ミリア「続きです・・・」
ミリア「こちらがシャワールームです・・・」
ルルリ「ね」
ミリア「ぎゅうぎゅうだった」
ルルリ「一緒に入るって発想、普通はしないわ」
ミリア「うちのお風呂は贅沢だった・・・」
ルルリ「まず単身用の物件は浴槽が無いのよね」
ミリア「お風呂に入りたい時はどうするの?」
ルルリ「スーパー銭湯か温泉に行くしか無いわ」
エルハ「湯船に浸かる習慣自体が無いですね」
ミリア「ええ・・・」
ルルリ「枢里はオール電化だから」
ルルリ「都市ガスが無くてお風呂が高いのよ」
ルルリ「水道代も入れたら1日150円くらい」
ミリア「それは高い感じ?」
ルルリ「年間14億円ね」
ミリア「受信料より高い」
ルルリ「シャワー10分だと半額くらいだし」
ルルリ「お風呂沸かしてシャワーもするなら」
ルルリ「お風呂代自体がもっと高くなるわ」
ミリア「お風呂は日本の文化なのに・・・」
ミリア「血行も良くなるしリラックスできるのに」
ルルリ「たまの贅沢ね」
ミリア「ううう・・・」
エルハ「私は狭いシャワールームで良かったです!」
ルルリ「お嬢様とぎゅうぎゅうしたからでしょ」
エルハ「うえへへへへ」
ルルリ「黙ってたら美人のお姉さんで通せるのに」
エルハ「ちょっと幸せ過ぎました」
ミリア「エルハさん、洗うのめっちゃ上手だった!」
エルハ「おそれいります!」
ルルリ「エルハはマッサージが一番得意なのよ」
ミリア「マッサージってどんな事するんですか?」
エルハ「まあ、肩を揉んだり、凝りをほぐしたり」
ミリア「ママが喜びそう」
エルハ「肩叩きしてあげたら喜ぶと思いますよ」
ルルリ「親孝行ね」
ミリア「コツとかあるのかな」
エルハ「愛と信頼です」
エルハ「あとはアロマと温度とツボですね」
ミリア「愛と信頼かあ」
ルルリ「後半のほうが大事な気がするけど」
エルハ「細かいことは企業秘密です」
ミリア「起業されてるんですか?」
エルハ「あ、えっと」
ルルリ「そんなことはいいからお昼にしましょ」
ルルリ「待ちくたびれてお腹が空いたわ」
エルハ「さすがルルリさん! 食いしん坊!」
ルルリ「そうよ! そうでもないけど!」
ミリア「ルルリ小食だもんね」
ルルリ「身体がコンパクトな仕様なのよ」
ミリア「エルハさんは普段外食なんですよね?」
エルハ「そうですね」
ルルリ「そこは女子力高くないのね」
エルハ「間食防止で、家では食べないルールです」
ミリア「美容重視だった」
ルルリ「お酒も飲まないんだっけ?」
エルハ「飲まないですねー。酔うのが苦手です」
ルルリ「そういうところはストイックよね」
ミリア「グルメ通りのイタリアンでいいですか?」
エルハ「車出しますよー」
ミリア「車!」
ルルリ「そこ驚くところ?」
ミリア「生活体験だからバス使う気分だった」
ルルリ「ミリアって意外とバス乗るわよね」
ミリア「枢里のバスは安全だよ」
ルルリ「日本の公共交通は大体安全だと思うわ」
ルルリ「せっかくだし車で行きましょう」
ミリア「お願いしまーす」
『車内』
ルルリ「エルハは車好きよねえ」
エルハ「むしろみんな興味もたなすぎです」
ルルリ「若者の車離れってやつかしら」
ルルリ「単にお金がないだけかも知れないけど」
ミリア「いくらするの?」
エルハ「数十万円から数千万円まで様々です」
ルルリ「100万円はするんじゃないかしら」
ミリア「250億円ってこと? あってる?」
ルルリ「あってる」
ルルリ「今までも何回か計算してきたけど」
ルルリ「枢里の人口は7万人で」
ルルリ「世帯数は2万5千世帯」
ルルリ「ミリアは億未満の金額はわかんないから」
ルルリ「枢里全体で合算して考えるのよね」
ミリア「桁が多いとこんがらがる」
ルルリ「そういえば、スウ婆にいくら貰ってた?」
ミリア「11億円」
ルルリ「多くない?!」
ミリア「お年玉が10億円で」
ミリア「1月のお小遣いが1億円」
ルルリ「財閥令嬢って感じだわ」
ミリア「テレビは買えるけどお風呂は買えない」
ルルリ「いやいやいや」
ルルリ「どっちも買えないわよ」
ルルリ「受信料だけじゃテレビは見れないし」
ルルリ「水道代と電気代だけじゃ湯船に浸かれない」
