2020-09-05
2020-09-17 残件整理
CONFIDENTIAL
Suteki Co. Ltd.
■ 修正候補
・ルルリは電子工作の才能があるのに、なぜもっと活躍しないのか?
・アニメふわふわの魔法少女ミリアと天才少女ルルリは、
ミリアとルルリから「ちゃん」付けで呼ばれる。
リアルではお互いを呼び捨てにする。
・社会科見学か転校生の回で、三剣社員の待遇の話を掘り下げたい。
「最低賃金だけど生活には余裕がある」とは説明した気がするが、
なぜそれが成り立つのかのメカニズムは説明が必要だと思う。
・チサトが10話で役に立っていない。
帰結として「SUの紹介キャラ」以上の存在意義を得ていない。
イオリと同様に「天才の殻を破る」役割にしたいのだが。
イオリはこども選挙時点で既に友達を優先してるので許せる。
チサトにも何らかの機会を用意してあげたいが・・・。
・イオリの王子設定が半端になってしまっているのも気になる。
今のところ南部の紹介キャラでしかないのでもう一声欲しい。
・チサトとイオリの口調は完全に書き分けできてなくなった。
イオリを最初からボクっ子にしようか悩むくらいだ。
・南北戦争が結末まで書き切れていないので、
「三剣が重商主義で南部が社会主義」という誤解が解けていない。
結果として読者に、
「共産主義者と資本主義者が共存できるハイブリッド社会」
という未来像をきちんと提示できていないと思う。
・三剣枢の時代に土地の買収がらみのトラブルがあり、
そこで損をした南部住民が復讐を計画したという話。
枢は偉大な統治者で旧三剣財閥と先住市民の融和を目指したのだが、
「withごはん」が足りなくて、その夢を果たすことが出来なかった。
ミリアは天導あやめと組んで、枢の夢を果たし、鶴城市を完成させる。
というところまで書きたいけど書ける余白が無い。
・介護問題を取り上げたい。合成の誤謬の話をする。
・世の中には老人が大量に余っていて介護や医療を必要としている
・社会はどんどん効率化合理化が進められており労働の必要性が減っている
・だから余った労働力を余った老人の世話にぶつければいい
これを実現すると若者の労働意欲や生き甲斐が減退するという話。
■ ふわしこ
・レナの本名は、蓮菜(れんな)にしたい。
2020-09-05
2020-09-17 残件整理
CONFIDENTIAL
Suteki Co. Ltd.
まだ書いてない話の中身の案。
本採用するかどうかはわかんないけど、完全にネタバレ。
第7話 夏休み アリア祭り(仮)
(再プロット中で以下は古い内容)
・ミリアの現在の作中の設定は資本主義者とは程遠いが、
フリーランス体験を経て、
「沢山お金を稼げば贅沢な暮らしが出来るから頑張ろう」
というように資本主義に傾倒する、ということになる。
すると弱者救済の意味が変わってきて、
「弱者が自分で稼げるように自立支援をする」ことになる。
これは四次元パケットのセシリアの理屈に等しい。
これは実は枢里生活圏の価値観と少しずれている。
枢里は「無理に働かなくていい」という方向を目指しているからだ。
南部も当然「贅沢なんてとんでもない、まずは分け与えよ」と責める。
ミリアはこの葛藤に直接巻き込まれることになってしまう。
・アリア祭りは、ごはん会、七夕、屋台、浴衣、花火をやる。
伏線の解決と新たな伏線はするけど、政治的には息抜き部分なのかも。
第12話 エンディング(仮)
ミリアが演説をして鶴城市の未来を予感させる回。
演説は伝説となり、枢里の名物となり、
観光客に「アリアを聴きに来た」と言わしめるのであった。
2020-09-01
CONFIDENTIAL
Suteki Co. Ltd.
