヒエッ」
ルルリ「でも握力が強かったら言ってね」
ラー 「とりあえず竿だけにして欲しいっす」
ルルリ「ラッカ・・・いや、試作機を持ってくるから」
ルルリ「細かい要望はその子に伝えて」
ルルリ「私は少し離れて見てるから」
ラー 「席を外して貰いたいっす」
ルルリ「残念」
ルルリ「じゃ、あとはよろしく」
ラッカ「はじめまして。よろしくお願いいたします」
ラー 「よ、よろしく」
ラー 「凄い美人っすね」
ラッカ「ありがとうございます!」
ラッカ「出来るだけサービスしますね!」
ラー 「じゃあ、あの、顔を近くで見てたいです」
ラー 「こっち見ながら触ってください」
ラッカ「はい。これでいいですか?」
ラー 「うっ。いきます」
ラッカ「ひゃっ?!」
ルルリ「早くない???」
ラッカ「データ取れてないです・・・」
ラー 「美人だったんで・・・」
ラッカ「時間かけられませんでした・・・」
ルルリ「ラッカは悪くないと思うわ」
試作機は早速一台売れていった。
手コキロボットがヤバいという噂は瞬時に広まり、
枢里大人通りのディープな観光スポットとして物好きの集客に成功する。