V

013 観光ホテル

『宮殿島・セリカ大邸宅』
ティー「おはようございます」
ルルリ「生きてる?」
ティー「朝はスッキリです」
ルルリ「朝食済ませちゃったけど」
ティー「えっ」
ティー「じゃあ食後のミルクでも」
ルルリ「バナナオレを戴いたわ」
ティー「申し訳ございませんお嬢様」
ミリア「くるしゅうない」
ミリア「でも、ちこうよらないで」
ティー「がーん」
ティー「色々洗ってきます・・・」
ルルリ「お気をつけて」
ミリア「さて、今日は観光します!」
ルルリ「これっていつ配信するの?」
ミリア「一日遅れくらいらしい」
ミリア「今は1月11日の朝9時です」
ルルリ「フワシコは日本より3時間早いから」
ルルリ「今の日本は朝6時ね」
ルルリ「ライブにしてもみんな寝てるわ」
ミリア「わたしは毎朝起きてるよ」
ルルリ「何人来るかライブやってみる?」
ミリア「リアルタイム勢が焦るからダメ」
ミリア「配信する時刻決めるって」
ルルリ「どんどんまともになっていくのね」
ミリア「不満なの?」
ルルリ「ちょっとだけ」
ルルリ「これ編集するのよね?」
ミリア「うん」
ルルリ「(ピー――)!(ピー――)!」
ミリア「どん引き」
ルルリ「ごめん・・・」
ミリア「反抗期なの?」
ルルリ「別に・・・」
ミリア「何よその態度は! ママ怒りました!」
ルルリ「えっと」
ルルリ「返し方がわからないわ」
ミリア「わたしもわからない」
「ピンポーン」
ミリア「クロエだ」
ルルリ「どうぞー」
クロエ「ヘロヘロ~」
ミリア「おはよー」
ルルリ「ガショーガショー」
ミリア「何語?!」
ルルリ「新年のご挨拶よ」
クロエ「恭賀新年!」
ミリア「うやうやしい!」
クロエ「挨拶の呼吸、壱ノ型」
ルルリ「相変わらず勉強熱心で脱帽するわ」
クロエ「ルルリは何か発明しないの?」
ルルリ「何の発明?」
クロエ「天才少女が発明で解決するんでしょ?」
ルルリ「まさか、あの番組まで見てるの?」
ミリア「あのっていうか今撮ってるけど」
クロエ「日本の皆さん、こんにちは」
クロエ「バナナ共和国へようこそ!」
ミリア「ねえクロエ」
ミリア「バナナ共和国って、フワシコっていうの?」
クロエ「フワシコだよ」
クロエ「でもアメリカはバナナ共和国って呼んだ」
ルルリ「日本でもバナナ共和国って呼んでるわね」
クロエ「フワシコのバナナは世界一美味しいから!」
クロエ「他のバナナ食べたことないけど!」
ミリア「いい意味なんだね」
クロエ「日本もライス帝国にすれば良かったのに」
ルルリ「なぜかアメリカの事を米国と呼んでるわね」
クロエ「黄金の国ジパングとかめっちゃいいじゃん」
クロエ「ワクワクして行ってみたくなるでしょ」
ミリア「行ってみたい」
クロエ「そういう名前にしなきゃみんな来ないよ!」
ルルリ「さすが観光立国しただけあるわね」
ミリア「今日は観光島を案内して欲しいです」
クロエ「あれ、住民島じゃなかったの?」
ルルリ「番組で紹介したいから観光島からお願い」
ルルリ「ちなみに宣伝動画は飛行機で見てきたわ」
クロエ「いいでしょ。アガる感じ?」
ルルリ「リッチ感は出てたわね」
ミリア「でも、お高いんでしょう?」
クロエ「アリアたちはタダじゃん」
ミリア「タダだから値段がわからない」
ミリア「お金払うよ」
ミリア「飛行機代も払ったし」
ルルリ「枢里の人が来れるかどうかだから」
ルルリ「エコノミークラスの往復飛行機代と」
ルルリ「ホテル6泊7日の料金が知りたいわね」
ルルリ「ホテルも安い部屋で、食事別で」
クロエ「10万円!」
ルルリ「もう一声!」
クロエ「毎日御馳走にダイビングつきで15万円!」
クロエ「観光バスと世界遺産巡りもセットです!」
ミリア「上がった」
クロエ「コミコミでポッキリの明朗会計だよ!」
クロエ「チップ無くても大丈夫!」
ルルリ「どんだけ日本人を研究しつくしてるのよ」
クロエ「世界一の親日国です!」
ルルリ「枢里住民が収入の一割を積み立てるとして」
ルルリ「2年頑張れば1回行けるかどうかね」
クロエ「2年後にお会いしましょう!」
ミリア「あ、そういえば」
ルルリ「セリカ航空の運休の件だったわね」
ミリア「来月から年内いっぱい停止するんですね」
クロエ「1年間の滞在権を販売してるんだ」
クロエ「500万円でホテルに観光に三食付き」
ルルリ「売れてるの?」
クロエ「ぜんぜん」
クロエ「今年は動画配信でもやろうかって話してる」
ミリア「わたしたちと一緒だね」
ルルリ「観光収入無くなったら大変じゃない?」
クロエ「セリカマネーに頼るしかないね」
ミリア「ママのお金?」