いまんとこ没になってるけど捨てるには惜しい話。
話の流れに合わなくて載せなかったとか、そんなん。
先の話のネタバレとかは無いと思う。
第3話までのネタの意味の説明になってる話はたくさんある。
◆
【朝食】
ルルリ「おはよう、ミリア」
ミリア「おはよう、ルルリ」
ミリア「今日も牛乳が白いね」
ルルリ「ノンホモ生乳のまろやかな味わいよ」
ルルリ「飲んでみる?」
ミリア「わたしは紅茶にする」
ミリア「お嬢様だもん」
ルルリ「ミリアは形から入るよね」
ミリア「ルルリお嬢様もいかが?」
ルルリ「ノンカフェインなら」
ミリア「ルルリは中身から入るよねー」
じぃじ「デザートにケーキはいかがですかな?」
ミリア「赤とピンクで可愛い!」
ルルリ「クリーム、砂糖、卵、小麦粉、苺」
ミリア「紅茶と言えばケーキよね」
ルルリ「甘さ控えめね」
じぃじ「低糖質ケーキを作ってみたのですじゃ」
ミリア「いっぱい食べていいの?」
じぃじ「ええ、気持ちよく召し上がってくだされ」
ルルリ「食べ過ぎ対策でカロリーを減らしたのね・・・」
【タピオカ】
(D地区のカフェ)
ミリア「タピオカってさ」
ルルリ「うん」
ミリア「可愛くなくない?」
ルルリ「高糖度でハイカロリーだものね」
ミリア「流行るのがわからない」
ルルリ「第三次タピオカブームなんですって」
ミリア「でも癖になる」
ルルリ「モチモチしてるものね」
ミリア「人はなぜ甘味に走るのだろう」
ルルリ「原価が安いからかしら」
ミリア「え、これいくらなの?」
ルルリ「知らないけど」
ミリア「200クルルだって」
ルルリ「高いか安いかさっぱりわからないわね」
ミリア「カレーライスが300クルル」
ルルリ「次からはカレーにするわ」
【アリアショップ】
ルルリ「私このお店、割と好きだわ」
ミリア「わたしは割と苦手」
ルルリ「恥ずかしがりなのね」
ミリア「ふつう恥ずかしいでしょ」
ミリア「自分がグッズになってるとか!」
ルルリ「私は好きだわ、自分の写真とかずっと見てられる」
ミリア「ナルシスト」
ルルリ「自分を一番愛せるのは自分自身だもの」
ミリア「むぅ」
ルルリ「あ、アリア&ルルリ銀行券、入荷待ちだって」
ミリア「たくさん渡しておこう」
◆
【午前10時 教室】
ミリア「五年一組! 一緒だね!」
ルルリ「だいたい、五年生で入学式って時点で変なのよ」
ミリア「ルルリは海外の大学を卒業したから編入学って言ってた」
ルルリ「私は一応4年前にここに入学してたのよ」
ミリア「枢木小学校?」
ルルリ「うん。結局ほとんど通わなかったけど」
ミリア「ルルリが学校行ってるとこ、見たことないもん」
「全校生徒は廊下に整列して、体育館に移動してください」
ミリア「行こ」
ルルリ「めんどくさいから保健室で寝てるわ」
ミリア「そういうとこやで」
【午前11時半 教室】
ミリア「終わったー!」
ルルリ「長く苦しい登校だった」
ミリア「明日から六時間授業って言ってたけど大丈夫?」
ルルリ「半分テレワークにして貰えないかしらね」
ミリア「てれわーく? って?」
ルルリ「なんでもない。頑張るわよ」
ミリア「おー! ルルリえらーい!」
ミリア「じゃあ、ご褒美ってことで、ホテル行こ!」
ルルリ「昼間っから?!」
ミリア「うんうん、ケーキバイキング!」
ルルリ「そういえば披露宴無かったものね」
(校門で待っているリムジンの中に移動)
じぃじ「却下ですじゃ」
ミリア「えーーー」
じぃじ「今日は家でご馳走を沢山作って待ってますからのう」
ミリア「ケーキもあるの?」
じぃじ「もちろん、食べきれないほど大きいやつがありますとも」
ルルリ「一緒に入刀しましょ」
ミリア「する」
(三剣家宮殿敷地内)
ルルリ「それにしても結婚式とは驚いたわ」
じぃじ「あれは三剣家の覚悟を示す大事な儀式なのですじゃ」
ルルリ「覚悟。参列していたのは身内だけでは無いのね?」
じぃじ「」
(未設定。鶴城市長はいいとして、あとは幼年設定を詰めねば)
ルルリ「あそこまでして貰っても、法的にはミリアと結婚出来ないけど」
じぃじ「気持ちの問題ですから」
ミリア「気持ちの問題ですから!!」
ルルリ「気持ちは前からずっと一緒よ」
(披露宴。ご馳走を目の前に)
ミリア「本日はご多用の折、私たちの結婚披露宴にご出席を賜りまして誠にありがとうございます。先ほど皆様に見守られる中、無事に夫婦の誓いを立てることができました」
ミリア「このような良き日を迎えられたのも、ひとえに皆様のおかげでございます」
ミリア「本日は、ふたりが日ごろから大変お世話になっている方々をお招きして、ささやかですが宴席を設けさせていただきました」
ミリア「短い時間の中、至らない点もあるかと存じますが、ごゆっくりとお楽しみいただければ幸いです」
ルルリ「いつも思うけど、なんでそんなにスピーチ上手なの・・・?」
ミリア「気持ちの問題」
◆
【東京ぱんだ】
(三剣宮・食卓)
ルルリ「寝てたわ」
ミリア「寝てないの?」
ルルリ「まあ寝不足気味だけど」
ルルリ「今は、ぼーっとしてただけ」
ミリア「よだれでてるよ」
ルルリ「バナナの夢を見てたのよ」
ミリア「やっぱりバナナが良かったの?!」
ルルリ「ミリアがくれるお土産なら何でもいいのよ」
ミリア「ほんとは東京ぱんだがいいんじゃないの?」
ルルリ「それは、ミリアに見つけてほしかっただけよ」
ルルリ「見つけたとき、これかー、って思ったでしょ」
ミリア「思った!」
ルルリ「千歳で恋人作って連れ帰ったりしないでしょ」
