ミリア「枢里ビジョン動物チャンネルをご覧になり」
ミリア「枢里に行ってみたい! と思った皆様」
ミリア「今日は鶴城駅前からご案内いたします!」
ルルリ「人通り少ないのに視線を感じるわね」
ミリア「鶴城駅は、鶴城市の真ん中らへんにあって」
ミリア「枢里の地図では一番南側にあります」
ルルリ「鶴城駅の北側が枢里ってことね」
ミリア「枢里に観光に来られるかたは」
ミリア「鶴城駅で降りていただいて」
ミリア「そこからバスで出島に行きましょう」
ミリア「お車の方も駅前に駐車できます」
ルルリ「1時間100円です」
ルルリ「南部と揃えてるからそれなりに高い」
ミリア「バスは南循環便に乗ります」
ミリア「もし間違えて北循環便に乗っても」
ミリア「展望塔で降りれば大丈夫です」
ルルリ「料金は大人100円、子供は50円です」
ルルリ「現金を用意しましょう」
ミリア「CeliCaは使えないの?」
ルルリ「CeliCaは里外の人は買えないのよ」
ルルリ「他の交通系カードとは相互運用してないの」
ミリア「小学校で流行ったのに?!」
ルルリ「規格は一緒だけど運用は別々なのよ」
ルルリ「ペンギンとかモモンガとは会社が違うの」
ミリア「CeliCaは女の子だもんね」
ルルリ「出島南停留所は4つ目」
ルルリ「大人通りを見るなら徒歩のほうがいいわ」
ルルリ「マッサージで旅の疲れを癒してね」
ミリア「出島停留所は3つあるので」
ミリア「目的地に近い所を調べておきましょう」
ルルリ「ホテルは出島南のほうが多いわね」
ルルリ「北に行くにつれてお店が増えていくわ」
ミリア「それではお店に行ってみましょう」
ミリア「ここは枢里のお土産物やさんです」
エルハ「いらっしゃいませ」
ミリア「えへへ」
ルルリ「昨日の今日でよくシフト入れたわね」
エルハ「上得意様向けの緊急増員だそうです」
ルルリ「不思議なちからが働いている」
ミリア「店員さん、お勧めの商品はどれですか?」
ミリア「あ!」
ミリア「よく見たらエルハさん! 奇遇ですね!」
ルルリ「しらじらしい」
ミリア「てへぺろー」
エルハ「テヘペロ戴きました!」
エルハ「お勧めはお嬢様ポスターです!」
ミリア「え」
エルハ「全24種類セットでたったの10万円!」
ルルリ「えぐい」
ミリア「初めて見た」
ルルリ「これはまずいでしょ」
エルハ「私、買っちゃいましたけど」
ルルリ「ほらー」
ミリア「エルハさんは買っちゃダメだよ!」
エルハ「ダメなんですか?」
ミリア「わたしは枢里の人でお金儲けしちゃダメ」
ルルリ「暮らしを保証する立場だからね」
エルハ「お仕事増やします・・・」
ミリア「むー」
ルルリ「お嬢様グッズは危険なのよ」
ルルリ「ガチ勢が命を削るから」
エルハ「お土産に最適だと思うんですけどね」
ルルリ「そこが悩みどころなのよね」
ルルリ「お金は稼ぎたいけど」
ルルリ「一番欲しがるのは身内だという」
エルハ「配給制にするのはどうでしょう」
ミリア「け、検討させていただきます」
ルルリ「電子版なら無料配信できそうね」
ルルリ「配布端末の待ち受けにしましょうか」
エルハ「さすが天才少女ですね!」
ミリア「じゃあポスターは返品お願いします」
エルハ「しくしく・・・」
ミリア「テイク2おねがいしまーす」
ミリア「店員さん、お勧めの商品はどれですか?」
エルハ「うーん」
エルハ「定番は枢里饅頭らしいですね」
ルルリ「誰得」
エルハ「あとは、枢里の恋人」
ルルリ「白いやつじゃん・・・」
エルハ「枢里ばなな」
ルルリ「これが一番マシでしょうね」
ルルリ「名前が詐欺っぽいけど」
ルルリ「それにやっぱりパクリだし」
エルハ「観光はちょっと苦しいですよね」
ルルリ「見るところも名産品も無いものね」
ミリア「どうにかできないかな」
ルルリ「エルハのポスターならセーフ?」
エルハ「嫌です」
ルルリ「報酬はミリアのポスターで」
エルハ「脱ぎます」
ミリア「脱がないで」
ミリア「ポスターから離れよう」
ルルリ「観光客が欲しがるものよね」
エルハ「枢里に来て、持って帰りたいもの」
ミリア「あるかな・・・」
エルハ「お嬢様しかないですね」
ルルリ「ミリアしかないわね」
ミリア「何もなかった」
エルハ「でも、出島って結構外の人来てますよね」
