クラスメイトは枢里住民。
タケルはいいとして、新しいイオリがしっくりきてない。
タケル「あやめ市長になったら追放されるのかな」
ハヅキ「三剣追放計画ですよね」
ルルリ「まあ、鶴城市からは追い出されるみたいね」
タケル「やっつけらんないのか?」
ハヅキ「当選は確実と言われていますね」
ルルリ「勝手にやらせておけばいいのよ」
ミリア「追放されたらどうなるの?」
ルルリ「枢里の住所が鶴城市ではなくなるわ」
タケル「何になるんだ?」
ルルリ「たとえば枢里市みたいな名前になるわね」
タケル「そっちのほうがいいな!」
ルルリ「ふふふ」
ハヅキ「鶴城市のほうが三剣っぽい感じがする」
ルルリ「改名するらしいわよ。越前市とかなんとか」
タケル「越前町とか南越前町と合併するのかな」
ルルリ「それはしないって」
タケル「なんでわざわざ紛らわしい名前にするんだ」
ハヅキ「武生のほうがカッコイイよね」
ルルリ「まあそれは私達が言っても仕方ないことだわ」
タケル「こっちをカッコイイ名前にすればいいな!」
ハヅキ「今度こそ三剣市にするとか」
ミリア「わたしは人の名前は入れたくないかな」
タケル「枢もおばあちゃんの名前だしなあ」
タケル「里ってのも古臭いというか田舎臭いというか」
ルルリ「アリアポリスなんてどうかしらね」
タケル「ポリスはなんか嫌」
ルルリ「policeじゃなくてpolisよ」
ルルリ「都市国家のほうね」
タケル「普通にアリアシティとかでよくね?」
ハヅキ「規模感としてはアリアタウンくらいのような」
ミリア「わたしがおばあちゃんになったら古臭いよ」
タケル「アリアシティなら100年後でもいけるって」
ハヅキ「100年後の人の感性が想像できない」
ルルリ「ミリアはどんな名前がいいと思うの?」
ミリア「みんなのまち、みたいな感じの意味がいい」
タケル「かっこよくないじゃん」
ハヅキ「民主主義人民共和国ですかね」
ミリア「あ、そんな感じかも」
ハヅキ「まあ、みんなのまちでは無さそうですけど」
ルルリ「なんで共産主義独裁国とかにしないのかしら」
タケル「共産党とは名乗るのにな」
ミリア「名づけた人は民主主義にしたかったのかも?」
タケル「名前だけつけても中身が伴わないとダメだな」
ハヅキ「むしろ逆に悪目立ちしてしまうかも」
ミリア「でも自分の国が独裁国だったら悲しくない?」
タケル「そりゃ独裁者が嫌いだったら悲しいな」
ハヅキ「独裁者が支持されてれば問題ないですね」
ミリア「独裁制そのものが良くなかったりしない?」
タケル「優しい独裁者がいなかったんじゃね?」
ハヅキ「うちの独裁者は優しいからいいと思います」
ルルリ「可愛いは正義とも言うものね」
タケル「やっぱりアリアシティでいこうぜ」
ミリア「それは恥ずかしいから嫌」
ミリア「年中アリア祭りみたいになる」
タケル「あれ恥ずかしかったのか」
ミリア「今年はかぐや祭りにしよう」
タケル「ぐぬぬ」
ハヅキ「でも、それ以上いい名前も浮かばないですね」
タケル「三剣市はダメなの?」
ミリア「枢里は三剣グループから自立し始めたから」
ミリア「少しずつ三剣の名前を減らしていきたい」
ルルリ「株式会社三剣枢里も社名で困ってたわね」
ルルリ「大企業グループ所属の見栄は張りたい」
ルルリ「でも自立してるんだって事も示したい」
タケル「自立した住民の呼び名かー」
ハヅキ「でも枢里のアイデンティティって」
ハヅキ「結局、お嬢様に誓いを立てることだよね?」
タケル「なんでもお嬢様に誓うもんな」
ミリア「どうしてお嬢様に誓うんだろう?」
ハヅキ「身近で信用出来るからかな」
タケル「遠くの見えない神様よりは近くのお嬢様だな」
ミリア「お手軽な感じ?!」
ハヅキ「性格とかもだいたいわかってますもんね」
ハヅキ「住民が悪いことしたら凹んでそうだなーとか」
ミリア「それは凹むでしょ」
タケル「だから凹ませないように誓うんだよな」
ハヅキ「誓っておけばだいたい認められますもんね」
ミリア「ぜんぜんわかんない」
ルルリ「自分に誓うのはなんか変だものね」
タケル「お嬢はお嬢様に誓ったことが無いのか!」
ハヅキ「灯台下暗し」
タケル「じゃあ、誓いが必要な時にはどうするんだ?」
ルルリ「枢里の民に誓うんじゃないかしら」
タケル「なるほど、だから、みんなのまち、なんだな」
ハヅキ「みんなはひとりのために」
ハヅキ「ひとりはみんなのために」
ハヅキ「って、独裁制のことだったんですね・・・」
ミリア「みんなでみんなのために、じゃダメなの?」
タケル「いろんな人がいるからなあ」
ハヅキ「このステーキいくらした? って聞かれて」
ハヅキ「10億円、って答えられる人は少ないかと」
ミリア「1万4千円の7万倍だよ」
タケル「1万4千円で駄菓子買って配るのすら大変だ」
ミリア「20円の駄菓子は140万円だよ」
タケル「桁が違った」
ハヅキ「そうやってみんなのことを考えてくれるから」
ハヅキ「みんながお嬢様に委ねられるんです」
タケル「みんなからみたら、お嬢様のまち、だよな」
ミリア「みんなで好き勝手にお買い物したらどう?」
タケル「きっとステーキはお預けだな」
ハヅキ「貧富の差が生じるんじゃないですかね」
ミリア「それはわかる気がする」
ミリア「でも、うちもお金無くなるって言うし」
ミリア「三剣家以外の人がやってもいいんじゃない?」
ハヅキ「お嬢様が築き上げてきた実績と信用は深い」
タケル「知らない金持ちよりも金の無いお嬢がいいな」
タケル「貧しくても納得感がある」
ハヅキ「お嬢様のために働くまちがいいですね」
ミリア「お嬢様都市」
タケル「まさしく」
ハヅキ「そうですね」
ミリア「お嬢様都市にしよう、新しい市の名前」