ミリア「今日は元気がありません」
ルルリ「気分を変えようと頑張ったけど」
ルルリ「どうしても明るく振る舞うのは無理」
ミリア「ルルリの愚痴を聞く回にします」
ミリア「ダメそうなら配信お休みするから」
ミリア「全部吐き出しちゃおう」
ルルリ「私の見た別のコビドの話をするわね」
ミリア「うん」
ルルリ「コビドは高齢者が重症化するの」
ルルリ「でも若くても感染はするから」
ルルリ「爺婆と住んでる人は持ち帰る危険がある」
ミリア「だからアルコールで消毒するの?」
ルルリ「消毒は安全ではないのよ」
ルルリ「しっかり15秒手を洗うほうがいいし」
ルルリ「高齢者に会わないほうがずっといい」
ミリア「それはさみしい」
ルルリ「帰省して会いに行って移しちゃって」
ルルリ「お婆ちゃんが亡くなって近所で大騒ぎ」
ルルリ「っていう悲劇が至る所で起きたのよ」
ミリア「会っちゃダメなんだね」
ルルリ「厳密に感染を止めるなら」
ルルリ「外出自体をしちゃダメなの」
ルルリ「全員が3週間家に居れば止まるらしいけど」
ミリア「そんなこと出来るの?」
ルルリ「もちろん出来ません」
ルルリ「日本人は働かないと食っていけないし」
ルルリ「食糧は輸入しないといけないからね」
ミリア「3週間分の備蓄を配るとか?」
ルルリ「一回だけならいいかも知れないけど」
ルルリ「感染するたびに3週間止めてたら潰れるわ」
ミリア「だから船と飛行機を止めるのか」
ルルリ「日本に着いた人を全員3週間隔離すれば」
ルルリ「新規感染が無くなるって理屈だけど」
ルルリ「そんなんじゃ誰も海外旅行しないわよね」
ミリア「旅行自体が一週間とかだもんね」
ルルリ「それで観光業の収入が無くなって」
ルルリ「補償しないと倒産失業が増えるし」
ルルリ「補償するとズルイって文句が出る」
ミリア「ズルイってどういうこと?」
ルルリ「他の人は働かないと生きていけないのに」
ルルリ「失業した人は働かないでお金が貰える」
ルルリ「就職は競争だから」
ルルリ「他人は不幸なほうが納得できるのよ」
ミリア「仕事を分けてあげたりしないのか」
ルルリ「経営者は雇用を減らした方が儲かるし」
ルルリ「従業員は勝手に雇用できないからね」
ルルリ「不幸な人にだけお金を配るな」
ルルリ「自分にもお金をよこせ、って人が多い」
ミリア「聞いてるだけで疲れてきた」
ルルリ「不幸になりたくない業界の人たちは」
ルルリ「感染が起きても売上が必要だから」
ルルリ「国際便の封鎖自体に反対するわけよ」
ミリア「お金が無くても生きていければいいのに」
ルルリ「そのために食糧の自給自足が必要なのよ」
ミリア「法律で国が全部決められないの?」
ミリア「ズルイって言うの禁止とか」
ミリア「仕事を分けてあげましょうとか」
ルルリ「日本はそれが出来ないらしいのよね」
ルルリ「3週間の隔離ですら強制できないわ」
ルルリ「だからホテルから逃げた外国人が出たら」
ルルリ「その国ごと入国禁止にするって脅すの」
ルルリ「国単位での入国制限は出来るからね」
ミリア「日本人はどうするの?」
ルルリ「どうにも出来ません」
ルルリ「帰国禁止も出来ないし」
ルルリ「逮捕も出来ないし刑罰も与えられない」
ミリア「国は弱いんだね」
ルルリ「良く言えば、国民の権利が強いのよ」
ルルリ「そのせいで国は守ってくれないけどね」
ミリア「国民みんなで協力すれば国を動かせる?」
ルルリ「国民みんなを納得させるのは不可能だわ」
ルルリ「五輪だって、開催したい人もいれば」
ルルリ「中止したほうがいいって人もいるのよ」
ミリア「延期は出来ないの?」
ルルリ「1、2年じゃ感染が収まらないし」
ルルリ「4年後に施設を用意するのも費用がかかる」
ルルリ「パリの準備も始まってるでしょう」
ミリア「むずかしいことだらけだ」
ルルリ「そして徴兵制の導入が議論に挙がるわね」
ルルリ「財政出動と国防を一手に担えるし」
ルルリ「戦勝国になれば賠償金も貰える」
ミリア「戦争になるの?」
ルルリ「混乱に乗じて侵攻してくる国があるか」
ルルリ「細菌兵器の証拠が出てくれば必然的にね」
ルルリ「食糧の輸入を止められても戦争だわ」
ミリア「うわあ」
ルルリ「財閥に軍事力が無い日本は」