エルハ「中にいるとわからない魅力があるとか?」
ルルリ「それはきっと入島の業者よ」
ルルリ「順を追って説明しましょうか」
ミリア「先生お願いします」
ルルリ「まず、私達が出島と呼んでるのは」
ルルリ「正式には輸出商店街と言って」
ルルリ「島でも何でもないの」
エルハ「名前、初めて知りました」
ミリア「言葉を直してるんだよね」
ルルリ「枢里住民が枢里の物を売るのが輸出」
ルルリ「里外の人が里外の物を売るのが輸入ね」
ルルリ「だから、出島のお店は住民が働いてる」
エルハ「このお店も、ホテルとかもそうですね」
ルルリ「逆に、入島、輸入商店街は」
ルルリ「枢里の人が店員をすることは無いの」
ルルリ「土地だけを貸して、あとは外の会社」
ルルリ「店員も出向してきてる」
ルルリ「でも、枢里には社員以外は住めないから」
ルルリ「入島の店員は出島のホテルで暮らすのよ」
ミリア「食事はどうするの?」
ルルリ「すぐ隣がグルメ通りだし」
ルルリ「出島やホテルにも飲食店はあるわ」
ルルリ「でも、枢里の食堂には入れないわね」
ミリア「改札あるもんね」
エルハ「結構、過酷なんですね」
ルルリ「枢里の人でお金儲けしちゃダメ」
ルルリ「これは、里外の人にも言えることなの」
ルルリ「商売だし儲けるのは当然なんだけど」
ルルリ「枢里の暮らしが脅かされるのは困る」
エルハ「生活を守るためなんですね」
ルルリ「それで客単価が上げられないから」
ルルリ「入島は安い小売と娯楽しか残らないの」
ルルリ「結局、通販は止めようが無いんだけどね」
エルハ「輸出も輸入も厳しそうです」
ミリア「うーん」
ミリア「沢山売れるお土産があって」
ミリア「それで枢里がお金持ちになって」
ミリア「入島でいっぱい買い物をすれば」
ミリア「みんなが豊かになるんだよね?」
ルルリ「それが資本主義としての正解だと思うわ」
ミリア「ポスター売ろう」
エルハ「それなら私が」
ルルリ「ポスターから離れましょう」
ルルリ「もっと産業として成り立つ物にしないと」
ミリア「産業」
エルハ「農業とか工業とかですかね」
ルルリ「第三次産業でもいいんだけど」
ルルリ「たとえばお蕎麦を売るにしても」
ルルリ「お嬢様の生写真を付けて」
ルルリ「お嬢様蕎麦、とか・・・」
ミリア「ポスターを引きずってる」
エルハ「ソーラーパネルに」
エルハ「お嬢様ポスター貼るのはどうですか?」
ルルリ「うん、発電しなくなるわね」
エルハ「発電はセルフサービスです」
ミリア「ソーラーの意味」
エルハ「ああ、お嬢様はまるで太陽のようだ!」
ミリア「豆電球くらいです」
エルハ「ブハッ!!」
ルルリ「エルハの妄想が一線を越えた音がした」
エルハ「お嬢様の豆電球に電気を流したい」
ミリア「ガチ勢の人は冷静になってください」
ミリア「わたし全然お嬢様っぽくなくない?」
ミリア「ごきげんようとか言わないし」
エルハ「そこがいいんですよ!」
ミリア「ごきげんよう、エルハさん」
エルハ「ああっ、お嬢様なお嬢様も尊いです!」
ミリア「どっちでもよかった」
ルルリ「ミリアは人柄がいいのよ」
ルルリ「肩書とか立場で讃えてるんじゃなくて」
ルルリ「純粋に好ましいのだわ」
ミリア「そう言って貰えるのは嬉しい」
ルルリ「わかってるのよ」
ルルリ「産業を育てないといけないって話よね」
ミリア「うん」
ルルリ「萌え産業というのがあってね」
ルルリ「人は可愛いものにお金を使いたくなるのよ」
ルルリ「10歳の女の子ってだけで萌えなの」
ミリア「ルルリも10歳の女の子」
ミリア「あ、これ欲しい」
エルハ「これ可愛いですね!」
ミリア「ルルリだよね?」
ルルリ「天才少女ルルリちゃんのぬいぐるみ人形ね」
ルルリ「大きいほうは4000円」
ルルリ「小さい方は1500円」
ルルリ「もちろん、メイドイン枢里よ」
ミリア「わたしのは無いの?」
ルルリ「お嬢様の偶像は危険なのよ」
ミリア「作りたい」
ミリア「ルルリとセットにしたい」
エルハ「二つ並べたいですね」
ミリア「でしょーー?」
ミリア「これは作るしかない」
ミリア「手芸セットください」
ルルリ「あ、ほんとに作るのね」
エルハ「ここには無さそうですねー」
ミリア「次回はぬいぐるみを作ります!」
ミリア「ご視聴ありがとうございました」
ルルリ「お嬢様グッズは危険だった」