枢里住民の幸福感は、(史実の福井県民(幸福度ナンバーワン)がそうであるように)里外の人間にはわかりづらい。
地元から出ることが少ないし、休日に家で過ごすことが多い。
外食も食堂だけで、グルメが盛んなわけではない。(グルメ通りはある)
しかし、経済的な危機感は少なく、ホームレスや乞食がいるような社会ではない。
困っている人がいたら手を差し伸べることが出来る程度の余裕もある。
良く言えば清貧。悪く言えば贅沢を知らないから幸福でいられる感じではある。
自宅で家族や友人と過ごすのに適した趣味が主流である。
グルメですら、食べに行くより出前を取って家で食べるほうが多い。
食堂に時間制限があるので、飲酒や歓談などは自宅でゆっくりとする。
(食堂のどぶろくを自宅に持ち帰って飲むことが出来る)
みんなで飯を食いに行って、つまみと酒を買って帰ってきて、家で飲むわけである。
枢里の単身世帯向けの家は狭い。2人世帯だと家賃を払えば8畳のリビングが使える。
より大人数で飲食したければ、センターの貸会議室を使うことも出来る。
人生観としては、結婚して子供を産み育てることを指標にすることが多い。
LGBTは少数である。差別は無いが、「子供の成長を人生の楽しみにする人」とは相容れない。
仕事は残念ながらやりがいに繋がるとは言い難い。カネのために仕方なくすることである。
生業は社会貢献でありボランティア的であるのでやりがいがある。年金生活者でもやる。
それでも、仕事を生き甲斐にしたいという希望は多い。
セリカは起業を歓迎するが、現実に生き甲斐と収益を両立できる人はほとんどいない。
出会いには寛容である。性別を問わない。単純なセクハラにも寛容である。
飲み屋で騒いでる時にお尻を触られたくらいで警察沙汰になったりしない。感覚がだいぶ古い。
女性が強いので、酒を奢らせたりして元を取ろうとする。男性のお尻を触る。
知らない人と意気投合するし、知らない人に世話を焼く。関東と関西のいいとこどりである。
学問を趣味とする。勉強が娯楽なのである。史実の福井県がそうなっているのでそうする。
枢里大学は月3万¢で大抵の学部は履修できる。ここに何回も入り直す人が多い。
よって枢里住民は圧倒的に大卒が多い。現役にもこだわらない。
出会いとかサークル目的でスクーリングする人もいるが学生自体が幅広い。
そんなノリなのに、やってることは結構難しい。入学は超簡単。卒業はそれなりに大変。
大金持ちになりたい、みたいな夢を持つ人は少ないし、叶える方法もほとんど無い。
ビッグになりたいとか、アメリカンドリームを掴みたい、みたいな人は里外に憧れることになる。
住民は男女平等であり、育児のみが女性優遇である。
専業主婦がいない。育児中や傷病者などの例外を除いて、すべての女性が働いている。
給与に男女差が無い。
育児の権利は「産んだ親」に付与される。(夫などに権利を委譲することは出来る)
夫婦別姓は無い。一般的には男性の姓を継ぐ。
世帯主は夫になることが多い。妻が育児をする間、夫だけが働くからである。日本の法律に従うとそうなる。
まとめると、育児は女性、世帯主は男性、というバランスである。
ただし、男女平等は外圧によって強制したものではなく、純粋な性役割の分担とされている。
過剰な女性優遇を取り入れることは無いし、慣習として男性が優遇されることも無い。
性役割という概念自体が尊重されている。「男らしさ」「女らしさ」を語っても罪に問われない。
三剣家は代々女系である。(大魔王も婿入りをする)
しかし、セリカは配偶者のことを「旦那」と呼ぶし、自分のことを「お嫁さん」と言う。誤りである。
ミリアに至っては、ルルリを嫁に迎えようとする。
枢里には関係ないが、奇しくも、天導家は代々女系である。ジップは婿入りした上に追放された。
ミリアは男性が苦手だし、ルルリはナチュラルに男性を少し見下している。
セリカお嬢様について行ったら幸せになった、という認識をしている人が結構多い。
セリカがミリアのことを事あるごとに縁起物として扱ったものだから、
枢里住民はミリアのことを有り難い神様のようなものだと思っている。座敷童みたいな。
そのため、お嬢様批判をするとガチギレする人がいる。
逆に、「お嬢様に誓う」と言えば信じて貰えるという風潮がある。
ミリアとしては、ありがたいけど、ちょっとやりにくいと思っている。
(ミリアは枢里で唯一、「お嬢様に誓う」事が出来ない)
枢里住民は、宗教や政治思想の偏りが少ない。
自称無宗教みたいな感覚の人が多い。
市の選挙では枢里の関係者に投票する。