ミリア「作らないよ!」
ミリア「ルルリだけだもん!」
ルルリ「きゅーん」
ルルリ「心の録音ボタンが押ささってしまったわ」
ミリア「でも大阪のお土産はむずかしい」
ルルリ「ゆきどけ」
ルルリ「ってお菓子が食べてみたいわね」
ルルリ「喧嘩した後の仲直りにも良さそう」
ミリア「でも、わたし、ルルリと喧嘩したこと無い」
ルルリ「無いわね」
ルルリ「いや、一回だけあった気がするわ」
東京ばななは2017年にパンダ模様の新作が出た。
ルルリは隠れ道産子設定だったけど年表的には北海道に住む暇がない。
◆
【共産主義】
ミリア「ルルリは共産主義者なの?」
ルルリ「そうね」
ルルリ「私が独裁者なら、という条件付きだけど」
ミリア「共産主義はみんな平等なんじゃないの?」
ルルリ「みんな平等なら誰が最初に幸せになるの?」
ミリア「誰もならない?」
ルルリ「そうね」
ルルリ「だから、独裁者が最初に幸せになるのよ」
ミリア「それをみんなに配るの?」
ルルリ「おすそ分けできる幸せと出来ない幸せがあるでしょうね」
ミリア「どんな幸せなら配れる?」
ルルリ「配っても減らないものなら配れるわね」
ミリア「たとえば?」
◆
【将来の夢】
(枢木小学校・教室)
女子A「あたし、パティシエになりたいの!」
ミリア「ぱてぃしえ?」
ルルリ「ケーキ作る人ね」
ミリア「いいね! 可愛いケーキ食べたい!」
ミリア「もしもしじぃじ、パティシエになりたい」
【朝6時出勤(土曜日)】
【ひたすら白い粉を運搬】
【ひたすら卵割り】
【ひたすら撹拌】
【筋肉痛】
ミリア「あんまり可愛くなかったね」
ルルリ「デコレーション以前の問題だったわね」
女子A「パティシエやめます」
【パパ活1】
(枢木小学校・教室)
女子B「アタシはパパ活がやりたい」
ミリア「ぱぱかつ?」
ルルリ「よかったら理由を聞かせてもらえるかしら?」
女子B「お金が欲しくて」
ルルリ「何に使うの?」
女子B「陸上の選手になりたくて」
ミリア「足速いもんね」
女子B「他のスポーツより安いと思ってたけどそうでもなくて」
ルルリ「そうなんだ・・・」
女子B「でもうち母子家庭だからお金が無くて」
ルルリ「ガチなやつだった」
ミリア「もしもしじぃじ、パパ活がやりたい」
ルルリ「それは誤解を招くのでは」
ミリア「一席用意するから待ってって」
【パパ活2】
(枢木小学校・教室)
男性A「三剣製薬の田中と申します」
男性B「三剣重工の佐藤と申します」
男性C「三剣銀行の鈴木と申します」
女子B「女子Bと申します」
ミリア「アリアです」
ルルリ「ルルリです」
田中「それでは簡単に弊社のご紹介を」
ルルリ「早速デートしましょう」
ミリア「どこ行く?」
女子B「ここで脱いでもいいですか?」
(女子B、ユニフォーム姿になる)
ルルリ「いい身体してるわね」
ミリア「セクハラは禁止でーす」
女子B「グラウンドに行きましょう」
(枢木小学校・グラウンド)
ルルリ「こんなデートも健康的でいいわね」
ミリア「ルルリ、ぜーんぜん動いてないじゃん」
ルルリ「眼球は動かしてるわよ」
ミリア「ぎょろぎょろー」
(枢木小学校・教室)
女子B「新しいユニフォームが届きました」
ルルリ「お胸が重工」
ミリア「お尻が銀行」
ルルリ「背中が製薬」
ルルリ「誰が勝者なのかしらね」
ルルリ「私は高く跳べる靴をあげるわ」
女子B「それ反則です」
◆
ミリアがぶっこみすぎたんで没にしたやつ。
【教えて著作権2】
ミリア「あっルルリ亀さんだよ撫で撫で~」
ルルリ「話聞いてた?」
ミリア「うん、ぜんぜん」
ルルリ「まず、黒い丸を」
ミリア「亀さん撫でたら凄いおっきくなった・・・」
ルルリ「話を聞け!」
ルルリ「それ、大きくなったんじゃなくて、ミリアが小さくなったのよ」
ミリア「あれ、ほんとだ、ルルーリも大きく見える」
ルルリ「このキノコを食べて大きくなるのよ」
ミリア「んくっ・・・ほっひふへ、はいあない・・・」
ルルリ「よく噛んで食べなさい」
ミリア「ふぁい・・・れろっ」
ルルリ「ああもう!」
ルルリ「食べやすく切ってあげるわ!」
ミリア「キノコステーキだー」
ルルリ「どうせならピンクの丸いやつになれば良かったんじゃない?」
ルルリ「ミリアっぽいし」
ミリア「そしたらルルリの出番なくなるじゃん」
ルルリ「私は北条家の家紋を手に浮かばせたかったわ」
ミリア「マスターソードで何回抜いたの?」
ルルリ「かれこれ10回くらいは・・・」
ルルリ「って、「で」ってなによ」
ミリア「おとこのこだなあ」
ルルリ「女の子です一応」
ミリア「マンマミーア!」
ルルリ「オーキードーキ!」
◆
ルルリは弁が立つ(言い合いに強い)けど長文スピーチはミリアに譲りたい。
【ルルリの家族観】
ミリアママはルルリに「母親がいなくて可哀想だ」と言うが、ルルリは反論する。
「私は確かに可哀想ですけど、それはお母さんが居なくなったからではないんです。
お母さんは、大人の決めたルールによって親権を失っただけのことで、
物理的には現存するし、お腹を痛めて私を産んだ事実は変わらないし、
今でもずっと私にとってはお母さんなんです。
確かに私はお母さんと決定的に意見が対立していたし、
それは誤解とかすれ違いとか会話不足によるものではないから、
私が私であるためにはお母さんに意見を引っ込めて貰うしか無かった。
だから両親の離婚について後悔は無いし、引き留める気も無いんです。
私だって小さいけど人間なんだから。どこで誰と寝るかは自分で決めて良くないですか?
