ルルリ「ご視聴ありがとうございました」
ルルリ「を言う前に寝落ちしてしまった」
ルルリ「薬が効くのはせいぜい30分ね」
ルルリ「娘の結婚式、見たくない?」
ルルリ「始業式の日の朝」
ルルリ「セレモニーホールは空いてるかしら」
ルルリ「寝たまま運んでもらって」
ルルリ「入退場まで30分にならないかしら」
ルルリ「誓いの言葉からキスまでにするか」
ルルリ「讃美歌の最中に入れ替わりましょう」
ルルリ「退場したらそのまま病院送り」
ルルリ「私はその後で冬眠に入る」
ルルリ「死んでからじゃ意味ないから」
ルルリ「生きてるうちに眠りたいわ」
ルルリ「治る見込みがあるなら延ばすけど」
ルルリ「無理そうなら早めに始めましょう」
ルルリ「そのほうが蘇生の体力も残るはず」
ルルリ「今日は4月3日」
ルルリ「結婚式は4月7日」
ルルリ「もう一回起きていいんなら」
ルルリ「最後にスープカレーが食べたいわ」
ルルリ「4月5日ね」
ルルリ「取り寄せじゃ間に合わないから」
ルルリ「冷凍のを現地で買い付けて」
ルルリ「クーラーボックスで持ち帰り」
ルルリ「野菜を足して調理する感じね」
ルルリ「辛さスパイスは袋のまま持ってきて」
ルルリ「それで私の時間はおしまい」
ルルリ「あとは結婚式をすれば満足よ」
ルルリ「冬眠に失敗しても文句は言いません」
ルルリ「ルッカは間に合いそうなのね」
ルルリ「ボロが出ないように話せるといいけど」
ルルリ「試しに繋いでみるか」
ルルリ「もしもし、ルッカ?」
ルッカ「待って、ルルリよね?」
ルッカ「ルルリと通話するのは想定外だわ」
ルルリ「心配だから会話を確認したいのよ」
ルッカ「それはわかるけど」
ルッカ「ミリアだと思って喋ればいいの?」
ルルリ「そうよね。自分と話しても変だわ」
ルルリ「おはよう、ルルリ」
ルッカ「おはよう、ミリア」
ルルリ「今日は6時に起きたんだね」
ルッカ「いよいよ通学が始まるからね」
ルッカ「気合入れて起きてしまったわ」
ルルリ「ルルリは寝付けなさそうだけど」
ルルリ「ちゃんと眠れたなら良かった」
ルッカ「あんまり眠れてないけど」
ルッカ「夜中に起きてないから大丈夫よ」
ルルリ「心配だなー」
ルッカ「通学といっても私は病室だし」
ルッカ「リモートドールを動かすだけね」
ルルリ「動かすのは大丈夫なの?」
ルッカ「車椅子はカンタンだわ」
ルッカ「身体を動かすのはコツがいるわね」
ルッカ「ずっと車椅子でいるつもりよ」
ルルリ「リハビリしなくていいの?」
ルッカ「病院で十分やってるわよ」
ルルリ「そっか」
ルルリ「退院いつごろできそう?」
ルッカ「症例が無いからわからないけど」
ルッカ「動ける時間を少しずつ増やす感じ」
ルッカ「一日動けるようになったら退院ね」
ルルリ「放課後、お見舞いに行くね」
ルッカ「それが面会は出来ないのよ」
ルッカ「身体にいろいろ繋いでるし」
ルッカ「見られるのは恥ずかしいわ」
ルルリ「でも、ルルリに会いたいなー」
ルッカ「こうやって一緒にいられるんだし」
ルッカ「外せるまでは我慢しましょう」
ルルリ「うん」
ルルリ「グッドね」
ルッカ「ほぼ想定通りの問答だったわ」
ルッカ「突然意外なことを言われるのが怖い」
ルルリ「そうねー」
ルルリ「咄嗟にうまい返しとかは」
ルルリ「しなくていいと思うけど・・・」
ルッカ「たぶん、ぼーっとする感じだわ」
ルッカ「応答が間に合わない」
ルルリ「失言するよりいいんじゃないかしら」
ルルリ「安全にいきましょう」
ルッカ「かしこまり」
ルルリ「口調、特徴的で良かったわ」
ルルリ「練習した甲斐があった」
ルッカ「賢そうに聞こえるものね」
ルルリ「というつもりなんだけどね」
ルルリ「自分の同意を得ても仕方なかったわ」
ルッカ「私はちょっと楽しかった」
ルルリ「確かに、貴重な体験ね」
ルルリ「よろしく頼んだわよ、私の分身!」
ルッカ「治ったら双子ごっこしましょう」
ルルリ「いいわね。楽しみにしておくわ」