ミリア「今日はバレンタインデー!」
ルルリ「昨日3本も撮ってたのに」
ルルリ「今夜配信出来るのかしら?」
ミリア「今日はバレンタインデー!」
ルルリ「遅れは許されなかった」
ミリア「なんとティーさんが」
ミリア「こっそりチョコを作ってます」
ルルリ「単なる気まぐれだと思うけど」
ルルリ「南部で材料を買うのが怪しいわね」
ミリア「本命は誰の手に」
ルルリ「さっそく潜入調査してみましょう」
ミリア「おじゃましまーす」
ルルリ「いいにおい」
ラッカ「来ましたね!」
ラッカ「ではこれをどうぞ!」
ミリア「板チョコ?」
ルルリ「市販品じゃん」
ラッカ「これを細かく砕いてください」
ミリア「はーい」
ラッカ「砕いたら耐熱ボウルに入れます」
ミリア「入れました」
ラッカ「電子レンジで1分半加熱」
ラッカ「じゃなくて湯煎します」
ルルリ「ちゃんと作るのね」
ラッカ「お鍋に水を入れて弱火にします」
ラッカ「50度のお湯で温めながら」
ラッカ「チョコをゆっくり混ぜて溶かします」
ミリア「溶けてきた」
ラッカ「溶けたら型に流し込んでください」
ミリア「入れちゃっていいの?」
ラッカ「どうぞ!」
ミリア「できたー!」
ラッカ「冷蔵庫に一時間入れて完成です!」
ミリア「これだけ?」
ラッカ「最後にチョコペンで絵を描きます」
ラッカ「冷蔵庫のチョコで試してください」
ルルリ「料理番組みたいに準備がいいわね」
ミリア「顔描いた」
ルルリ「可愛いじゃん」
ミリア「ルルリは何書いてるの?」
ルルリ「バインドルーン」
ルルリ「Xがギューフで<>がヤラ」
ティー「ルルリさんは魔術込めるタイプですか」
ルルリ「ティーさんは愛情込めるタイプなのね」
ミリア「めっちゃ可愛いの作ってる」
ルルリ「英語の筆記体ってそそるわよね」
ティー「出来たらみんなで食べましょう」
ミリア「食べちゃっていいの?」
ティー「今日のティータイムにお出ししますよ」
ミリア「いいのかなあ」
ルルリ「楽しみにしておくわね」
ティー「あとは向こうで遊んでてください」
ルルリ「行きましょう、ミリア」
ミリア「うん」
『リビングに戻ってきました』
ミリア「本命はいないってこと?」
ルルリ「私達を追い出すってことは」
ルルリ「邪魔をするなってことよ」
ミリア「なるほど」
ルルリ「ラッカを使ってチョコ作りを体験して」
ルルリ「満足させて追い返す作戦ね」
ミリア「ティータイムのぶんは?」
ルルリ「手抜かりなく作ってるでしょうよ」
ルルリ「オーブンレンジの中が本命かしら」
ルルリ「それともティータイムに出てくるかしら」
ミリア「ケーキ焼いてた?」
ルルリ「それ以外ありえないでしょ」
ルルリ「湯煎の準備だけ出来てなかったし」
ミリア「名探偵ルルリ」
ルルリ「においでわかるじゃーん!」
ミリア「全体的に甘い匂いだった」
ミリア「ルルリは本命誰だと思う?」
ルルリ「いるとしたら近所の人ね」
ルルリ「ゲームで知り合った男とか」
ルルリ「推しの作者に送るとか考えたけど」
ルルリ「生ものは受け取られないでしょうし」
ルルリ「だいいち、当日だと間に合わないわ」
ミリア「今日渡すんだもんね」
ルルリ「土日にデートする可能性もあるけど」
ルルリ「明日の休暇申請は出てないわね」
ミリア「図書館で知り合ったとか」
ルルリ「それならありえるかも」
「ピンポーン」
ミリア「当たった」
ルルリ「おめでとう」
ミリア「賞品はエルハさんです」
ルルリ「食べられに来たのかしら」
『玄関』
ミリア「おはようございます!」
エルハ「突然すみませんー」
ルルリ「珍しいわね」
エルハ「これを渡したくて」
ミリア「ありがとうございます」
ルルリ「あがってくださいな」
ルルリ「番組のネタになるし」
エルハ「今日は朝から収録なんですね」
ルルリ「ちょっとしたスクープがあってね」
ルルリ「ささ、どうぞ」
エルハ「お邪魔します」
