コード

『枢里・年寄寮と介護施設』
ルルリ「でかいわよね」
ミリア「でかいんです」
ルルリ「地上5~6階、地下1階建て」
ルルリ「延べ10000室」
ルルリ「高齢者の暮らしを徹底的に合理化した」
ルルリ「枢里の終の棲家がこちらです」
ミリア「病院の近くだし、介護も充実」
ミリア「完全個室で夫婦入居も可能」
ルルリ「もちろんネットは使い放題」
ルルリ「大きな画面で読書から動画まで」
ミリア「毎日レクリエーションがあって」
ミリア「サークル活動も沢山やってます」
ルルリ「部屋の掃除もしてくれるし」
ルルリ「ベッドのシーツ交換もある」
ルルリ「理想的な暮らしだわ」
ミリア「でも、私物はあんまり持ち込めない」
ルルリ「遺品は少ない方が後が楽よ」
ルルリ「何より年金で入れる安さが魅力ね」
ミリア「名前、つけないの?」
ルルリ「何に?」
ミリア「介護施設」
ルルリ「最初は年寄寮とセットで」
ルルリ「スウの家、にしようとしたのよ」
ルルリ「スウ婆が住むって決まった時にね」
ミリア「いいと思う」
ルルリ「でも、本人に止められちゃったの」
ルルリ「枢里にスウの家はやりすぎだって」
ミリア「いいと思うけどなあ」
ルルリ「もしも実現してたら」
ルルリ「世界最大のシェアハウスかもね」
ミリア「ルルリの家を作ったら?」
ルルリ「私が作るならネカフェがいいわ」
ルルリ「ドリンクバーでアイスが食べ放題」
ルルリ「中古の漫画を掘り出して読んだり」
ルルリ「月額課金ゲームがタダで遊べるのよ」
ミリア「普段とあんまり変わらない気がする」
ルルリ「それを言っちゃあ、おしまいよ」
セリカ「お待たせ!」
ルルリ「フッ、今来たところさ」
ミリア「吸い殻と缶コーヒーの山」
セリカ「ポイ捨て禁止条例違反ですね」
ミリア「署まで同行願います」
ルルリ「冤罪だわ」
セリカ「まず作戦を立てるね」
ルルリ「作戦?」
セリカ「列を作って待ち構えられてるから」
セリカ「ママとアリアは左右に分かれて握手」
ミリア「御意」
セリカ「出来るだけ素早く前に進みましょう」
ルルリ「私は?」
セリカ「囲まれないように道を作ってね」
ルルリ「かしこまり」
セリカ「では、いざ出陣」
「ようこそ、セリカママ! お嬢様!」
「天才少女ルルリちゃん!」
ルルリ「え?」
セリカ「ルルリのヘイト値が一番高い」
ミリア「ヘイトというより・・・愛?」
ルルリ「私に触っても賢くならないわよ!」
ルルリ「拝まれても困るし!」
ミリア「モテ期来たね」
セリカ「先に進もっか」
ルルリ「それは沖縄よ!」
ルルリ「たぶんそれはカナダ」
ルルリ「九九は低学年で習うからね?!」
ミリア「頑張って返事してる」
セリカ「律儀だよね」
ルルリ「ここでポッキーを食べろと?」
ルルリ「地毛です!」
セリカ「いまのうちいまのうち」
ミリア「スウおばあちゃん」
スウ 「よく来たね、クルル」
ミリア「あけましておめでとうございます」
スウ 「お年玉は受け取れたかい?」
ミリア「はい、お小遣いありがとうございます」
ミリア「でも、お金の使い方がむずかしくて」
スウ 「お金は無理に使わなくてもいいんだよ」
スウ 「困ったときのためのものだからね」
ミリア「おばあちゃんは困ってないんですか?」
スウ 「わーしは困っとらん」
スウ 「セリカがみんな何とかしてくれた」
セリカ「おばあちゃんのおかげだよね」
セリカ「セリカ宣言を一番に信じてくれたから」
セリカ「みんなに頭を下げてくださったから」
スウ 「責任を取るのがわーしの仕事じゃ」
セリカ「アリア、おばあちゃんはね」
セリカ「ママがお金を用意するまでずっと」
セリカ「みんなの生活費を払ってくれたんだよ」
ミリア「2年間みんなの生活費を払ったんだよね」
スウ 「三剣の信用で借りたお金よ」
スウ 「わーしはなんもしとらん」
ミリア「スウおばあちゃんは凄いと思います」
スウ 「クルルが一番凄い」
スウ 「シエラでもなくセリカでもなく」
スウ 「クルルが一番、枢里に近い」
セリカ「私も、そう思います」
スウ 「わーしはもう長くない」
スウ 「これからはクルルが里長になるんだよ」
ミリア「長生きしてください」
スウ 「人はいつか死ぬものよ」
スウ 「わーしはクルルの中で生きたい」
ルルリ「はいはい通して通してねー」
ルルリ「やっとたどり着いたわ!」
ミリア「ルルリ、モテモテだね」
スウ 「!」
スウ 「クルル、この子は」
ミリア「お友達のルルリだよ」
ルルリ「はじめまして」
スウ 「ル、ルリか」
ルルリ「はい」
スウ 「頼む、わーしを殺してくれ!」
ルルリ「!?」
ミリア「おばあちゃん?」
スウ 「殺してくれ!」
ルルリ「えっえっ」
ミリア「スウおばあちゃん、どうしたの?」
スウ 「頼むーッ!」
ミリア「ごめんルルリ、誰か呼んできて」
ルルリ「わかった、ミリア」
セリカ「スウ婆、手を放してあげて」
セリカ「深呼吸して落ち着こうね」
セリカ「ベッドで少し休みましょうか」
ミリア「すみません、ちょっと通してください」
ミリア「休憩入りまーす」
ミリア「配信止めて」
『しばらくお待ちください』
『ただいま休憩中です』
『・・・・・・』
ミリア「ごめんなさい、今日は終わります」
ミリア「ご視聴ありがとうございました」


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Last-modified: 2021-05-28 (金) 07:25:39