クロエ「車はいいから観光しようよ!」
ルルリ「とりあえず一台日本に送って頂戴」
クロエ「ルルリのそういうとこ」
クロエ「ほんっと、セリカに似てるよな!」
ミリア「そうかな?」
クロエ「思いもしない所に食いついたり」
クロエ「突然凄いことを言い出したり」
ミリア「そうかも」
クロエ「凡人にはわかんないや」
ミリア「そのうち何か発明してくれるかも」
クロエ「発明は今度でいいから観光しよう」
ルルリ「バスに乗りたいわ」
クロエ「言っとくけどベッドは無いぞ?」
ルルリ「フワシコの観光バスは凄いのよ」
ミリア「なにが凄いの?」
ルルリ「ホテルの前から乗るでしょ」
ルルリ「次の停留所が空港で、次が遺跡」
ミリア「凄さがわからない」
ルルリ「まあ、またあとで説明するわ」
クロエ「ここは世界遺産展示場だよ」
クロエ「世界中の遺産が集まってるんだ」
ミリア「姫路城がある」
ルルリ「ピラミッドと並んでるわね」
クロエ「アンコールワットも人気だよ」
ミリア「教えて著作権」
ルルリ「姫路城の再現度はなかなかのものね」
ルルリ「建物の中は来てのお楽しみってことで」
ルルリ「次の停留所は遊園地」
クロエ「世界一怖いジェットコースターだよ!」
ミリア「わたしは遠慮しとく」
ルルリ「観覧車に乗りましょう」
クロエ「バナナソフト食べる?」
ミリア「食べる」
ルルリ「いくら?」
クロエ「いいよ。あ、300円です!」
ミリア「これがバナナソフトでーす」
ルルリ「頭がキーンとするわ」
ミリア「もう食べたの?!」
ルルリ「一口食べたら止まらなくなったわ」
クロエ「もっと美味しそうに食べてよー」
ミリア「ルルリは美味しいと無言になるタイプ」
ルルリ「フワシコのバナナは世界一だわ!」
クロエ「でっしょー!」
クロエ「あとでどっさり用意するから!」
ミリア「バナナ、凄いたくさん買ってもいい?」
クロエ「どれくらい?」
ミリア「7万人分」
ルルリ「2万5千世帯で25トンかしらね」
クロエ「ユルユル、帰りの飛行機に詰めてあげる」
ミリア「ありがとう」
ルルリ「おいくらおくえん?」
クロエ「そんなに・・・いや」
クロエ「めっちゃ高級だけど、特別にタダだよ!」
ミリア「わーい! みんなにプレゼントします!」
クロエ「味わって食べてね!」
『観光島・上空』
ミリア「島が見えるね」
クロエ「真ん中の島が政治施設とかのある宮殿島」
ルルリ「セリカ大邸宅も宮殿島にあるわね」
ミリア「木の島がバナナ?」
クロエ「そう。ジャングル島がバナナの島だよー」
ルルリ「住民島はよく見えないわね」
クロエ「観光客に見せるもんじゃないからね」
クロエ「向こうが採掘島と発電所だよ」
ルルリ「フワシコは風力と太陽光よね」
クロエ「海洋温度差発電も始めたんだよ」
クロエ「電力はまだまだだけど深層水が飲める」
ルルリ「出力どれくらいなの?」
クロエ「10MW」
ルルリ「10年後には10倍になるわ」
クロエ「今でも電気余ってるけどね」
ルルリ「火力発電所は止めっぱなしなの?」
クロエ「動かす話なんて全然でてこないよ」
ミリア「原発は無いの?」
クロエ「そこなんだよなー。電気は要らないけど」
ルルリ「次の停留所は商店街」
クロエ「お土産が買えるよ!」
ルルリ「フワシコは値切りが御法度なのよね」
クロエ「どこも安くしてくれないよ~」
ミリア「そうなんだ」
ルルリ「値引きが当たり前だと定価を上げるから」
ルルリ「定価で買う人が損しちゃうでしょ」
クロエ「物の値段は全部決まってるんだよ」
ミリア「安心して買えるってことかな」
ルルリ「ぼったくりは交番に相談ね」
クロエ「スマホで値段見れるよ」
ルルリ「ら抜き警察だ! 現行犯逮捕する!」
ミリア「おとなげない」
ルルリ「お土産は何が売れてるの?」
クロエ「え、バナナに決まってんじゃん」
ミリア「バナナ以外は?」
クロエ「無いよ」
ミリア「潔い」
ルルリ「本屋は無いの?」
クロエ「本って、紙を綴じたやつだよね?」
ルルリ「無さそうね」
クロエ「見たこと無いなあ」
ルルリ「炭治郎はどこで見たの?」
