エルハは必要な免許をすべて持っているものとする。
エルハ「アリアさんは勉強熱心ですね」
ミリア「お嬢様だから始めたことだけど」
ミリア「現場の仕事はわくわくします」
エルハ「今日は残念ながらお手伝いは無しです」
エルハ「危ないので勝手に動かないでください」
ミリア「わかりました」
エルハ「まずは工場に行きます。すぐです」
エルハ「つきました」
エルハ「手を繋いでもいいですか?」
ミリア「お願いします」
エルハ「このおうちだそうです」
エルハ「ユニッ・・・トラッククレーンで」
エルハ「おうちごと運びます」
エルハ「荷台に近寄らないように」
エルハ「こっちから見ててください」
ミリア「すごい」
ミリア「ズシーン」
エルハ「よしっと」
エルハ「乗ってください」
ミリア「はい」
エルハ「よいしょっと」
ミリア「重い」
エルハ「わかりますか?」
ミリア「運転が重そうな感じがする」
エルハ「1.5トンありますからねー」
ミリア「人が住むんだもんね・・・」
エルハ「ここの道路ですね」
エルハ「一時通行止めにします」
ミリア「そんなことできるんだ」
エルハ「ここ、三剣枢里の私道ですからね」
エルハ「置くのはここ」
エルハ「外で見たいですか?」
ミリア「ううん、車の中から見る」
エルハ「トラックを横付けして」
エルハ「アウトリガーを出して」
エルハ「クレーンで設置です」
ミリア「そっと置かれた」
エルハ「これをもう一個隣に置きます」
エルハ「工場に取りに戻って同じように設置」
エルハ「これで私の仕事は終わりです」
ミリア「他の人は仕事を続けるの?」
エルハ「屋根にソーラーパネル取り付けるのと」
エルハ「内装とか家具の搬入ですね」
エルハ「たぶん今日中には終わるかと」
ミリア「じゃあ、一日で家が建つんだね」
エルハ「そうですね。置くだけですし」
ミリア「引っ越すときもクレーン?」
エルハ「そうみたいです。あんまり無いですが」
エルハ「あ、廃棄はありますね」
エルハ「解体費用もかからないんですね」
ミリア「そっか、大工さん少ないから安いんだ」
エルハ「そういうことらしいです」
エルハ「私でも簡単に設置できますからね」
ミリア「それはエルハさんが凄いと思うけど」
エルハ「ゲーセンのよりは簡単ですよ」
エルハ「吊り上げ失敗したことないですもん」
ミリア「失敗したら大変だね・・・」
エルハ「というわけで、帰っていいそうです」
ミリア「2時間かかってない」
エルハ「単身だと早いですね」
エルハ「数が多いときはもっとかかります」
ミリア「1人2個?」
エルハ「そうです。子供は1個ですけど」
エルハ「だから4人家族なら6個です」
ミリア「それは広いのかな?」
エルハ「ルルリさんに聞かないとですけど」
エルハ「たぶん南部と同じくらいですよ」
エルハ「都会よりは広いんじゃないかと」
ミリア「エルハさんは南部に住んでたんですよね」
エルハ「住んでましたね」
ミリア「南部と比べて枢里はどうですか?」
エルハ「おおらかな方が多いですね」
エルハ「そこが私には合ってます」
ミリア「おおらか・・・」
エルハ「いいよいいよー、ってすぐ言いません?」
ミリア「言うかも」
エルハ「あとは仕事が楽です」
エルハ「人間関係で苦しむこともないし」
エルハ「残業とか休日出勤も無いし」
ミリア「他はもっと大変なのかな・・・」
エルハ「だいたい人間関係のような気がします」
エルハ「枢里は管理社会だから悪さできないし」
エルハ「競争が無いから構えなくていいですね」
ミリア「わかるようなわからないような」
エルハ「良くも悪くも、ゆるい感じです」
ミリア「それはよく言われる気がする」
エルハ「枢里を作った人は大変だったと思います」
ミリア「ママかな、スウおばあちゃんかな」
エルハ「それは私にはわかりませんけど」
ミリア「わたしはどうしたらいいんだろう」
エルハ「今のままでも十分だと思いますよ」
ミリア「ほんとそれ」