ルルリ「他国間の戦争の舞台にしかならない」
ルルリ「それでも戦うか、戦わないか」
ルルリ「意見はまとめられるかしら?」
ミリア「戦わないとどうなるの?」
ルルリ「殺されないためにお金を出し続けるのよ」
ミリア「お金かー」
ルルリ「隔離を強制したくても出来ない」
ルルリ「何をやっても誰かが文句を言う」
ルルリ「一人でも侵入したら一気に感染する」
ルルリ「議論をしてもまとまらない」
ルルリ「病気よりも人の対立で疲弊するのよね」
ミリア「楽しいことは無かったの?」
ルルリ「巣ごもり需要っていって」
ルルリ「インドアな業界は儲かってたわね」
ルルリ「あとなぜか株価が騰がってたわ」
ミリア「バブルだ」
ルルリ「ビットコインって知ってる?」
ミリア「知らない」
ルルリ「日本人は貯金好きだもんね」
ルルリ「だからデフレ続きになるのだけど」
ミリア「使い道がわからない」
ルルリ「使わないお金で株を買いましょう」
ルルリ「運が良ければ増えるわ」
ミリア「わたし、くじ運悪すぎる」
ルルリ「S&P500とかの米国株がいいわ」
ルルリ「連番の宝くじよりは当たるわよ」
ミリア「もっと楽しいことは無いのかな」
ルルリ「無かった」
ルルリ「旅行や外食すると怒られる雰囲気だし」
ルルリ「震災と同じで不謹慎扱いされるのね」
ルルリ「そういうムードが何年も続くのよ」
ミリア「流行は終わらないの?」
ルルリ「ワクチンを打っては変異株が現れて」
ルルリ「アメリカの製薬会社だけが儲かるわ」
ミリア「お薬は?」
ルルリ「あったけど、普及はしなかったわね」
ルルリ「完成できなかったのか」
ルルリ「ワクチン利権に潰されたのかは謎」
ミリア「配るだけでも大変なんだよね」
ルルリ「資本主義だからね」
ルルリ「お金持ちが強いのよ」
ミリア「最後はどうなったの?」
ルルリ「最後って?」
ミリア「前の世界の数年後」
ルルリ「エタっちゃった」
ミリア「エタ?」
ルルリ「未完のまま世界を放棄したわ」
ルルリ「エタるって言わない?」
ミリア「はじめて聞いた」
ルルリ「異世界転生の裏にはね」
ルルリ「同じ数だけ、転生前の世界があるのよ」
ルルリ「その世界の問題は解決されないまま」
ミリア「隣の世界はひどいままなのか」
ルルリ「そうなるわね」
ミリア「かわいそう」
ルルリ「私達には何も出来ないから」
ルルリ「考えるだけ無駄よ」
ルルリ「せいぜい自分の世界を守ることね」
ミリア「どうしたらいい?」
ルルリ「最善を尽くすしかないわ」
ルルリ「年間一千万人を超える国際空港は」
ルルリ「成田、関空、羽田の三か所」
ルルリ「スウ婆が行けないなら羽田はストップ」
ミリア「スウおばあちゃん・・・」
ルルリ「横浜が落ち着くまでは成田も止めたい」
ルルリ「だけどロックダウンは始まらなかった」
ルルリ「このままなら近いうちに国内感染する」
ミリア「それはたいへん」
ルルリ「異世界転生は使えないから」
ルルリ「もう一度やり直すことも出来ないし」
ルルリ「またひどい世界を繰り返すんだわ」
ミリア「わたしの記憶が無いからか」
ルルリ「そうよ」
ミリア「でも、もし記憶が戻っても」
ミリア「この世界は見捨てたくない」
ミリア「みんなで協力できる世界にしたい」
ルルリ「それは、おこがましい考えだわ」
ルルリ「私達に世界は救えない」
ルルリ「せいぜい枢里が生き延びるだけよ」
ミリア「それでもいい」
ミリア「自分のまちくらいは守りたい」
ルルリ「じゃあどうして」
ルルリ「殺してくれだなんて言うのよ!」
ミリア「ルルリ」
ルルリ「ごめん」
ミリア「スウおばあちゃんと」
ミリア「きちんと話してみようと思う」
ルルリ「もういいわよ」
ルルリ「知らないって言ってたんでしょ?」
ミリア「それだとスッキリしないから」
ミリア「曖昧にしないで説明してもらう」
ルルリ「ミリアが傷つくかも知れないわ」
ミリア「いいよ」
ミリア「わたしが納得したいからそうする」
ルルリ「じゃあ、お願いします」
ミリア「配信は気が向いたらやります」
ミリア「それでいいよね?」
ルルリ「ごめんね気持ちが落ち着かなくて」
ミリア「今日はおわろう」
ミリア「ご視聴ありがとうございました」