それをするための権利が得られなかったことが私の可哀想なところだと思います。
ですから父子家庭になったことについては心配をおかけするつもりはありません。
もちろん、お父さんを救ってくださったことには、とても感謝しています」
「ルルリちゃんのお母さんは、三剣家のことを誤解していると思いますよ」
「そうですね。でも、あの左巻きは根っからなので、わかり合うのは結構大変そうです」
「ルルリちゃんは、アリアがお金持ちの子でも気にしないで遊んでくれるのにね」
「気にしてるし、散々お世話にもなってますけど、人が持っているものを悪く思うことは無いです」
「可哀想とか言って、ごめんなさいね。もしも困ったことがあったら何でも相談してね」
「ありがとうございます。ミリア起きてる?」「うん」
「お昼寝しましょ」「うん」
ルルリパパ直筆の外泊同意書を携えて、ルルリはミリアのベッドに潜り込んだ。
◆
【お金配らない】
「ねぇ、ルルリ、教えて欲しいことがあるの」「うん?」
「お金持ちは、いけないことなの?」「それ、誰かに言われたの?」
「知らない人とか、前のクラスの子とかに、たまに言われる」
「そんなの、やっかみなんだから、ほっときゃいいのよ」「やっかみ?」
「本当は自分がお金持ちになりたいんだけど、それが出来ないから、ずるいって言ってるだけってこと」
「どうしてお金持ちになれないの?」「それは私が知りたいわね・・・」
「ルルリには、私のお金を半分あげるよ」「それはダメよ」「どうして?」
「私のほうがお金持ちになってしまうからよ」
「じゃあ、二人のお金が一緒になるように分けようよ」
「それはきっと無理だわ。たとえばね、ここに一万円が2つあります」「うん」
「ミリアさんは、半分を生活に使って、半分を貯金しました」「残り5000円」
「ルルリさんは、美味しいものを沢山食べて、残ったお金でお洋服を買いました」「残り0円」
「さあ、二人のお金が一緒になるように分けてちょうだい」「2500円・・・?」
「いいの?」「・・・ルルリなら、いいよ」「よくないでしょ」「うん」
「ミリアがお金持ちなのは、お父さんとお母さん、そのお父さんとお母さんが、ミリアのために先祖代々貯金をしてきたからなのよ」
「みんなは貯金しないで全部使っちゃったの?」「そうよ」「ルルリも?」
一億円の借金の話をする。
「そういえば聞いたかも。ルルリのお父さんが娘にプレゼントするのにお金を貸して欲しいって」
「プレゼント・・・」「それならあげてもいいよって言ったけど断られた」
「あげちゃったらパパからのプレゼントじゃなくなっちゃうからね」
「なっとく。でも、あげちゃったほうが良かったくない? 一億円って返せるの?」
「私が出世払いで返すのよ! アイティーキギョーのシャチョーになるんだからね!」
「すごい! けどなんかお金かかりそう!」「するどい」
「三剣金融が法定利息ギリギリでご融資いたしますわ!」「きわどい」
「勝手にリボ払いになる魔法のカードを進呈いたしますわ!」「あくどい」
「返せなかったら毎晩お風呂でわたしの身体を洗って戴きますわ!」「じゃあ返さない」
ミリアとルルリは本来はボケツッコミ両刀。
【ホクレンはバターを独占するな】
「ねぇ、ルルリ、教えて欲しいことがあるの」「うん?」
「貧困格差は、どうすれば無くせるの?」「それ、誰かに言われたの?」
「国連が、貧困を無くそうって言ってた」
「北海道の農業共同組合連合会ね。バターでも配ればいいんじゃないかしら」
「それはホクレン。無理矢理ボケない」
「私、国際とか世界とか連合とか、世界統一みたいな組織、大嫌いなのよ」
「意外。ルルリは世界征服するんだと思ってた」
「私が征服したいのは私のまわりの穏やかな日常生活だけだわ」
「ルルリは家族の幸せのために地球の危機に立ち向かうタイプなのかー」
「そう言うとヒーローっぽいけど、人質を取られて闇落ちするタイプだわね」
「国連には何を人質に取られたの?」
「正義、かしらね。ナショナリズムと言うべきか」「どういうこと?」
「昔々あるところに、ルルリ村がありました。村人は大層頑張って働き、沢山貯金もして、貯めたお金を村の発展に使ったので、村はどんどん大きくなり、ルルリ共和国になりました」
「ルルリ王はいないの?」「いるけど、共和国なのよ」
「やがて世界は貿易を繰り広げ、ルルリ共和国は世界一のお金持ち国家になりました。そこで世界ランキング上位の国を集めて、世界の国々を管理していこうという話になりました。反抗して暴力を振るおうとした国には、みんなで協力してお仕置きをしました」
「原爆で?」「お仕置きはムチとローソクよ」「ルルリ女王はお仕置き上手」
「アメとムチの間違いだったわ。まあ、上手なお仕置きで、世界には平和が保たれました。ランキング下位の国にはお金を多めに配ったりもしました。そしてとうとうランキングが大逆転。ルルリ共和国が2位になると、1位の国は軍事力を高めて、2位以下の国を引き離そうとしたのです」
「1位になった国をお仕置きしよう」