ミリア「あー・・・」
ルルリ「それに、ミリアが贅沢するんでしょ?」
ミリア「わたし毎日お風呂入ってる・・・」
ルルリ「家族用の家には浴槽ついてるし」
ルルリ「何人かで使えば元は取れるわ」
ミリア「うちのお風呂も誰か入ってる?」
ルルリ「金曜日以外はね」
ミリア「11億円って1人あたりいくら?」
ルルリ「1万5千円」
ルルリ「一般家庭のお年玉くらいの金額ね」
ミリア「うーん」
ルルリ「ミリアのは個人のお金なんだし」
ルルリ「枢里に使うのは予算から出せばいいのよ」
ミリア「予算あるのかな?」
エルハ「つきましたよー」
ミリア「ありがとうございまーす」
『市街・グルメ通り』
ミリア「出島・輸出商店街と並ぶアーケード」
ミリア「枢里グルメ通りです!」
ミリア「世界中の料理が揃っているらしい」
ルルリ「揃ってないってツッコミは大歓迎よ」
ルルリ「何が無いのかわかってないから」
エルハ「それなりにはあると思いますよ」
ミリア「今日はイタリアンにしました」
ルルリ「どんな料理を頼んだの?」
ミリア「プロシュット」
ミリア「ブルスケッタ」
ミリア「オッソブーコ」
ルルリ「愛してる」
エルハ「全然わかりません」
ルルリ「ハムと、ラムと、パンよ」
エルハ「それならそう書いといて欲しいです」
ルルリ「いや、もうちょっと細かい食べ物よ」
エルハ「ピザとかパスタだと思ってました」
ミリア「ピザとパスタは選べるらしい」
ルルリ「時間かからないの?」
ミリア「食べてる間に焼くんだって」
ルルリ「よく出来てるわね」
ルルリ「お店で選ぶなんて贅沢だわ」
エルハ「食堂は完全予約制ですもんね」
ルルリ「着いてすぐ食べレルからいいんだけどね」
ミリア「このお店だよ」
『市街・レストラン』
ミリア「こんにちはー」
イ店長「お待ちしておりました、お嬢様!」
ミリア「お待たせしましたー」
ルルリ「普通にしてていいのに」
エルハ「こっちが緊張しますね」
イ店長「このたびはご利用ありがとうございます」
イ店長「メニューをどうぞ」
ルルリ「いくつ頼んでいいの?」
イ店長「食べて戴けるならいくらでも構いませんが」
イ店長「一品だけにすることをお勧めいたします」
ルルリ「前菜もあるんだもんね」
ミリア「パスタとピザ頼んでシェアしよう」
エルハ「カプチョリーザってどんなピザですか?」
ルルリ「うん?」
ミリア「テイク2お願いしまーす」
エルハ「・・・・・・」
エルハ「カプリチョーザってどんなピザですか?」
ミリア「気まぐれだからテキトーかな?」
ルルリ「トマトベースで、キノコ、ハム、オリーブ」
ルルリ「だいたいどこの店でも基本は一緒よ」
ミリア「全然気まぐれじゃなかった」
イ店長「お嬢様がお望みの通りに作らせて戴きます」
ルルリ「それはそれで気まぐれ感が少ない」
ルルリ「私は5種のチーズにするわ」
ミリア「わたしはパスタ決めるね」
エルハ「カプチョ・・・」
ルルリ「ねえエルハ」
エルハ「はい」
ルルリ「もち明太子ピザとかいいんじゃない?」
エルハ「美味しそうですね」
ルルリ「全部日本語だし言いやすいわよ」
エルハ「そうですね」
ミリア「フレッシュトマトと」
ミリア「フレッシュバジルの」
ミリア「フレッシュパスタ」
ルルリ「凄いしつこいメニューね・・・」
イ店長「すべてがフレッシュでございます」
『食事はかなり美味しかったので終始無言』
ルルリ「はっ」
ミリア「食べちゃったね」
エルハ「美味しかったですね」
ルルリ「配信のことをすっかり忘れてたわ」
ルルリ「きゃー、すっごくおいしーい!」
ミリア「んまい、んまい、って言ってた」
ルルリ「撮り直したほうがいいかしら・・・」
ミリア「わたしはもうお腹いっぱい」
エルハ「私はもう少しだけなら」
イ店長「アイスをお持ちします」
ルルリ「それ撮って貰いましょう!」
ミリア「思いっきり食後感」
イ店長「お待たせいたしました」
ルルリ「わぁーおいしそー☆」
ミリア「いただきまーす!」
ルルリ「ん!」
ミリア「ん?」
ルルリ「んまい、んまい」
エルハ「・・・・・・」
ミリア「ゆっくり食べて」
ミリア「まだまだ続くから・・・」