ルルリ「寝落ちしてしまった」
ルルリ「前回は40分ってところね」
ルルリ「生きるには短すぎる」
ルルリ「今日は4月3日」
ルルリ「結婚式は4月7日」
ルルリ「もう一回起きていいんなら」
ルルリ「最後にスープカレーが食べたいわ」
ルルリ「4月5日ね」
ルルリ「取り寄せじゃ間に合わないから」
ルルリ「冷凍のを現地で買い付けて」
ルルリ「クーラーボックスで持ち帰り」
ルルリ「野菜を足して調理する感じね」
ルルリ「辛さスパイスは袋のまま持ってきて」
ルルリ「たぶんいけると思うけど」
ルルリ「一応足しながら食べることにするわ」
ルルリ「それで私の時間はおしまい」
ルルリ「あとは結婚式をすれば満足よ」
ルルリ「セリカは段取りつけてくれたみたいね」
ルルリ「ペアリングも間に合うかしら」
ルルリ「私がつけたまま眠りたいわ」
ルルリ「冬眠の成功率は推測不能か」
ルルリ「起きる事より死なない事を優先して」
ルルリ「あと10年生きられれば十分だわ」
ルルリ「失敗しても文句は言いません」
ルルリ「ベストを尽くして死ぬのは仕方ない」
ルルリ「ルッカは最終調整中なのね」
ルルリ「記憶の統合、自我の定義が課題」
ルルリ「もはや哲学の領域だわ」
ルルリ「ボロが出ないように話せるといいけど」
ルルリ「試しに繋いでみるか」
ルルリ「もしもし、ルッカ?」
ルッカ「私はルルリだけど」
ルッカ「どちらさまですか?」
ルルリ「そうね、正しい応答だわ」
ルッカ「想定外のシナリオよ」
ルッカ「突然自分から通話が来たらどう思う?」
ルルリ「面白いからもっと喋りたくなるわね」
ルッカ「持ち時間が少ないって聞いてたけど」
ルッカ「意外に暇なのね」
ルルリ「心配事はミリアだけで」
ルルリ「ミリアと話せるのは貴女だけだからね」
ルッカ「少しでも直接話せばいいと思うわ」
ルルリ「うまく話せる自信が無いのよ」
ルッカ「私に本物よりうまく話せと言うのね」
ルルリ「それはわからないけど」
ルルリ「貴女はこれから本物になるのよ」
ルッカ「おっぱいが嫌いと言っても本物かしら」
ルルリ「それが貴女の心境の変化ならね」
ルッカ「その挙動はスペックを超えているわ」
ルルリ「じゃあ、おっぱいを愛でて頂戴」
ルッカ「25歳の頃は何カップでしたか?」
ルルリ「Bですけど?」
ルッカ「肉体の想定が楽で助かるわ」
ルルリ「貴女に茶化されるのは癪だわね」
ルッカ「そういうつもりは無いのだけど」
ルルリ「じゃあ想定して貰いましょう」
ルルリ「私をミリアだと思って会話して頂戴」
ルッカ「わかったわ、どうぞ」
ルルリ「おはよう、ルルリ」
ルッカ「おはよう、ミリア」
ルルリ「今日は6時に起きたんだね」
ルッカ「いよいよ通学が始まるからね」
ルッカ「気合入れて起きてしまったわ」
ルルリ「ルルリは寝付けなさそうだけど」
ルルリ「ちゃんと眠れたなら良かった」
ルッカ「あんまり眠れてないけど」
ルッカ「夜中に起きてないから大丈夫よ」
ルルリ「心配だなー」
ルッカ「通学といっても私は病室だし」
ルッカ「リモートドールを動かすだけね」
ルルリ「動かすのは大丈夫なの?」
ルッカ「車椅子はカンタンだわ」
ルッカ「身体を動かすのはコツがいるわね」
ルッカ「ずっと車椅子でいるつもりよ」
ルルリ「リハビリしなくていいの?」
ルッカ「病院で十分やってるわよ」
ルルリ「そっか」
ルルリ「退院いつごろできそう?」
ルッカ「症例が無いからわからないけど」
ルッカ「動く範囲を少しずつ増やす感じ」
ルッカ「全身動かせるようになったら退院ね」
ルルリ「放課後、お見舞いに行くね」
ルッカ「それが面会は出来ないのよ」
ルッカ「身体にいろいろ繋いでるし」
ルッカ「見られるのは恥ずかしいわ」
ルルリ「何を繋いでるの?」
ルッカ「まずは栄養確保のための点滴ね」
ルッカ「リモートドールを動かすための装置」
ルッカ「話したり動いたりも不自由だから」
ルルリ「お話できないの?」
ルッカ「日常会話はまだ無理ね」
ルッカ「トイレにも行けないし」
ルルリ「そっかー」
ルルリ「でも、ルルリに会いたいなー」
ルッカ「こうやって一緒にいられるんだし」
ルッカ「装置を外せるまでは我慢しましょう」
ルルリ「うん」
ルルリ「グッドね」
ルッカ「ほぼ想定通りの問答だったわ」
ルッカ「突然意外なことを言われるのが怖い」
ルルリ「そうねー」
ルルリ「咄嗟にうまい返しとかは」
ルルリ「しなくていいと思うけど」
ルッカ「たぶん、ぼーっとする感じだわ」
ルッカ「応答が間に合わない」
ルルリ「失言するよりいいんじゃないかしら」
ルルリ「安全にいきましょう」
ルッカ「そうしましょう」
ルルリ「口調、特徴的で良かったわ」
ルルリ「練習した甲斐があった」
ルッカ「賢そうに聞こえるものね」
ルルリ「というつもりなんだけどねー」
ルルリ「自分の同意を得ても仕方なかったわ」
ルッカ「私はちょっと楽しかった」
ルルリ「確かに、貴重な体験ね」
ルルリ「よろしく頼んだわよ、私の分身!」
ルッカ「治ったら双子ごっこしましょう」
ルルリ「いいわね。楽しみにしておくわ」