「そう言ってルルリ女王はランキング下位の国を集めようとしましたが、弱い国の言うことはなかなか聞いて貰えません。国連も他の組織も、1位の国が弱かった頃にみんな1位の国の味方をするように改造されてしまっていたのでした」
米中戦争の話をしようと思ったけどフィクションになってないのでボツ。
◆
【編入学式(昔の第一話)】
設定も古いので今と異なる部分が多い。財閥感は昔のほうが強い。
「ルルリちゃああああんんん」「ミ、ミリア!」
「だいしゅきぃぃ! からの、《ピュー》!!」「ら、らめええぇぇ!!」
「えー、それではこれより、市立枢木小学校の編入学式を執り行わせていただきます」
「わーぱちぱちぱち」「編入学式?」
「左様でございます。ルルリさまは海外の大学院からの五年次編入という形でのご入学となります」
「大学院卒業までで小学校四年分になるってことね」「へんなのー」
「アリアさまは魔法大学からの五年次編入となります」「魔法大学」
「おうちで勉強してたのー」「おうちの中にそんな大学があるのね。便利ね」
「いざという時は寝室で講義を行いますゆえ、欠席することは絶対にありません」
「それはそれで英才教育だわね。魔法というのは、例の?」
「はい。三剣財閥に継承される秘技《ピューリファイ》にございます」
「気持ち良かった?」「初めて食らった時を思い出したわね」
「ルルリちゃんと初めて会った時のだよね」「そうよ」
「初体験の時は気持ち良すぎて失神してたもんね」「そうだけど! 言い方がセクハラ!」
「セク?」「セクじゃないけど・・・あれは脳内麻薬系の気持ちよさね」
「人の不安とか悩みとかを幸せな気持ちに変えるんだってー」「精神安定剤みたいな魔法ね」
「中毒性があるかも知れないから、むやみに使うなって言われた」「言われてんじゃん」
「でもルルリちゃんには使いまくっていいって」「なんでやねーん」
「わたし無しじゃ生きて行けない身体にするため?」「その発想が病的だわ」「うふふ」
「じゃあ、ミリアも小学校に通うのは初めてなのね」「ううん、たまに出席してたよ」
「それなら編入じゃないじゃん」「うん」「この編入学式は茶番か!」
「アリアさまのご要望により、二人だけの入学式がやりたいと」「えへ」
「ついでに申し上げますと魔法大学も、魔法以外は小学校程度の内容しか授業しておりませんゆえ」
「単なる対抗意識か!」「いっしょがいいのー」
「なるほど。じゃあ一緒に君が代を歌いましょう」「きみがよ?」「国歌よ」「こっか?」
「おーい魔法大学!」「ルルリさま、市の小学校では、国歌のかわりに三剣財閥の歌を歌う事になっているのです」
「それでは、お祝いの言葉を述べさせていただきます」「あのずらっと並んでる人達?」
「はい。左端から、校長、教育委員長、PTA会長、学級担任、商工会会長、警察署長、市長、大統領」
「待って途中からおかしい」
「天導琉瑠璃」「はい」「三剣アリア」「はーい」
「ここからは通常の始業式、そして一年生の入学式に在校生として参加していただきます」
「大統領帰っちゃうの? せっかくだから全部出てくれればいいのに」
「残念ですが次の予定があり外にジェット機を待機させておりますゆえ」「むしろなぜ来た」
「握手した時に《ピュー》しといた」「やるわね」
「皆様、口実があればお嬢様に会いに来るのでございます」
「そりゃ財閥もでかくなるわけだ。でも毎日通学して安全なの?」
「警察と私設の親衛隊が協力して見守っております」「これが話に聞いた毎日父兄参観」
「今後は目立たないように隠密行動を取らせていただきます」
【ピューリファイ】
《ピューリファイ》の名前をつけたのはルルリ。
ミリアは《ピュー》と言っている。
「疲れが《ピュー》って取れるとか?」
「じゃあ、ポンッて取れたらポンの魔法なの?」
「それよりは、悪いものが抜けていく感じじゃないかなあ」
「たぷん、ちゃんとした名前があるはずよ。ピューだけじゃ、なんか・・・へんだもの」
「わたしは可愛いと思うけどなー」
【手の温度】
これも昔の設定。口調と性格を模索している。
ミリアとルルリは友達になるが、友達というものがよくわからない。
「友達になったはいいけど、どうすればいいのかしら?」
「ルルリちゃんは、何かしたいですか?」「べつに」
「じゃあ、なんで友達になったんですか?」「人と一緒にいたかったから、かな」
「それなら一緒にいます」「手、つなご?」「はい」
「あったかいなあ」「ルルリちゃんもあったかいですよ」
「お互いにあったかく感じるなんて不思議ね」「不思議ですか?」
「うーん、熱は温度の高い方から低い方に一方的に伝わるはずだけど・・・」
「どっちの温度が高いんでしょうね」
「サーモグラフィがあればわかるかも」「なんですかそれ?」
「温度を見るカメラみたいなやつ」「今度用意しますね」
「いやいいよ高いし・・・お金持ちだから買えるのかも知れないけど」
「きっと買ってもらいます」
CONFIDENTIAL
Suteki Co. Ltd.