国政選挙では好き勝手に投票する。
与野党の良し悪しについて真面目に論じる機会が少ない。
どういう政治がどういう結果をもたらすのかを理解していない。
新興宗教やマルチ商法、スピリチュアルや詐欺などへの関与や被害は少ない。
枢里住民はお金を持っていないのでカモにならないし、借金することも無い。
バブル崩壊前、枢里の労働は工場や農場での単純労働が主であった。
バブル崩壊後、枢里住民は、
シエラについて行って猛烈に働いてエリートとして競争社会を勝ち抜くか、
セリカと共に枢里に残って、安月給でも負担の少ない暮らしをするかの選択を迫られた。
結果として、シエラは枢里住民を採用して東京に転居させる事はほとんどしなかった。
セリカはITビジネスを推進したが、起業家の育成としてはうまくいっておらず、
せいぜいソフトハウスの設立を支援するに留まった。
商人たる営業職が育つ土壌が無く、環境も待遇も現状を追認した。
住民に自立心が育まれないのがセリカにとっては悩みであった。
ミリアも別に危機感は持ってない。
枢里住民には貯蓄の習慣がない。なので資産運用の習慣も無い。
老後は年金だけで暮らせるようになっているからである。
お金の心配という概念自体が頭から抜け落ちている。江戸っ子である。
枢里住民には借金の習慣が無い。Celicaはプリペイド方式である。
クレジットカードはデビットカードである。
ローンはしない。家は買わないし、車を買う人はお金を貯めて買う。
里外から借金をしてはならないという決まりになっている。
借金によって生活が破綻した場合、会社はクビになり、住居からも追い出される。
里外の親族等の連帯保証人になることも、同様の理由で認められない。
いずれにせよ、「借金した」「連帯保証人になった」時点でのペナルティは無い。
借金を返せなくなった時点で追い出されるというだけ。
トラブルが発生して生活に支障をきたすことは普通に起こるのだが、
三剣枢里はトラブルを理由にした借金に寛容なので、自衛について鈍感な人が多い。
そのため、保険加入者が少ない。
一生返せ無さそうな人には三剣枢里が自己破産を勧めてきたり、
生活保護によって病気の治療などをして体制を立て直せるなら手続きをしてくれるので、
いざとなったら相談すれば何とかしてくれそうだ、という安心感がある。
生活困窮者がおらず、住民同士の生活水準が近く、不安を煽られることもない。
住民はおおらかであり、窃盗や強盗や詐欺の動機が無いため、比較的治安は良い。
枢里には町内会が無い。
転入して偉い人に挨拶に行かないといけないなんて事も無い。
村八分とかイビリみたいなものも無い。回覧板も無い。
食堂を誰かが牛耳っていたりとか、職場にお局様がいたりとかもない。
良く言えば平等でありお互いを尊重する文化である。
悪く言えば他人に興味がない。雰囲気は匿名社会に近い。
枢里が管理社会なのでバランスを取っているのかも知れない。
例外的なのが外食習慣である。
家族間で料理分担のトラブルが無いことは個人主義的であるが、
一人暮らしであっても自炊をしない。自炊はコスパが悪いと考える人が多い。実際悪いはず。
惣菜を買うには食堂のテイクアウトになるので、
コメだけ炊いておかずを買ってくれば安上がり、ということも無い。
倉庫では一人暮らし用に小分けした食材を売る習慣が無い。
自炊するのは、せいぜい、料理が好きな人が家族等に自分の料理を振る舞いたい場合くらいだ。
労働は生業を含めても週32時間であり、時間が余るので、余暇の楽しみ方に対する感度が高い。
枢里にはサマータイムがある。
しかし時計は変わらない。勤務時間が変わる。
ゴミ捨ての時間などもこれに応じて変わる。
枢里ビジョンの生放送時間も変わる。
受託の勤務時間は9時から16時(中1時間休憩)で変わらないが、休憩の昼食の時間帯は変わる。
土地には個人所有の概念が無い。
土地と家屋を含めた三剣枢里の株を持つことで間接的に保有しているイメージ。
物欲がある人と無い人が極端で、多くの人は狭い家で納得している。
家を35年ローンで買うという概念が無い。
史実では家を持つこと自体が幸福であると定義されているし、
セリカや「お嬢様都市」の作者が賃貸を推奨しているわけではない。
持家のメリットと枢里の対応。
枢里の土地を個人所有出来なくするメリット。
つまり、「里外の人に売らないなら所有してもいい」という事なのだけど、
所有権の中には当然に売却する権利もあるわけだから渡せないというだけ。
家屋や太陽光発電を個人名義で所有することは出来る。
