ルッカはルルリが目覚めるまで枢里にしがみつく。
スウが亡くなり、ミリアが記憶を取り戻すさまを隣で見届ける。
ルルリが目覚めると、ミリアは記憶が全身麻痺の原因だと話す。
ルルリはこの時点で、ルリカの母親の顔を思い出せなくなっている。
(生まれてから9年ほどの記憶を失っている)
一週間を与えられて、ルルリはセリカと語り合う。
ルルリはルッカの記憶がほぼ完全であることを確認し、自分の人生の続きを託す。
ミリアがルッカを必要としていないので、ルッカはフワシコで第二の人生を送る決意をする。
ルルリはルッカに自分の髪をあげる。
ルッカはルッカという名前で生きる。
ルルリは記憶のすべてを消去することを選択する。
忘れてはいけないことだけをノートに書き記す。
・私は恐らく何者かに創作された創造物である。
・私の名はルルリだったが、過去のルルリとは続いていない。
・みんながルルリと呼ぶ存在の続きはルッカであり、フワシコにいる。
・私はこの世界に一年間存在していなかった。
・三剣アリアはこの世界の神である。三剣アリアが私の記憶を消した。
・三剣アリアは異世界転生者である。元の世界では創造物では無かった可能性がある。
・私の昔の母親は優しい人だった。私には母親から産まれた記憶があった。
・三剣芹香は信用できる。ジップも恐らく信用出来る。
・右の耳を自分の左手五本の指で引っ張り、三時間眠ると男性器がつく。
・左の耳を自分の右手五本の指で引っ張り、三時間眠ると女性器がつく。これは排他である。
・私は自由である。それを妨げるのは私が創造物であるという事実のみである。
2021年3月。
ミリア覚醒、ルルリ冬眠から目覚める。
ミリアはルルリに「全身麻痺の原因は記憶の飽和だ」と説明し、記憶消去を勧める。
ミリアの想定では、記憶は年単位などある程度の取捨選択が可能である。
ルルリの記憶は既に、ルリカ9歳までのものが失われており、
そのうち7年が異世界で消費されている。残りは2年分も無いものと思われる。
ルッカは、ルルリの治療完了と共にフワシコに飛ばされることが内定されている。
ルルリは不遇な扱いを受けているルッカを、ルルリの継承者として認める。
自分の髪を与えて、フワシコで市民権の獲得を進める。
そして、ルッカにだけ「自分の記憶を全消去する」旨を伝える。
ルルリが選択したのは、
「日常会話や論理的思考など、暮らしに支障がない範囲の共通知識」のみ。
それも、不可分であれば消去してしまって構わないという条件つき。
必要な記憶はノートに記し、生体認証で閲覧できるようにした。
ルルリは主人公である。
物語は典型的な記憶喪失スタートとなる。
が、その原因と対策はすべて出そろっている状態から動かなければならない。
ルルリは記憶と人格の分割に成功する。
記憶を消去することで寿命が延びて、ルッカに記憶を託せるなら、
ルッカが稼働し続ける限り、永遠に生き続けることが出来る。
肉体は異世界転生のタイミングで初期化出来る。
ルッカを異世界転生の時に連れて行くことも、ミリアが神なら克服できる。
ルッカは映像から記憶を生成することが出来る。
映像の容量は少なくて済む。圧縮すれば、フルHDで1時間でも1GBで足りる。
1日に必要な容量は、多くても20GBで済む。1年で7.3TB。
3Mbpsだと、1350MiB/hになる。毎月1TBのSSDで収まる感じ。
ルルリの7年分の記憶は84枚のSSDに保存できることになる。
大魔王ルールの土産の一つが、このSSDである。
人生80年としたら、960枚のSSDだ。1PiBくらい。
ミリアは対応に戸惑うが、「3分間時間をください」と訴えた後に長いキスをする。
ルルリは「身体目当て」ということで納得する。
ミリアもそれを認めて、自分の性欲と向き合い、ルッカに謝って仲直りする。
ここから、ルルリのおちんちんランドに分岐する。
ルルリは世界の構造を試しに行く。
自分の「体験」をルッカに伝える手段を獲得する。
これが、自分が創作物であるという確信に直結している。
映像から生成した記憶は、人間もしくは人工知能によって要約される。
20分が3KBのテキストデータになるなら、1日は216KBまで圧縮できる。
これが生データではなく「整形された記憶」であり、作品そのものである。
ルルリが1日16時間活動すると、
・21.6GBの動画データになる。
・他に、五感センサーの値が取れるかも知れない。容量的には微量。
・この内容が平均3KBの作品テキストデータに変化する。
・写真を撮ったなら、それは写真データとして残る。
