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003 三剣家

『後半は、お嬢様の自己紹介です』
ミリア「三剣アリアです! 10歳です!」
ミリア「黙秘権を行使します!」
ルルリ「自己紹介終わり?」
ミリア「体重は終わり」
ルルリ「好きなルルリは何ですか」
ミリア「一緒に寝る時のむにゃむにゃルルリ」
ルルリ「恥ずかしげなやつだわ」
ルルリ「じ、じゃあ、嫌いなルルリは?」
ミリア「なーいよっ!」
ルルリ「きゅーん」
ルルリ「それでは自己紹介を終わります」
ミリア「まってまってもっと聞いて」
ルルリ「これ以上何を聞けと?」
ミリア「三剣家のこととか」
ミリア「ふだんの暮らしとか?」
ルルリ「普段は別に聞いても凄くないと思うけど」
ルルリ「三剣家の事は意外に知られてないのよね」
ミリア「わたしもよくわかってない」
ルルリ「問題発言だわ」
ミリア「枢里のことはわかるけど」
ミリア「三剣グループがわからない」
ルルリ「そうね」
ルルリ「三剣と言えば日本有数の財閥だったけど」
ルルリ「華族としては高祖母の代で解散したの」
ルルリ「ミリアのひいひいおばあちゃんね」
ミリア「梨華おばあちゃん」
ルルリ「梨華婆が買い占めた土地で興したまちに」
ルルリ「娘の名前をつけたのが枢里のはじまり」
ミリア「スウおばあちゃん」
ルルリ「三剣枢。枢里の初代お嬢様ね」
ルルリ「1946年生まれで今年74歳」
ミリア「広いおうちに引っ越して住んでます」
ルルリ「あれを家と呼ぶなら枢里最大規模だわ」
ミリア「ママが帰ってきたらご挨拶に行こう」
ルルリ「セリカママはみんな知ってるわよね?」
ミリア「それがあんまり知らないらしい」
ミリア「セリカお嬢様はみんな知ってるけど」
ルルリ「ママになってからのことか」
ルルリ「三剣家の能力は子供の頃が強いのよね」
ルルリ「セリカが資産を得たのも12歳だし」
ルルリ「ミリアはもっと・・・可愛いし」
ミリア「そんな能力ある?」
ルルリ「スウ婆はみんなに愛されたのよ」
ミリア「それはそうだけど」
ルルリ「逆に枢里と別れたのがシエラ婆ね」
ルルリ「セリカ宣言の前に東京に出て行って」
ルルリ「三剣グループのグローバル化を進めた」
ミリア「何回かしか会ったことが無い」
ルルリ「ずっと東京にいるものね」
ルルリ「枢里事務の営業をしてくれたり」
ルルリ「三剣ブランドを維持してくれてる」
ルルリ「という点で、枢里の協力者と言えるわ」
ミリア「喧嘩別れしたわけじゃないんだね」
ルルリ「当時はお互い生きるのに必死だったのよ」
ルルリ「シエラ婆はエリートとビジネスを守った」
ルルリ「スウ婆とセリカママは人と暮らしを」
ミリア「手分けしてどっちも守ったんだね」
ルルリ「守れたかどうかは後世が判断する事だわ」
ルルリ「つまり、私達のすることね」
ルルリ「三剣家の説明はこんなところかしら」
ミリア「せんせー、しつもんでーす」
ルルリ「はい、ミリアさん」
ミリア「三剣家のご先祖様はどんな人なの?」
ルルリ「史料に残ってるのは三剣リディア様ね」
ルルリ「1849年生まれ」
ミリア「外国人?」
ルルリ「それは……謎だわ」
ルルリ「12代、徳川家慶の時代」
ルルリ「ペリーが黒船に乗ってきた頃ね」
ミリア「カイコクシテクダサイヨー」
ルルリ「セイイミセテクダサイヨー」
ミリア「20年くらい前?」
ルルリ「桁が一つ違うわよ」
ミリア「フラッシュ」
ルルリ「そっちか。セリカ宣言の頃ね」
ミリア「どうして無くなっちゃうの?」
ルルリ「儲からないからじゃない?」
ルルリ「製作ツールの利益よりメンテが高いとか」
ミリア「ざんねん」
ルルリ「三剣グループで買い取ったら?」
ミリア「そう! それ!」
ミリア「その技出来るのママだけじゃない?」
ルルリ「ドットコムバブルの儲けがあるからね」
ミリア「三剣家関係ないじゃん!」
ルルリ「関係ないっすね」
ミリア「うちって大金持ち一族っぽいけど」
ミリア「別にそんなこと無くない?」
ルルリ「枢里の権利全部持ってるけどね」
ミリア「誰が持ってるの?」
ルルリ「セリカママが買い取ったのよ」
ミリア「枢里を? 全部?」
ルルリ「そう。梨華婆が無くなる直前にね」
ルルリ「相続税で枢里が潰れるとこだったのよ」
ミリア「税金凄い高いんだもんね」
ルルリ「ミリアのお小遣いも半分以上税金よね」
ミリア「そうなんだ・・・」
ルルリ「好き勝手出来るほどの余裕は無いけど」
ルルリ「三剣家は大金持ちではあるはずよ」
ルルリ「少なくともミリアは当主を務められる」
ミリア「わたしお金持ってない」
ミリア「稼ぎ方もよくわからないし」