枢里側には、社宅扱いにすると節税になるとか、都市計画の際にいじりやすいというメリットもある。
本来35年ローンに期待された効用であろう、
「現役世代に多めに支払いを負担しておいて、老後の家賃負担を安くする」
というような防衛策は、そもそも枢里では必要ない。
産まれてから死ぬまでの収入がほぼ均一になっているからである。
居所は隠蔽され、枢里システムによって管理される。
住所は、「鶴城市枢里123-456」という表記になる。この6桁の数字は社員番号である。
枢里の中で引っ越しても、鶴城市の住所は変わらない。
自動車の普及率は平均8人に1台程度。子供を持ってから車を持つ。家族で1台。
枢里市街地の道路は概ね2車線。住宅地は一方通行で片側一車線のみ。
制限速度は40km/h。速度超過はほとんどない。
自動運転の導入に伴って、制限速度を30km/hに下げようとする動きがある。
農場のあたりは50km/hで走れる。
里外を運転するための車は通常レンタルする。保険込みで1泊3000¢。
枢里が提供する便宜は、自動車ローンと、自動車学校だけ。
フワシコの安いクルマを買うことも出来る。街乗りEVである。
安いといっても2020年モデルで100万¢する。史実の50万円中華EVのような品質。
バスは1回100¢、1日200¢で乗り放題。
農機、バス、タクシーに順次取り入れられている。
トラックはまだ無理。
自家用車は個人の趣味による。EVが推奨されてはいるが補助金とかは無い。
ガソリンスタンドは3つあるが、東の1つに集約される見込み。
蓄電池のかわりに一家に一台導入しようとしたり、
モバイルハウスにすることで建築確認申請を無くして部屋を増やそうとしたり、
いろいろ案はあったのだが、マイカー保有率が低いので実現に至っていない。
払える人にとっては乗用車の自動車税は25000円は大した事ないし、
払えない人にとっては軽自動車の10800円すらしんどい。
新車が50万円で買えるようになっても飛ぶように売れたりはしない。
街乗りで10kWhで済ませるにしても、今の相場だと蓄電池だけで40万円近くかかる。
→フワシコのクルマは5kWhという超思い切った仕様。50kmしか走れない。
家事は極力しない。手間をかけないことが美徳とされる。
まず、外食文化である。自炊をしない。時間が合わなければ食事自体を個人で取る。
洗濯はコインランドリーでする。
通勤が無いのでフォーマルが少なく、アイロンがけやクリーニングをする機会が少ない。
掃除は自分でする。浴槽が無いので面倒なのはトイレまわりくらい。
夫婦の家事分担が問題になることはほとんど無い。孤食は問題視されていない。
ミリアは「みんなで一緒にごはんを食べましょう」と呼び掛けている。
枢里で生産された食糧の7割は枢里で消費されている。
残りの3割は輸入をしていて、枢里で生産していない種類の食べ物を補っている。
費用は枢里で生産した商品の売上で賄っている。
もしも輸出入が無くなったら、住民は似たような食事ばかりで不満だろうが、餓死はしない。
個人の備蓄は主食2か月分を自宅に置くルール。一人あたり玄米10kg。
土鍋で玄米を炊いて食べる訓練を行う。キッチンの無い寮の人は電子レンジ。
枢里には銭湯が無い。湯船に浸かる習慣も無い。自宅のシャワーを使う。
オール電化なので、電気給湯器を使う。
(一回100円として、入浴を2日に1度にすれば、3000¢の節約になる・・・)
温泉はある。バスに乗って入りに行く。ガスで沸かす。1000¢くらいかかる。
3歳までは専業である。生業も推奨されるが在宅で出来る内容が回される。
3歳からは働きながら育児をする。仕事は在宅のものがある。
3歳からはセンターに通わせることも出来る。
介護は、身体介護が専門生業、それ以外が一般生業。
介護費用は保険で支払われる。介護報酬は国が決めている。
つまり現金収入があるので輸出と同じ扱い。儲かるからやる。
大規模な老人ホームがある。高齢者版独身寮のようなもの。
数千人が暮らしていて、まとめて面倒を見ている。病院も近いので便利。
パートナー制度があり、年齢性別関係なくペアで同居出来る。
このうち、成人男女のペアは結婚することが出来る。
どちらも、枢里としては同居(転居)の権利を得るための仕組みである。
これ以外では、実家を出る時、寮を出る時、子供が自立した時しか転居が出来ない。
自由に転居するには、誰かと住処を「交換」するしかない。
子供年金があるので、日本よりは結婚がしやすい。
枢里ビジョンで10分間の自己紹介動画を作ってくれる結婚相談チャンネルが楽しい。