『リビング』
エルハ「これがお嬢様のぶんです」
ミリア「ダイヤモンドだ!」
ミリア「開けてもいいですか?」
エルハ「もちろんです」
ミリア「うわー中身もダイヤモンド」
ミリア「宝物にします!」
エルハ「賞味期限は10日間だそうです」
ミリア「これ食べられるの?」
ルルリ「ショコラだからね」
ミリア「もったいなくて食べられない」
ルルリ「腐らせるほうがもったいないわ」
ミリア「たしかに」
ミリア「写真とっとこう」
ルルリ「カメラさんお願いします」
ミリア「映える」
ルルリ「さすがエルハね」
エルハ「喜んで戴けて良かったです」
エルハ「これはルルリさん」
ルルリ「開けちゃいまーす」
ルルリ「ハート形じゃーん!」
ルルリ「これは本命の予感」
ミリア「プリン的なやつ?」
エルハ「これは生チョコです」
エルハ「ドン・ペリニヨンを使っています」
ルルリ「ドンペリ!!」
ミリア「お酒かぁ」
エルハ「アルコールは強くないですけど」
エルハ「満足は出来ると思います」
ルルリ「惚れ惚れするわ」
ミリア「好みを掴んでいる」
エルハ「今日はラッカさんいないんですか?」
ルルリ「あっちでチョコ作ってるわ」
ルルリ「まさか、ラッカのぶんまで?」
エルハ「ピッタリのがあったので」
ミリア「呼んでこようか」
ルルリ「いやーラッカには勿体ないでしょ」
ルルリ「私がかわりに戴くわ」
ラッカ「ルルリ!」
ルルリ「地獄耳か!」
ラッカ「エルハさん、はじめまして!」
ラッカ「いつもお世話になっております」
ルルリ「あら、初対面だった?」
エルハ「お会いするのは初めてです」
エルハ「いつも番組で拝見しています」
エルハ「これはお近づきの印ということで」
ラッカ「ラッカ、恋が始まりそうです」
ルルリ「ちょろい」
ラッカ「開けていいですか?」
エルハ「もちろんです」
ルルリ「12色。クレヨンみたい」
エルハ「全部味が違うんですよ」
ラッカ「説明書が入ってますね」
ラッカ「ルルリに一個あげます」
ルルリ「このまだらは何味?」
ラッカ「ワサビ」
ルルリ「こういうのは美味しいと思うけどなあ」
ラッカ「じゃああげません」
ルルリ「一口食べたら残りを頂戴」
ラッカ「交換ならいいですよ」
ミリア「わたしも食べたーい」
エルハ「あと、これは給仕の皆さんでどうぞ」
ミリア「まだあるの?!」
ルルリ「お金大丈夫?」
エルハ「人脈は投資です」
ルルリ「月利200%なのね」
エルハ「では、そろそろお昼なので失礼します」
ルルリ「ゆっくりしていけばいいのに」
エルハ「すみません、今日は用事がいっぱいで」
ルルリ「売れっ子投資家は大変ね」
エルハ「来週またよろしくお願いします」
ミリア「見学、楽しみにしてます!」
『ティータイム』
ティー「冷蔵庫のチョコが固まってますけど」
ルルリ「すっかり忘れてたわね」
ミリア「エルハさんにあげればよかったなあ」
ルルリ「来月3倍返ししましょう」
ミリア「ダイヤモンドの3倍ってなに?」
ルルリ「3倍硬い物質はこの世に存在しないわ」
ミリア「大変なものを戴いてしまった」
ルルリ「いざとなったらリボン巻きましょ」
ティー「身体ごと差し出すんですね」
ミリア「作れるものにしよう」
ルルリ「ティーさんは何作ってたの?」
ティー「持ってくるのでお待ちください」
ミリア「わくわく」
ティー「それではお待ちかね」
ティー「ティーさんの特製チョコケーキです!」
ミリア「わたしたちが描いてある!」
ルルリ「めっちゃ可愛いんだけど!」
ティー「ふっふっふ」
ルルリ「名探偵ルルリとしては」
ルルリ「これは本命チョコな気がするわ」
ミリア「図書館の彼はいないのか」
ティー「彼氏の分は別ですよ」
ミリア「彼氏いるの?!」
ティー「仏壇に捧げてます」
ルルリ「亡くなってしまったの?」
ティー「推しに届けー☆」
ミリア「いつものティーさんだった」