ルルリ「おはようございます」
ルルリ「まだふわふわしてる」
ルルリ「勝手にルルリのコーナーです」
ルルリ「どんな時も娘を撮影する親と」
ルルリ「こんな時でも挨拶を忘れない私」
ルルリ「血は争えないわね」
ルルリ「さて、今日のお便りは」
ルルリ「三剣宮のミリアさんからです」
ルルリ「あの子、変なところで鋭いのよね」
ルルリ「婚姻届ってある?」
ルルリ「紙媒体がいいわ」
ルルリ「いつ書いたかわからないからね」
ルルリ「さすがジップ」
ルルリ「須堂琉瑠璃」
ルルリ「画数が多いのが恨めしいわ」
ルルリ「ふぅ」
ルルリ「これで三剣枢里では」
ルルリ「正式にパートナーになれるでしょう」
ルルリ「日本では性別も年齢も満たないけど」
ルルリ「8年後には認められるかもね」
ルルリ「まあイケメン見つけて貰うのがいいかな」
ルルリ「寂しいけど仕方ない」
ルルリ「次のメールは担当医からです」
ルルリ「なるほど、冬眠という手があるのね」
ルルリ「確かにコールドスリープより良さそう」
ルルリ「法務部も心配だけど」
ルルリ「最悪、日本では死亡扱いでもいいわ」
ルルリ「未来に希望を託すのが目的なんだし」
ルルリ「病気自体が治ってくれれば良かったけど」
ルルリ「今までの病気とは違うみたいね」
ルルリ「次のメールはラボ長から」
ルルリ「クロエのリモートドールを遅らせるのね」
ルルリ「悪いけどそれでお願いするわ」
ルルリ「台数半減の影響は思ったより大きいわね」
ルルリ「通信のラグがひどいってことにしとくか」
ルルリ「次のメールはラッカから」
ルルリ「まあ、クレームは受け付けません」
ルルリ「リソース確保のために交渉した」
ルルリ「みたいな言い訳かしらね」
ルルリ「ルッカの108台の借主も誤魔化してね」
ルルリ「最後のメールはセリカ」
ルルリ「コビドがいつ落ち着くかはわからないわ」
ルルリ「変異するから何度も流行する」
ルルリ「弱毒化するのが現実的な落としどころね」
ルルリ「前の世界では米国産のワクチンが一年後」
ルルリ「日本での摂取開始はもう半年先かしらね」
ルルリ「空港で止められれば不要だけれど」
ルルリ「完全な検査のほうが難しいのかも」
ルルリ「あとはお金の話か」
ルルリ「ビットコイン少しずつ売りましょう」
ルルリ「この世界では値上がりしないのかも」
ルルリ「財政出動自体が限定的だからね」
ルルリ「百万円で売れれば十分でしょう」
ルルリ「メール書く元気が無いわ」
ルルリ「ビデオレターにしましょう」
ルルリ「セリカに送っておいて」
ルルリ「なにその口は」
ルルリ「毎回チューするのは嫌」
ルルリ「寝てる間にしてもいいわよ」
ルルリ「それはそれで犯罪的か」
ルルリ「ミリアのことを先に考えさせて」
ルルリ「ああそうだ」
ルルリ「私の死を隠匿する期限は無期限にするわ」
ルルリ「バレるまで隠し通す」
ルルリ「それでもバレたら」
ルルリ「冬眠の解除はパスワード方式にする」
ルルリ「最初のパスワードはルリカね」
ルルリ「質問は、私の元の世界での名前よ」
ルルリ「アリアさんの記憶があれば答えられる」
ルルリ「私の見立てに間違いが無ければ」
ルルリ「ミリアの記憶さえ戻れば」
ルルリ「私の病気くらい簡単に治せるはずなのよ」
ルルリ「だから死にたくない」
ルルリ「でも記憶がずっと戻らないのなら」
ルルリ「その時は好きに生きて欲しいわ」
ルルリ「ミリアは世界に愛されていいと思う」
ルルリ「私の死を乗り越えて欲しいわね」
ルルリ「と言いながら私が足掻いてるんだけど」
ルルリ「いざとなると生きたくなるものだわ」