託児施設もあり、送迎もある。幼稚園もある。
3歳までの子の日用品は支給して貰える。
テレワーク文化なのに集まって飲み食いするのが好き。
女性が積極的で、男女の出会いに寛容。草食系男子、肉食系女子。
避妊はピルが主流。女性が主導する。
コンドームも使うが、女性も購入する。
枢里住民はレディーファーストをカカア天下のことだと思っている。
デートは割り勘。男性のアピールは体力と冷静さ。
結婚しても財布は別々。
冠婚葬祭は安く仕上げる風潮がある。質素が美徳みたいな所がある。
生活レベルはみんなほとんど一緒なので、見栄を張っても仕方がない。
セレモニーホールがある。(旧ふわふわでミリアとルルリが結婚したやつ)
ホテルや集会所で披露宴も出来る。食事は普段食わないものが出る程度。
牧師さんも葬式の坊さんも枢里住民であり、同じ時給で対応する。
宗教スキルはカネにならない。
(専門性や勤続年数によって給与が上がっていくという概念が無い)
小学校から大学まで、多くの生徒は在宅の動画学習で通信教育を受ける。
幼稚園は3歳から。センター内に託児所としての幼稚園がある。
母親が働くために子供を預ける使い方が主である。教育としての質は低い。
動画学習のようなことを幼稚園でまとまってやることはあるが、
園児は日々の学習について成績を問われたりすることは無い。
小学校からは自分で動画学習をする。
センター内に教室があり、そこに通えば学年ごとにまとめてやってくれる。
学年あたり15人前後が集まるイメージ。
まとめてくれるのは住民の生業であって教員ではない。だけど「先生」と呼ばれている。
食事どきには生徒同士が交流するための「休み時間」がある。昼休みは全部で90分。
やる気があるのなら家で自分一人でやったほうが圧倒的に早い。どうやるかは生徒の自由。
体育や実習のスクーリングだけをしにくる生徒も多い。
不登校は問題にならないが、不勉強は問題視される。
子供年金の剥奪を警告され、「生業」の補習を受けることになる。
小中学校の教育費は無料。史実で言う2in1ノートパソコンが支給される。
2017年からは、スマホ、モニタ、キーボード、マウスのセットで対応する。
トータルの学費は公立の小中学校より安い。
給食はそもそも食堂でとるので学校特有のものは無い。
修学旅行は任意の積み立て制である。
有償の学習塾はある。センター通いを代替する。
※公立枢木小学校じゃなくなりました。
高校受験は普通にあるが、要求される学力自体は非常に低い。
最寄りのセンターに通うことは無くなり、学力に応じてクラス分けが行われる。
スクーリングは枢里大学に行く。学費が発生する。必修ではない。
高校からは生業への参加が必須になる。
枢里では「大金持ち」「ビッグ」「アメリカンドリーム」を夢見る人のために、起業支援制度がある。
最初の制度は、準備期間における業務の免除である。
事業計画書を提出して内容が認められたものは、週24時間の受託業務を免除される。
これによって三剣枢里には毎月10万円の損失が発生する。
生業は免除されない。
起業準備のために週何時間稼働しても残業代は出ない。
認められた準備期間を終えた後は、成果を求められる。
粗利が毎月10万円を超えている限り、起業を続けることが出来る。
粗利の確保に失敗した場合、程度に応じて、再度起業支援を受けられる条件が厳しくなる。
主にクールダウン期間が延びる。
事業内容に三剣枢里の支援を伴う場合は、粗利の半額を三剣枢里が受け取る。
支援を伴わない場合は、全額を自分のものに出来る。
セリカの狙いは、三剣枢里を大いに利用して利益を生む事業を増やして貰うことだったが、
枢里と関係ない事業を狙って孤立無援で失敗するケースが多い。
枢里では3年に一度、スマホが支給される。2014年から始まり、今年で3回目。
モニタに繋いで枢里ビジョンが視聴できるほか、キーボードとマウスを繋いでPCとして使える。
テキストエディタとかオフィスのようなデスクワーク用アプリも用意されている。
ヘッドセットを繋いで、フロントカメラでテレビ会議も出来る。
しかしモバイルデータ通信は別料金。光回線契約者なら市街地のWiFiが無料で使える。
自宅に回線を引くのはほぼ必須である。
テレビとは結構違う。住民は無料。里外は月額千円。
紙媒体ではない。スマホアプリから見れるネットニュース。住民は無料。里外は月額千円。
住民がコメントをつけることが出来る。
Facebookみたいな実名制のキラキラ自分語りSNSと、
twitterというより5chのほうが近いような匿名掲示板がある。