ネタバレ注意?
【花よりラムカレー】
桜が散ってから、花見がしたいとルルリがごねる。
北海道ならまだ咲いてるはずだからゴールデンウイークに行くと言う。
着いたらひたすらラムしゃぶを食べる。
地下に眠るという「魂カレー」をこっそり食べに行く。スープは青。
話に意味は無い。
【修学旅行は沖縄】
沖縄に修学旅行に行く。いわゆる水着回。
ルルリが牛乳を飲んでたらビーチボールが飛んできて顔に牛乳をぶちまけるとか、
日焼け止めを塗るとか、カルピスの水鉄砲で撃ち合って疲れ果てるとか。
円盤解禁のエロコンテンツみたいなのをイメージしてた。
と言いつつ、自衛隊基地を見学したり、米軍基地は断られたり、
チャイナタウンは廃墟だったり、暗に米中戦争ネタがやりたかったりもした。
【修学旅行は文化祭】
高額な修学旅行に南部住民が猛反対。
三剣家が支払いを申し出るが、平等でない、買収的で良くないと批判される。
県内の博物館(恐竜しかないな)に行く案も出たが日帰りで行けるので却下。
中止にされるくらいなら自分たちで旅費を稼いでやろうと知恵を巡らせる。
この話をやるなら、枢木小学校は普段は文化祭をやらない設定。
ミリアの狂言誘拐を考えるがうまくいきすぎそうなのでやめておく。
誰かが「自主的に文化祭を開いてお金を取ればいい」と提案する。
ぼったくりキャバクラみたいな事を始めて、自分で稼ぐことを経験する。
結果としては成功して沖縄旅行に行けるのだが、旅行の話はDVDに収録。
【でんちくん】
ミリアとルルリが幼稚園の頃のエピソードだったが時系列が合わない。
二人は外遊びも電子ゲームも対等に出来ないが、一緒に「ミニチュア集め」をしている。
人形やシルバニアファミリー的なものを集めては見栄えのするようなに飾って、
それを写真に撮ったり、片付けないでほったらかして、どんどん広げていくだけ。
レゴブロックやプラレールにも手を出していると、三剣グループが知育玩具に進出し、
子供が好きそうなオモチャのサンプルが部屋にどんどん送られてくる。
飾られたおもちゃの集合体は街のように見えた。
そこに投入された新製品。胴体が電池、脚がキャタピラの、動く棒人間の玩具だ。
「ちんちーん」ミリアが訳も分からず胴体を手でグリグリと掴む。
「なんかやだ」ルルリが不純な想像をしていると、亀・・・頭のランプが赤く転倒した。
ラジコンになっていて、移動したり、光ったり、細い腕を振ったりすることが出来る。
カメラがついていて、写真や動画を撮ったり、主観視点で町歩きが出来る。
実際に街を歩いてみると、道路や信号機などを整備したくなってきた。
「うごかなくなった」電池切れだ。
でんちくんには自動運転モードがあり、電池残量が一定以下になると帰宅を試みる。
家には充電スタンドがあり、そこに収まるようになっている。掃除機と同じ理屈だ。
途中で力尽きたら、手で持っていってやらないといけないのも同じ。
この自動運転モードは充電以外の目的に対しても動かせる。
たとえば自動的に町を徘徊してカメラ撮影をするような動かし方も出来るのだ。
こうして町に「住民」が誕生した。住民は撮影した写真をSNSに投稿していった。
新製品の3Dプリンターを繋げると、住民は家具や衣服を作れるようになった。
やがて、自分自身の身体を作れるようになり、広告収入で電池代と電気代を稼ぎ始めた。
「これは私たちかしら」ある日二人が街を見ると、大きな棒人間が二体座っていた。
街の中央に鎮座するピンクと青の髪の像で、彼女らだけが自動では動かなかった。
【壊された街】
ミニチュア都市開発ごっこは一年以上続き、立派なまちになった。
夏の終わりにはルルリは海外に行ってしまう。
最後に、まちを一般開放して、同世代の子供たちに自由に遊んでもらおうと提案する。
前日に身内で細かく記念撮影。当日も前半は撮影タイム。
後半は子供たちが自由に触るよう開放。言わないけど、壊してもいいし持って帰ってもいい。
それでも怒ったり悲しんだりしないで、みんなに遊んでもらいましょう、というルルリ。
案の定、荒れ果てるまち。怒る親がいたりして、気まずそうに帰る子供たち。
「今日は楽しかった?」「ごめんなさい」「謝らなくてもいいのよ」
みんなが帰ったあと、ミリアも悲しそうにしている。
「だいぶこわれちゃったね」
「聞いて、ミリア。私は来月から遠くに行ってしまうわ」「わかってる」
「でもインターネットにさえ繋がっていれば、いつでもおしゃべりできるのよ」「うん」
「このまちがこうなる前のほうがよかったなら、その写真も全部ある。VRで再現だってできる」「うーん」
「だから寂しくないのよ。寂しがらなくていいの」「うん・・・」
