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032 出島と入島

ミリア「枢里ビジョン動物チャンネルをご覧になり」
ミリア「枢里に行ってみたい! と思った皆様」
ミリア「今日は鶴城駅前からご案内いたします!」
ルルリ「人通り少ないのに視線を感じるわね」
ミリア「鶴城駅は、鶴城市の真ん中らへんにあって」
ミリア「枢里の地図では一番南側にあります」
ルルリ「鶴城駅の北側が枢里ってことね」
ミリア「枢里に観光に来られるかたは」
ミリア「鶴城駅で降りていただいて」
ミリア「そこからバスで出島に行きましょう」
ミリア「お車の方も駅前に駐車できます」
ルルリ「1時間100円です」
ルルリ「南部と揃えてるからそれなりに高い」
ミリア「バスは南循環便に乗ります」
ミリア「もし間違えて北循環便に乗っても」
ミリア「展望塔で降りれば大丈夫です」
ルルリ「料金は大人100円、子供は50円です」
ルルリ「現金を用意しましょう」
ミリア「CeliCaは使えないの?」
ルルリ「CeliCaは里外の人は買えないのよ」
ルルリ「他の交通系カードとは相互運用してないの」
ミリア「小学校で流行ったのに?!」
ルルリ「規格は一緒だけど運用は別々なのよ」
ルルリ「ペンギンとかモモンガとは会社が違うの」
ミリア「CeliCaは女の子だもんね」
ルルリ「出島南停留所は4つ目」
ルルリ「大人通りを見るなら徒歩のほうがいいわ」
ルルリ「マッサージで旅の疲れを癒してね」
ミリア「出島停留所は3つあるので」
ミリア「目的地に近い所を調べておきましょう」
ルルリ「ホテルは出島南のほうが多いわね」
ルルリ「北に行くにつれてお店が増えていくわ」
ミリア「それではお店に行ってみましょう」
ミリア「ここは枢里のお土産物やさんです」
エルハ「いらっしゃいませ」
ミリア「えへへ」
ルルリ「昨日の今日でよくシフト入れたわね」
エルハ「上得意様向けの緊急増員だそうです」
ルルリ「不思議なちからが働いている」
ミリア「店員さん、お勧めの商品はどれですか?」
ミリア「あ!」
ミリア「よく見たらエルハさん! 奇遇ですね!」
ルルリ「しらじらしい」
ミリア「てへぺろー」
エルハ「テヘペロ戴きました!」
エルハ「お勧めはお嬢様ポスターです!」
ミリア「え」
エルハ「全24種類セットでたったの10万円!」
ルルリ「えぐい」
ミリア「初めて見た」
ルルリ「これはまずいでしょ」
エルハ「私、買っちゃいましたけど」
ルルリ「ほらー」
ミリア「エルハさんは買っちゃダメだよ!」
エルハ「ダメなんですか?」
ミリア「わたしは枢里の人でお金儲けしちゃダメ」
ルルリ「暮らしを保証する立場だからね」
エルハ「お仕事増やします・・・」
ミリア「むー」
ルルリ「お嬢様グッズは危険なのよ」
ルルリ「ガチ勢が命を削るから」
エルハ「お土産に最適だと思うんですけどね」
ルルリ「そこが悩みどころなのよね」
ルルリ「お金は稼ぎたいけど」
ルルリ「一番欲しがるのは身内だという」
エルハ「配給制にするのはどうでしょう」
ミリア「け、検討させていただきます」
ルルリ「電子版なら無料配信できそうね」
ルルリ「配布端末の待ち受けにしましょうか」
エルハ「さすが天才少女ですね!」
ミリア「じゃあポスターは返品お願いします」
エルハ「しくしく・・・」
ミリア「テイク2おねがいしまーす」
ミリア「店員さん、お勧めの商品はどれですか?」
エルハ「うーん」
エルハ「定番は枢里饅頭らしいですね」
ルルリ「誰得」
エルハ「あとは、枢里の恋人」
ルルリ「白いやつじゃん・・・」
エルハ「枢里ばなな」
ルルリ「これが一番マシでしょうね」
ルルリ「名前が詐欺っぽいけど」
ルルリ「それにやっぱりパクリだし」
エルハ「観光はちょっと苦しいですよね」
ルルリ「見るところも名産品も無いものね」
ミリア「どうにかできないかな」
ルルリ「エルハのポスターならセーフ?」
エルハ「嫌です」
ルルリ「報酬はミリアのポスターで」
エルハ「脱ぎます」
ミリア「脱がないで」
ミリア「ポスターから離れよう」
ルルリ「観光客が欲しがるものよね」
エルハ「枢里に来て、持って帰りたいもの」
ミリア「あるかな・・・」
エルハ「お嬢様しかないですね」
ルルリ「ミリアしかないわね」
ミリア「何もなかった」
エルハ「でも、出島って結構外の人来てますよね」
エルハ「中にいるとわからない魅力があるとか?」
