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041 八剣世界

ミリア「まだふわふわしてる」
ミリア「ミリアと」
ルルリ「ルルリです」
ルルリ「この挨拶ちょっと好き」
ミリア「ゆるい」
ルルリ「さいきん真面目回続いてない?」
ミリア「昨日は雑談のつもりだった」
ルルリ「私が防災の話しちゃったのか」
ミリア「すごくためになったよ」
ルルリ「根が真面目なのバレちゃうわー」
ミリア「不真面目キャラがいいの?」
ルルリ「照れくさいじゃん」
ルルリ「ティーさんもニートキャラでしょ」
ティー「不真面目な演技ですよー」
ミリア「真面目なほうが良くない?」
ルルリ「エルハは真面目キャラじゃん」
ルルリ「だからたまに残念でしょ」
ミリア「うっ、でもいい人だよ」
ルルリ「優等生が実はバカだとガッカリする」
ルルリ「けど、不良が猫可愛がってると」
ティー「きゅんとするやつですね」
ミリア「ルルリの言いたい事はわかった」
ミリア「賢い時だけ褒めればいいんだよね」
ルルリ「基本的に賢くないってことよね」
ミリア「そうしたいんでしょ?」
ルルリ「どうしたいかわからなくなってきた」
ティー「中二っすなあ」
ミリア「ティーさんに任せた!」
ティー「自分は前の世界の話が聞きたいっす」
ルルリ「バカにする気満々ね?」
ティー「聞くときは茶化しませんよ」
ティー「録画は大事にとっときますけど」
ミリア「ティーさん、ルルリの事好きだよね」
ティー「わりと大好物っす」
ルルリ「じゃあ思いっきり話そうかしら!」
ルルリ「後悔しても知らないわよ!」
ティー「名言戴きました」
ミリア「いいのかなあ」
ルルリ「元の世界と今の世界は似てるんだけど」
ルルリ「細かいところが少しずつ違ってるの」
ルルリ「一番の違いは、三剣家が無いことね」
ルルリ「元の世界では八剣家だった」
ティー「やつるぎけ」
ルルリ「財閥解体が無くて、八剣財閥だったわ」
ルルリ「だから、八剣アリアは財閥令嬢だった」
ティー「お嬢様は居たんですね」
ルルリ「アリアさんがすべての中心なのよ」
ルルリ「それは三剣世界でも一緒でしょ?」
ミリア「わたしはすみっこでいいのに」
ルルリ「八剣財閥は大きかった」
ルルリ「三剣グループのグローバル組織と」
ルルリ「セリカママのような金融資本と」
ルルリ「枢里のような企業都市を持っていたわ」
ミリア「うちはなぜかバラバラ」
ルルリ「原発や軍事兵器も開発してたし」
ルルリ「世界に影響する大企業を牛耳ってたの」
ティー「世界征服できそう」
ルルリ「そうね。少なくとも」
ルルリ「敵対国に狙われるだけの理由はあった」
ルルリ「八剣世界は治安が悪くて」
ルルリ「テロや暗殺、暴力デモが頻繁だったの」
ルルリ「アリアさんも何度も命を狙われた」
ミリア「世界が違いすぎる」
ティー「まあ黙って聞きましょう」
ルルリ「毒殺されたこともあったのよ」
ルルリ「だから三剣宮は毒見役を雇ったんだわ」
ティー「私の雇用の秘密が明らかになりました」
ティー「でも、毒殺されたって、誰が?」
ルルリ「アリアさんが」
ティー「死んじゃったんですか?」
ルルリ「死んじゃったわね」
ルルリ「アリアさんは死にすぎなのよ」
ルルリ「ギネスに載れるくらい死んだと思うわ」
ティー「それだけ生き返ったんですかね」
ルルリ「ここから笑わないで欲しいんだけど」
ルルリ「八剣家には不思議な魔法があったのよ」
ルルリ「原理はよくわからないんだけど」
ルルリ「私の感覚だと、夢オチに似ているわ」
ルルリ「アリアさんが死ぬと夢オチになるの」
ティー「凄い都合のいい魔法ですね」
ルルリ「でも魔法が使えるなら」
ルルリ「最初から死ななければ良くない?」
ルルリ「私が毎回死に目に遭う必要なくない?」
ティー「そう言われると悪趣味ですね」
ルルリ「まあ、そういう、変な魔法だったの」
ルルリ「私は夢を見るたびにアリアさんに伝えて」
ルルリ「死亡フラグみたいなのを回避してきた」
ティー「ゲームっぽくなってきました」
ルルリ「一度アリアさんが言ってたんだけど」
ルルリ「彼女は乙女ゲームの悪役令嬢らしいわ」
ルルリ「ジャンルちがくない?」
ルルリ「ホラー系ノベルゲームじゃない?」
ティー「ルルリさんは何だったんですか?」
ルルリ「きっとヒロインだと思うわ!」
ルルリ「アリアさんと敵対する関係だったし」
ティー「じゃあ、イケメンを奪い合ったり?」
ルルリ「してない」
ルルリ「イケメン登場すらしてない」