ルルリ「正確にはフワシコセリカの内部留保ね」
ルルリ「さっきの書類で予算通すんじゃないかしら」
ミリア「大事なお使いだった」
クロエ「セリカは凄いよね。何者なの?」
ミリア「お買い物が上手なママ」
ルルリ「そうね」
クロエ「日本一の金持ちなんでしょ?」
ルルリ「全然! 今はお金無いってミリア情報ね」
ルルリ「400億円のホテルと」
ルルリ「500億円のスパコンと」
ルルリ「製薬会社の株を買って無くなったとか」
クロエ「なんでホテル買うかな」
ミリア「ライス帝国とか始めるのかも」
ルルリ「それは無いでしょう」
クロエ「じゃあまあ、うちのホテル見てってよ」
ミリア「おねがいしまーす」
『観光島・ホテル』
ミリア「動画で見たロビーだ」
ルルリ「ここは最高級?」
クロエ「うちのホテルはみんな最高級だよ!」
ルルリ「一番安い部屋を見せて欲しいわ」
クロエ「おすすめはスイートなんだけどなー」
ルルリ「それも後で見せて貰うけどね」
クロエ「比較したいってことだね?」
ルルリ「安い部屋で満足したいのよ」
クロエ「いい部屋に泊まればいいのに」
ミリア「そうだよね・・・」
『観光島・ホテル・シングル』
クロエ「ここが一番安い部屋だよ」
ルルリ「ダブルベッドなのね」
クロエ「それ以外何も無いし景色も良くない」
ルルリ「椅子とテーブルがあるじゃない」
クロエ「それぐらいはあるよ!」
ルルリ「お風呂は使えるの?」
クロエ「大浴場とプールは共用」
クロエ「カフェとかバーでくつろいで」
クロエ「部屋では寝るだけだね」
ルルリ「十分だわ。ベッド広いし」
クロエ「もっといい部屋にしなよー」
ミリア「わたし贅沢する」
クロエ「お! アリアはわかってるねえ」
クロエ「それじゃあスイートにごあんなーい!」
『観光島・ホテル・スイート』
クロエ「ここがバナナ共和国が誇る最高の部屋」
クロエ「五つ星ホテルのスイートルームだよ!」
ミリア「うちみたい」
ルルリ「思った」
クロエ「そりゃ、セリカの家は一番いいもん」
ルルリ「民泊始めたら儲かるかしらね」
クロエ「やめてよお客取らないでよ」
クロエ「配信用にちゃんと反応して」
ミリア「わあーすごおーい」
ルルリ「とってもごうかだわー」
クロエ「ヘタクソかよ!」
ルルリ「まあ間違いなく豪華だと思うわよ」
ルルリ「私達の感覚が麻痺してるだけで」
ミリア「なんかごめんなさい」
クロエ「セリカもそんな感じなんだよなー」
クロエ「最高級のおもてなしでも反応が薄い」
クロエ「でも車中泊して大喜びするんだって」
ルルリ「車中泊?」
クロエ「まさか、ルルリもクルマで寝る気?」
ルルリ「実に興味深いわ」
クロエ「スイートにタダで泊まれるのに?」
ルルリ「セリカママが大喜びしたんでしょ?」
ミリア「そう言われると確かに気になる」
クロエ「ここがヘンだよ日本人」
ルルリ「変イエーイ!」
ルルリ「車、見せて貰える?」
クロエ「リムジンじゃなくてでしょ?」
ルルリ「セリカママが寝たのと同じやつね」
クロエ「工場に在庫確認してみる」
ルルリ「そのへんにあるやつでいいわよ」
クロエ「従業員用とかだよ?」
ルルリ「それがいいわ」
クロエ「フロントに聞いてみる・・・」
『観光島』
クロエ「借りたよ。私物だから注意してね」
ルルリ「撮影も大丈夫?」
クロエ「いいけど、こんなの見てどうするの」
ルルリ「外見はミニキャブ・ミーブっぽいわね」
ルルリ「2ドアで2人乗り」
クロエ「ベルトすれば4人乗りできるよ」
ルルリ「後部座席が置けるのね」
クロエ「置かない」
ミリア「後ろはベッドなんだね」
ミリア「ベッドにシートベルトがある」
ルルリ「飛行機と同じ仕組みなのね」
ルルリ「ちょっと寝ていい?」
クロエ「どうぞ」
ルルリ「低反発かしらね。寝心地はいい」
ミリア「エアコン? つけていい?」
クロエ「いいよ」
ミリア「涼しい!」
ルルリ「これは快適だわ」
ルルリ「バッテリー容量はどれくらい?」
クロエ「わかんないなあ」
ルルリ「昔から変わって無ければ5kWhね」
ルルリ「50kmくらい走れる感じ」
クロエ「そんなもんだと思うよ」
ルルリ「一台いくらなの?」
クロエ「配給だから値段は無いよ」
ルルリ「製造原価は?」
クロエ「だーっ! 知らない!」
クロエ「なんで車が一番食いつきいいんだよ!」
ルルリ「欲しいわ、この車」
クロエ「車はいいから観光しようよ!」
ミリア「車、ありがとうございました」
『後半へ続きます』


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2021-04-10 (土) 00:01:54