「世界が壊れても、私たちはずっといっしょ」「ずっといっしょ」「だっこ」
【著作権ガイドライン】
ミリアシスターズを試し書きする前に決めた設定。
ふわふわには《固有名詞禁止法》というルールがある。
これはパロディネタをやる時にオリジナルの名前を口に出してはいけないという決まり。
たとえば「インテル」と言ってはいけない。
このとき、伏せ字を使ってもいけない。「イ●テル」と言ってはいけない。
特に伏せ字が移動するパターンは厳禁で、「イン●ル」と言ってはいけない。
語尾を切る表現も推奨されない。「インテr・・・」「わーわーわーやめなさい!」
イニシャルもあまり推奨されない。「I社」とか。
固有名詞でない言葉を使うことは許容される。「インサイド」とは言ってもいい。
「ノーソン」という便利なお店が登場するのは全く問題ない。
「ノーソン」が全国チェーン店になるのも問題ない。
ノーソンでポーションを売るのも問題無い。
ノーソンで唐揚げを売るのも問題無い。
でも、この商品を「からあげちゃん」と呼ぶのはだいぶきわどい。
ネットで検索しろ、と言うときに「ぐぐれ!」と言うのはギリギリセーフ。
でも、その言葉の由来を説明したり、「グーグル」と言うのはアウト。
日本で開発されたスマホ用音声アシスタントの名前が「明日」で、
「fuck ass!」と呼びかけると反応するとしても問題ない。
このルールに違反するとルルリが腹痛を起こす。
実際に外部から問い合わせがあると相手先の規模に応じて失禁する。
ルルリが失禁するとルリエは「漏洩した」と反応して取り繕おうとする。
エルハは自分のコートをさしだして漏洩した個人情報をすべて吸収したことがある。
最強の対策はOMTZを装備させることだが、常時装備は不名誉なのでしない。
アニメでついうっかり鼻歌を歌ったらJASRACから法外な請求が来た、
というネタも思いついたけど、とりあえず封印。
【ハイッテル】
ジェシカがまたどこかの企業を買収したらしく、ミリアに営業の任務を依頼。
具体的には商談中に発言を求められたら《なななのなの》と言って欲しい、とのこと。
「ルルリ、なななのなの!」「なななになに?」「なななのなの!」
「ハンド・・・なんとかなの!」「新製品なの!」「なななのなの!」
「化粧品か何かかしらね」「あめりかなの!」「こんぴゅーたーなの!」
「手を使う・・・モバイル・・・いやまてよ」
「ミリア! なななのなの?」「なななのなの!」「なななのなのね!」
企業を確認してきたルルリも交じって商談は大騒ぎになる。
「しかし歩止まりを安定させることが非常に難しい技術であり・・・」
「なななのなの!」「なななのなの!」「はいってるの?」「はいってるの!」
「いきなり巨額の取引をするわけには・・・」「なななのなの!」「なななのなの!」
「・・・本当に? 七ナノなの?」「なななのなの!」「なななのなの!!!」
三剣電機、7nm(ナノメートル)プロセスの半導体の量産に成功。
他社に後れを取っていた米大手企業から次期CPU製品の生産を受注した。完。
(現実にはとうとうインテルは7nmの自社生産を諦めて台湾TSMCに発注した)
ミリアが「なななのなの」って連呼したら可愛いかな、というだけのネタ。
【ミリア銀行券】
ミリアとルルリが幼稚園の頃のエピソードだったが7歳の話に変更した。
おままごとで千円札を作る。特殊な紙、偽造防止技術、意匠も非常に凝った作り。
「ミリア&ルルリ銀行券」で、額面は「千金」。発行枚数は10万枚。
早速これで買い物しようとすると、お店では使えないと断られる。
困っていたら、お婆ちゃんが千円札と1枚交換してくれるという。
でも、その一枚だけで、あとは使えない。
ミリアは「できたてのカワイイお札」を一枚千円で売ろうとする。
「お店では使えません!」
「三剣銀行に持っていっても千円札と交換できません!」
一枚百円なら買ってもいいという人が現れるが、ルルリが断る。
「最初に千円で買ってくれたお婆さんに申し訳が立たないわ」
それでも何時間か粘ってると、10枚くらいは売れていった。
「このお金で材料を買って、千円くらいの商品を作るのはどうかしら?」
「でもそれって、千円で買うから、お札いらないね・・・」「ぐぬぬ」
お婆ちゃんが古いお札を見せてくれる。
「これ・・・ミリアのママ?」
「ええ。主様がまだお嬢様だった時に配られたお札ですじゃ」
「わたし、ママとおんなじことしてたのね」
「それじゃあ、昔もお札が売れなくて困っていたのかしら」
「それは主様に聞いてごらんなさいな」ジェシカに聞く。
「ママはみんなにお札を配ったのよ。一人一万円分。枢里の三万人に」
「だってお金を貰うと嬉しいでしょ?」