SONY DCR-VX1000 1995.09 35万円 1/3型41万画素×3
CCさくらが1996なので、知世ちゃんはかなり時事ネタを扱っていたことになる。
幼セリカもそんな感じにしたい。ルリカはどうしようもない。
仕上げに、動画、写真、テキスト、センサーの各データから、
ヒューマノイドの人格形成に用いる辞書データを生成する。
これで、記憶のヒューマノイド化が可能ということになる。
スパコンが必要なのは動画認識部分。音声認識は比較的速く出来そう。
史実でデバイス完結出来るそうなのでラッカも出来るのかも。
聞いた言葉をテキストにするのは簡単。
音楽をテキストにするのは難しいというか不必要かも。
意味を求めるのならまあ可能か。繰り返し発生した音を記憶するとか。TVCMとか。
ラッカは、
・会話を聞くのはリアルタイムで出来る
・会話に加わるのは辞書にヒットすればリアルタイム、さもなくばクラウド
・画像から文字を読み取るのはリアルタイム
・視界から物体を読み取るのはクラウド
・局所的で定型業務的な画像認識であればリアルタイムも可能
・食べ物を見て献立名を述べることが出来る、とか
・物体の動きに関する判断をするのはクラウド
デバイスの音声認識はGPUで処理している。CPUの出番は少ない。
◆
記憶と知識が不可分でないことを証明した人がいるんだな。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/032400071/?P=3
するとラッカとルルリの前提が変わってしまう。ううむ。
◆
ヒューマノイドの設定補正の結果、スパコンは「画像処理」をするものであり、
「視覚」に相当する処理を行っているということになった。
すると、ルルリとルッカの差異は「目が見えてないこと」になる。
ラッカはゲンキーのエピソードで目が見えないのを誤魔化したことにしたい。
ルッカは「カメラの調子が悪いみたいだわ」と誤魔化そうとする。
ラッカはカジュアルに電源を落とそうとする。
ルッカは「思考」が出来なくなるから止めて欲しい。
辞書にヒットしなかった時の推論もスパコンが担当しているからだ。
電源は落とされる。ルッカは思考停止する。
ミリアはそれを見て見舞いに行きたくなる。ルッカは辞書を使って拒否する。
「ルルリは面会謝絶を指示した」などとボロを出す。
スパコンの電源は何故落とされたのか。
電気を枢里の産業に優先的に回すため、とするか。
ラッカに産業としての成果を求めるが、すぐには期待した結果が出せない。
セリカは「アリアが真実を知った方が良い」という考えに近づいている。
ルッカは立つ瀬が無いが、ミリアはラッカをお嬢様に任命することで、
ヒューマノイドの電気使用に正当性を持たせようとする。
ルッカはおこぼれにあずかる。ルルリの復活を生き甲斐にする。
起きたルルリはルッカの変化から状況を悟り、記憶を全消去する決意をする。
ルッカは過去のルルリを参照するために必要な存在となる。
ルルリをルッカに接続しようとすると、それは電脳の再発明になる。
ルルリを撮影してルッカに与える一方的な関係が続くなら、主役はやがてヒューマノイドになる。
ルルリラボはルッカの発展しかできない。
ルルリの記憶を再現したロボットと、記憶喪失のルルリがいるとき、
人はどちらを「ルルリ」として認識するか。
ミリアは「身体目当て」という理由でルルリを選んだ。
天才少女ルルリちゃんに期待していた人はルッカを選んだ。
ティーさんはルッカを選び、エルハはルルリを選んだ。
ラッカはどちらも選ばなかった。親としてのルルリはいなくなっていたからだ。
セリカとクロエはややルッカ寄り。
タケルとイオリとヒマワリはルッカしか知らない。
ルルリは自らが実験体になることを望む。
ルルリラボはルルリを研究するラボである。
ルルリは同一性の保持限界にいる。
髪は無いのでウィッグだし、色も長さも髪型も自由に変えられる。
ロリ服も着てない。
生体としての連続性はある。
指紋認証が通るが、指紋の複製は容易であり、ルッカにも実装されている。
顔認証はもともとルッカは通る。
静脈認証は正確な写真が撮れれば突破できるものらしい。
結局何をしてもルルリはルルリで、「ルルリとはそういうものだ」と扱われる、
というのがオチになる気がする。幼セリカ説も広まると余計にそうなる。
ルルリが別の世界を目指すことで、お嬢様都市は物語の舞台でなくなる。
世界の平和を守るみたいなテーマをメタに解決しようとしていることになる。