ルルリ「それはきっと入島の業者よ」
ルルリ「順を追って説明しましょうか」
ミリア「先生お願いします」
ルルリ「まず、私達が出島と呼んでるのは」
ルルリ「正式には輸出商店街と言って」
ルルリ「島でも何でもないの」
エルハ「名前、初めて知りました」
ミリア「言葉を直してるんだよね」
ルルリ「枢里住民が枢里の物を売るのが輸出」
ルルリ「里外の人が里外の物を売るのが輸入ね」
ルルリ「だから、出島のお店は住民が働いてる」
エルハ「このお店も、ホテルとかもそうですね」
ルルリ「逆に、入島、輸入商店街は」
ルルリ「枢里の人が店員をすることは無いの」
ルルリ「土地だけを貸して、あとは外の会社」
ルルリ「店員も出向してきてる」
ルルリ「でも、枢里には社員以外は住めないから」
ルルリ「入島の店員は出島のホテルで暮らすのよ」
ミリア「食事はどうするの?」
ルルリ「すぐ隣がグルメ通りだし」
ルルリ「出島やホテルにも飲食店はあるわ」
ルルリ「でも、枢里の食堂には入れないわね」
ミリア「改札あるもんね」
エルハ「結構、過酷なんですね」
ルルリ「枢里の人でお金儲けしちゃダメ」
ルルリ「これは、里外の人にも言えることなの」
ルルリ「商売だし儲けるのは当然なんだけど」
ルルリ「枢里の暮らしが脅かされるのは困る」
エルハ「生活を守るためなんですね」
ルルリ「それで客単価が上げられないから」
ルルリ「入島は安い小売と娯楽しか残らないの」
ルルリ「結局、通販は止めようが無いんだけどね」
エルハ「輸出も輸入も厳しそうです」
ミリア「うーん」
ミリア「沢山売れるお土産があって」
ミリア「それで枢里がお金持ちになって」
ミリア「入島でいっぱい買い物をすれば」
ミリア「みんなが豊かになるんだよね?」
ルルリ「それが資本主義としての正解だと思うわ」
ミリア「ポスター売ろう」
エルハ「それなら私が」
ルルリ「ポスターから離れましょう」
ルルリ「もっと産業として成り立つ物にしないと」
ミリア「産業」
エルハ「農業とか工業とかですかね」
ルルリ「第三次産業でもいいんだけど」
ルルリ「たとえばお蕎麦を売るにしても」
ルルリ「お嬢様の生写真を付けて」
ルルリ「お嬢様蕎麦、とか・・・」
ミリア「ポスターを引きずってる」
エルハ「ソーラーパネルに」
エルハ「お嬢様ポスター貼るのはどうですか?」
ルルリ「うん、発電しなくなるわね」
エルハ「発電はセルフサービスです」
ミリア「ソーラーの意味」
エルハ「ああ、お嬢様はまるで太陽のようだ!」
ミリア「豆電球くらいです」
エルハ「ブハッ!!」
ルルリ「エルハの妄想が一線を越えた音がした」
エルハ「お嬢様の豆電球に電気を流したい」
ミリア「ガチ勢の人は冷静になってください」
ミリア「わたし全然お嬢様っぽくなくない?」
ミリア「ごきげんようとか言わないし」
エルハ「そこがいいんですよ!」
ミリア「ごきげんよう、エルハさん」
エルハ「ああっ、お嬢様なお嬢様も尊いです!」
ミリア「どっちでもよかった」
ルルリ「ミリアは人柄がいいのよ」
ルルリ「肩書とか立場で讃えてるんじゃなくて」
ルルリ「純粋に好ましいのだわ」
ミリア「そう言って貰えるのは嬉しい」
ルルリ「わかってるのよ」
ルルリ「産業を育てないといけないって話よね」
ミリア「うん」
ルルリ「萌え産業というのがあってね」
ルルリ「人は可愛いものにお金を使いたくなるのよ」
ルルリ「10歳の女の子ってだけで萌えなの」
ミリア「ルルリも10歳の女の子」
ミリア「あ、これ欲しい」
エルハ「これ可愛いですね!」
ミリア「ルルリだよね?」
ルルリ「天才少女ルルリちゃんのぬいぐるみ人形ね」
ルルリ「大きいほうは4000円」
ルルリ「小さい方は1500円」
ルルリ「もちろん、メイドイン枢里よ」
ミリア「わたしのは無いの?」
ルルリ「お嬢様の偶像は危険なのよ」
ミリア「作りたい」
ミリア「ルルリとセットにしたい」
エルハ「二つ並べたいですね」
ミリア「でしょーー?」
ミリア「これは作るしかない」
ミリア「手芸セットください」
ルルリ「あ、ほんとに作るのね」
エルハ「ここには無さそうですねー」
ミリア「次回はぬいぐるみを作ります!」
ミリア「ご視聴ありがとうございました」
ルルリ「お嬢様グッズは危険だった」


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Last-modified: 2021-04-09 (金) 23:54:08