ルルリ「ママのようにはならなくていいのよ」
ルルリ「お金を使わなくても何とかなるように」
ルルリ「枢里は自給自足を目指してきたんだから」
ミリア「三剣枢里の会社ってママが社長?」
ルルリ「経営権を持ってるのはスウ婆ね」
ルルリ「議決権付き株式を持っているのよ」
ミリア「社長令嬢ってどういう意味?」
ルルリ「社長の娘」
ミリア「社長の曾孫はなんていうの?」
ルルリ「そのまんまじゃない?」
ミリア「お嬢様ってどういう意味?」
ルルリ「育ちがいい娘さん?」
ミリア「そうだったのかー!」
ミリア「わたし社長令嬢じゃなかったのかー!」
ルルリ「ママが社長やってる会社もあるわよ」
ミリア「ううん、いい」
ルルリ「なにその謎の遠慮」
ミリア「お嬢様の意味わかってなかったけど」
ミリア「思ってたより凄くなくてほっとした」
ルルリ「いや、枢里では特別な言葉だからね」
ルルリ「ミリア以外の女の子には使わないわ」
ミリア「みんなどんどん使っていいよ!」
ルルリ「ミリア用の敬称が必要になるわね」
ミリア「呼び捨てで」
ルルリ「にゃん、にしましょう」
ルルリ「ミリアにゃん」
ミリア「ルルリにゃん」
ルルリ「動物感でてきた!」
ミリア「猫耳つけて喋ろうかにゃん」
ルルリ「それだわ」
ミリア「今度用意して貰おう」
ルルリ「お財布に優しいお嬢様であった」
ミリア「ご先祖様の話に戻るけど」
ミリア「お薬を作るのが上手だったの?」
ルルリ「三剣財閥は製薬会社から始まってて」
ルルリ「元は薬種商だったみたいね」
ミリア「富山なのかなあ」
ルルリ「元がどこだったかはわからないわ」
ルルリ「全国を行商していた記録はあるみたい」
ルルリ「反魂丹は岡山から伝わったらしいわね」
ミリア「薬やさんなのに剣なんだよね」
ルルリ「むしろ薬を買う側のイメージよね」
ミリア「薬を自給自足してたのかな」
ルルリ「それ、枢里っぽくていい発想だわ」
ミリア「三剣家は薬草を作って戦う武士でした」
ミリア「明治になって薬やさんで大金持ち」
ミリア「財閥解体で小さな町に落ち着きました」
ルルリ「工場を建てて高度成長期を盛り上げて」
ルルリ「バブル崩壊から人と暮らしを守って」
ルルリ「自給自足を目指して歩んできました」
ルルリ「ってとこかしらね、三剣家の歴史は」
ミリア「すっきりした」
ミリア「ルルリ家は聞かないほうがいい?」
ルルリ「そうねえ、じゃあ一つだけ」
ルルリ「たとえばこの番組」
ルルリ「私達二人しかいないように見えるけど」
ルルリ「本当はそんなことはなくって」
ルルリ「大人のスタッフさんが大勢いるのね」
ミリア「いつもありがとうございます」
ルルリ「だから小学生の女の子だけで、とか」
ルルリ「ましてやお嬢様が歩いてたりして」
ルルリ「危ないって思うかも知れないけど」
ルルリ「全然そんな事無いのよね」
ミリア「守って貰ってる感じです」
ルルリ「だから、安心して大丈夫です」
ルルリ「ってくらいね、私から言えるのは」
ミリア「あー、うん」
ルルリ「それ以外の話は、そうなった時に言うわ」
ミリア「わかった」
ルルリ「ついでにもう一個余計な事を言うけど」
ルルリ「記憶喪失を治す方法を調べているの」
ルルリ「今は詳しくは言わないけど」
ルルリ「何でもいいから心当たりがある方は」
ルルリ「番組までお便りで教えて欲しいわ」
ミリア「それも言わない感じ?」
ルルリ「頭の病気だと思われるのは嫌だわ」
ミリア「わたしはそんなこと思ってないからね」
ルルリ「私からはそれだけ」
ルルリ「次回からはアンケートの話よね」
ミリア「全部読み上げるのは大変そう」
ルルリ「集計してざっくり進めましょうか」
ルルリ「セリカ宣言を踏襲するかしないか」
ミリア「しないってことは」
ミリア「枢里が変わっていくんだよね」
ルルリ「踏襲しても変わってはいくのよ」
ルルリ「時代の変化に合わせていくの」
ミリア「ずっと同じ時代にはできないの?」
ルルリ「まわりは変わってしまうし」
ルルリ「自分達だけ取り残されるのも退屈よ」
ミリア「わたし古いものが結構好きかも」
ミリア「ゲームもアニメも音楽も古いのが好き」
ルルリ「それはいいんじゃない?」
ルルリ「私こそサブカルは20世紀かぶれだわ」
ミリア「わたしはルルリの見てるからかも」
ルルリ「この番組では昔の娯楽を応援します」
ミリア「フラッシュ大会やろう」
ミリア「それでは今日はこのへんで!」
ミリア「ご視聴ありがとうございましたー」


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Last-modified: 2021-04-09 (金) 07:02:57