ティー「それは乙女ゲームではないのでは」
ルルリ「私もそう思う」
ルルリ「最後は核兵器を使われて」
ルルリ「私達は北海道に疎開したのよ」
ティー「夢オチにはならなかったんですか?」
ルルリ「そこしか生存ルートが無かったわ」
ルルリ「まあ、そこもダメだったんだけど」
ルルリ「2034年末でゲームオーバーね」
ティー「そこまでは生きたんですね」
ルルリ「私は25歳になったことがあるわ」
ルルリ「だから天才でも何でもないのよ」
ルルリ「一度勉強をやったから出来るだけ」
ティー「どんな大人だったんですか?」
ルルリ「それは内緒」
ルルリ「率直に言って愛せない自分だわ」
ルルリ「アリアさんの事は好きだったけど」
ルルリ「結局、救うことが出来なかった」
ティー「からの異世界転生ですか」
ルルリ「一度2020年に戻ってきたのよ」
ルルリ「核攻撃を受ける前の八剣宮にね」
ルルリ「そこには、あー、これも内緒だわ」
ティー「えー」
ルルリ「まあ、アリアさんが死ぬ前に」
ルルリ「二人で別の世界に行きましょう」
ルルリ「ってことで、この世界に来ました」
ティー「どうやって?」
ルルリ「タイムリープってわかるかしら?」
ミリア「わかんない」
ティー「過去に戻るやつですかね」
ルルリ「アニメで言う世界線だと思うわ」
ルルリ「同じ世界の過去じゃなくて」
ルルリ「隣の世界線の過去に飛ぶ感じ」
ルルリ「私達は剣世界と呼んでいたわ」
ミリア「ここは三剣世界」
ルルリ「元の世界は八剣世界ね」
ティー「他にも剣世界はあるんですか?」
ルルリ「二剣世界はあったはずよ」
ルルリ「一度失敗した記憶があるから」
ティー「そこには二剣アリアお嬢様が?」
ルルリ「名前は三剣だった気もするけど」
ルルリ「そのへんは記憶が曖昧ね」
ティー「ルルリさんは何歳でした?」
ルルリ「4歳から11歳までね」
ルルリ「今年が肝心なの」
ルルリ「今年、世界の運命が決まるのよ」
ティー「何に失敗したんですか?」
ルルリ「言っていいのかなあ」
ミリア「何だったっけ・・・」
ルルリ「まあ、面白い作り話でしょ?」
ティー「八剣世界の所は正直感心しました」
ティー「ルルリさん作家になれますよ」
ルルリ「暇な時に書いてみようかしら」
ティー「でも二剣世界は余計だったかも」
ティー「風呂敷を広げるとボロが出ますよ」
ルルリ「そうね。じゃあやめておくわ」
ティー「ボロを出して欲しいので」
ティー「失敗のとこだけ教えてくださいよ」
ルルリ「そう?」
ルルリ「パンデミックよ」
ルルリ「私達はコビドの防疫に失敗したの」
ティー「あー」
ルルリ「という夢、妄想のお話ね」
ルルリ「そんな話で作家になる趣味はないわ」
ティー「こじらせすぎていい人になってます」
ルルリ「私、ハッピーエンド至上主義者なの」
ルルリ「書くんなら、防疫に成功した話だわ」
ルルリ「あるいは最初から問題の無い世界か」
ティー「作家になるなら応援しますよ」
ティー「イケメンは出して貰いますけど」
ルルリ「私原作でティーさんが書くのは?」
ティー「イケメンが死ぬ話は嫌っす」
ルルリ「私もお嬢様の死亡シーンは無理だわ」
ミリア「わたしは死なないよー」
ルルリ「この世界はほんとに平和だわ」
ルルリ「ミリアの記憶が無いのは残念だけど」
ルルリ「そのぶん可愛いからいいかしらね」
ティー「八剣アリアさんは可愛くないんすか」
ルルリ「お姉さんタイプね。髪が長くて」
ルルリ「落ち着いた喋り方をする人だったわ」
ミリア「ルルリはそういうのが好きなのか」
ルルリ「アリアさんには憧れてたし」
ルルリ「今でも尊敬してるけど」
ルルリ「人としてはミリアのほうが大好き」
ミリア「なんで?」
ルルリ「安心感があるからだわ」
ルルリ「一番、感性がまともなの」
ミリア「わたしだって間違えるよ」
ルルリ「それでも人としては間違わないわ」
ルルリ「ミリアになら命だって捧げられる」
ミリア「それは言い過ぎ」
ルルリ「人生に悩んだ時に」
ルルリ「ミリアのために生きよう」
ルルリ「って思うとやる気が出るのよ」
ミリア「言いすぎだってば」
ルルリ「お話はこんなところね」
ルルリ「休憩でプリンが食べたいわ」
ミリア「出してあげよう」
ティー「おねだりだったのか」
ミリア「ティーさんお願いします」
ティー「へいへい」


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Last-modified: 2021-04-12 (月) 03:48:50