「たしかに、嬉しいかも」
「でもお金としての価値が無かったから、価値をつけることにしたの」「価値をつける?」
「三剣銀行に持って行くと、千円札と交換出来るようにしたのよ」「円兌換紙幣」
「でも、お勧めは出来ないかな」「どうして?」
「せっかく作ったお札は、ほとんど銀行に持ち込まれてしまったのよ」
「そっか、一万円を配るのと変わらなくなっちゃったんだ」
「それでも2割は戻ってこなかったんだけどね」
「3億円用意して、少なくとも2億4千万円が失われてしまったのね」
「お年玉貰った、ってみんな喜んでたからいいけど・・・いい勉強代になったわ」
「赤字のお金はどうしたんですか?」
「大人になってから働いて取り返したから、きっともういいのよ」
二人は悩む。
「うーん」「お金は配りたい」「でも銀行には持って行って欲しくない」
「お店で使って欲しい・・・けど、そもそも三剣グループってカード決済よね」
「現金は外の人だけだね・・・」
「お札を持ってると価値が上がるってのはどう?」「価値が上がる?」
「今は千円だけど、持っていると二千円になったりするの」「どうして?」
「誰かが二千円で買いたくなるからかな・・・配当が貰えないとダメなのかな」「配当?」
「お札を持っているだけで、たまに30円貰えたりとか、ちょっといいことがあるのよ」「30円」
「でもこれだと、私たちは貰ったお金で利益を出し続けないといけないわ」
「お金を増やすから、価値が上がるのよ」「お金を増やす・・・」
資本主義の教材にしようかと思ったけど、株券にすると即座に暴騰しそうなのでボツに。
【枢里の食生活】
三剣家に入って最も意識しやすい生活の変化は、食生活だろう。
食事は完全に管理されている。
悪く言えば、毎日が病院食のよう。あるいは嫁が管理栄養士の家みたい。
身体に悪いものを食べる余地が与えられていない。
ミリアは食べ物に対して、美味しいとか不味いという感想を持つ習慣が無い。
「不快感なく摂取できる」ことを「美味しい」と呼ぶ、というような感じ。
だから「硬くて噛み千切れない」とか、「飲み込みづらい」とは言うけど、
「にがいから食べたくない」みたいなことは言わない。
ルルリは甘い物に目がないのだが、その感覚も最初はわかっていなかった。
苺のショートケーキは見た目がカワイイから食べたいのだと思っていた。
「みてみてミリア! 苺のケーキ! おいしそう!」「かわいそう!」
「可哀想?」「違った。可愛いそう?」「あー可愛いかも的な?」「うん」
「looks deliciousっぽく、looks cuteって言いたいんでしょ?」
「うん。わかんないけど」
「日本語だと、かわいらしく見える、としか言いようが無いわね」
「かわいらしくみえる!」「おいしそうよね!」
「・・・わたしたち、合ってる?」「あってるあってる」
「ルルリはカワイイね」「急にありがとう」
「でも、おいしそうっては言わないなー」「食べ物じゃないものね」
「ケーキは食べ物だから、おいしくて、かわいいの?」「そうよー!」
「おいしくて、かわいいの!」「たべたーい!」
こうしてミリアはじぃじにケーキバイキングをせがむことになるのであった。
あと、辛いものも食べることがなかったので、カレーの辛口が理解できない。
「ルルリはどうして辛いものを食べてるの?」
「辛いものを食べると幸せな気持ちになれるのよ」
「どうして??」
「熱さと勘違いして脳内麻薬が分泌されるからなんですって」
「それは・・・いいの?」
「とっても・・・イイわよ・・・まあでもお勧めはしないわね」
「おとなだ・・・ルルリたまにすごい大人の顔をする」
「ミリアは大人にどういうイメージを持っているのかしらね・・・」
じぃじに聞く。
「なんだか私が教育に悪い食べ物ばかりを教えてる気がしてきたけどいいのかしら」
「いいんですぞ、ルルリ様」
「病院は教育目的であっても患者に悪いものを食べさせる訳にはいきませんからな」
「患者自身が悪いものを食べて痛い目を見るしかないってことね」
「もちろん、お嬢様が実際に体調を崩されないよう、程度は弁えて戴きますがね」
「激辛カレーは私だけ戴くことにするわ」
毒味と言うほどではないが、ミリアと同じ食事を採る集団が決まっていて、
その集団の中には必ずミリアより先に口をつける者がいる。
あえてミリアと違う食事を採る集団も決まっていて、食中毒による全滅を避けている。
いずれにせよ食材の生産加工はすべて追跡されているし、グループ内に生産者がいる。
最も理想的な例では、枢里の畑から採れた食材だけで食事が成り立つように出来ている。
ミリアは当然にその説明を受けているがピンときていない。ルルリは感銘を受けている。