クロエ「(ふわふわふわふわ)だよ」
ルルリ「いまどきは電子書籍なのね」
クロエ「日本では紙で売ってるの?」
ルルリ「半々くらいじゃないかしら」
クロエ「本は概念なのかと思ってた」
ミリア「概念」
ルルリ「フワシコ語とか歴史の資料が欲しかった」
クロエ「言葉は日本人のほうが詳しいと思うよ」
ミリア「なんで日本人?」
クロエ「文字にしたのは日本人が最初だし」
ルルリ「全部カタカナだもんね」
クロエ「みんな母国語にはこだわってないと思う」
ルルリ「勿体ないわ。覚えやすいのに」
クロエ「通じれば何でもいいからねー」
クロエ「日本語と英語のほうが商売になるし」
ミリア「観光にかける熱意がすごい」
ルルリ「次の停留所はホテル」
ルルリ「ビーチにはホテルから行けるわ」
ミリア「今夜はどうする?」
ルルリ「夕飯だけ戴いて帰りましょうか」
クロエ「まずお昼はどうするの?」
ルルリ「そういえば、どこで食べるのかしら」
クロエ「しっかり食べるならここかホテルだね」
ミリア「バスは何が凄かったの?」
ルルリ「停留所5つだけで全部回れたでしょ」
ミリア「あ、ほんとだ」
ルルリ「建物の配置が最適化されてるのよ」
クロエ「大きい島じゃないからねー」
ルルリ「枢里は観光島より小さい所に」
ルルリ「7万人で住んでるのよ」
ミリア「うちってそんなに小さいの?」
ルルリ「空港と世界遺産置いたら埋まるわね」
ミリア「だから観光立国出来ないのかー」
クロエ「人口多すぎなんじゃない?」
ルルリ「減らしましょうって訳にもいかないでしょ」
クロエ「土地は増やせないの?」
ルルリ「市内は売地が少ないのよ」
ルルリ「バラバラに買うから効率も悪いし」
クロエ「そうかー何食べたい?」
ミリア「御馳走が食べたい」
クロエ「任せな!」
ルルリ「とうとう贅沢に目覚めたのね」
ミリア「わたし、贅沢と仲直りする」
ミリア「贅沢は味方」
クロエ「ホテルのレストランに行くよ」
『観光島・レストラン』
クロエ「バナナジュース」
クロエ「バナナサラダ」
クロエ「バナナステーキ」
ミリア「素材の味」
ルルリ「北海道を思い出すわ」
ミリア「どうして?」
ルルリ「じゃがいも料理は色々あるんだけど」
ルルリ「結局じゃがバターで食べてしまう現象」
クロエ「バナナに飽きたら調理するんだよ」
ミリア「なるほど」
ルルリ「しばらく飽きる気がしないわ」
クロエ「一週間くらいがちょうどいいんだよ」
クロエ「飽きたような食べ足りないような感じ」
クロエ「それくらいならまた食べにくるのさ」
ルルリ「胃袋を掴まれているのね」
ルルリ「でも、御馳走と言うには普通かしら?」
クロエ「これが一番の御馳走だよ」
クロエ「手に入りにくいものは高いけど」
クロエ「日本のお米とかは日本で食べるでしょ」
ミリア「バナナ共和国にとっての普通が」
ミリア「日本人にとっては贅沢なんだね」
クロエ「そういうこと」
ミリア「贅沢っていいな」
クロエ「食べ終わったら泳ぐ?」
ミリア「およぐー!」
ルルリ「みてるー!」
クロエ「ダイビングもする?」
ミリア「もぐるー!」
ルルリ「みてるー!」
クロエ「ダイビングは見れないでしょ」
ルルリ「カメラごしに見るわ」
クロエ「せめて水着にはなろうよ」
ルルリ「着替えてもいいけどカメラはNG」
クロエ「サービスショットは大事だよ!」
ルルリ「ちょうどいい素材が無かったのよ」
ルルリ「同じ理由でパンチラも絶対に無いわ」
クロエ「じゃあ黒子さんはお留守番かな」
ルルリ「連れて行くわよ」
ルルリ「彼らはボディーガードを兼ねてるの」
クロエ「おー、ひょっとしてニンジャか!」
ルルリ「まあせいぜい下忍ってとこね」
クロエ「忍法とか忍術とか使えるの?」
ルルリ「忍んでるんだから派手な技は無いわ」
クロエ「カラテで戦うのか」
ルルリ「戦うんじゃなくて危機を避けるのよ」
ルルリ「煙玉で消えるようなイメージね」
クロエ「敵を倒さないと平和にならないじゃん」
ルルリ「それは忍者の仕事ではないわ」
クロエ「サムライもいるのか!」
ルルリ「いません」
ミリア「行こうよー」
クロエ「はいなー!」