ふわふわ2023 あとがき 2023-10-07 ■ 再生速度について YouTubeの総再生時間は、 「速度を上げて視聴しても元動画の時間分見たことにする」 という仕組みなので、倍速再生して貰った方が有利になるため、 自前でわざわざ1.33倍速を用意することはやめた。 遅いな、と思ったら各自で変えてください。 以下は、作品鑑賞後に読んでください。 ■ 作品解説 ふわふわシリーズは、おおまかに3つに分かれている。 ・「悪役令嬢が何やっても死にまくるので過去に戻って救うゲーム」だった2019以前 ・「ぼくがかんがえたさいきょうのまち」を描いた2020と2021 ・「世界生成装置を使って滅んだ人間の歴史を変える話」の2022と2023 ふわふわ2023においては、3世代にわたる主人公が登場する。 ・ミリア ふわふわ2020,2021の主人公 ・ヨリア ふわふわ2022の主人公に似た存在 ・イリア ふわふわ2023の主人公 死にまくる悪役令嬢ヤリア(八剣アリア)は出てこないが、 3人だけでも話としては相当ややこしいと思う。 ふわふわ2020で小学校生活を過ごしたルルリは、2021で身体が動かなくなる。 真相を知ったミリアはルルリと共に「装置の外の世界」に戻るが、 かわりに「世界生成装置」を研究するためにヨリアたちが突入することを知り、 ティーさんとエルハに「新人がやってきたときの予行練習」としての演技をする。 この演技を描いたものが、ふわふわ2022と作品解説ということになる。 しばらく後でやってきた本物のヨリアは、ふわふわ2022には登場していないことになる。 しかし、雑に「2021がミリア、2022がヨリア、2023がイリア」と理解できるようになっている。 三剣じゃなくなったことで、三剣グループが、 史実における「頭に三のつく財閥」をイメージしづらくなったことは仕方ない。 剣の数は「誰が生成した世界に居るのか」を示すガイドである。 これとは別に、アリアの名前は、「何世代目の来訪者なのか」を示す。 よって、ふわふわ2023では「四剣世界にイリアがいる」ことがわかるし、 次回作で何剣の何リアさんが出てくるかで、物語の立ち位置はわかるはずである。 ふわふわ2023は「一見2022のリメイクに見えるけど実は違う話」を意識して書いた。 同じ話を繰り返すことは、技術の進歩を比較しやすくて良いと思っている。 でも、2024では別の話にしたい。 ■ 技術解説 ふわふわ2022の作品解説で、 ・次の作品では音声が乗る ・アリアのキスシーンを入れる という予告をした。 音声については当時想定してたものよりも非常に高品質になった。 セリフの文字数を増やした方が字幕の体験が良くなるので、 イリアは歴代アリアよりも賢く、長文を喋るキャラになったが、 声が良いので美少女らしさが現れており、とてもいい案配になった。 逆にルルリの説明口調が不自然に感じたので、声にハスキーさを足して色気を出した。 エルハさんの声がエロいのも、いい味を出していると思う。ラッカはロボみがある。 時間をかければアクセントとイントネーションとピッチを補正できる仕組みもあるが、 現在の質よりも劣化した状態から手動で指定するためコスパが悪く、今回は諦めた。 現在の技術では、手動で指定しても、笑い声が表現できない。 作中に「えへへへへ」を発声した場所が一か所だけあるので探してみて欲しい。 10月版をさっさと出してしまったのは、 りんなが「自然な会話」の研究成果を発表したからだ。 これは人間臭い会話をするし、自然な笑い声も出せる。 紙芝居の朗読やナレーション風ではなく、対談のような表現が出来る。 これを使って、延々と女の子が喋ってるだけのお話とかを書きたい。 もうひとつの大きな特徴として、作品が動画になった。 しかも動画のもとはゲームエンジンではなく、OBS用のソースになっている。 動画自体もOBSの録画機能を用いて作成している。 よって、作品をYouTube Liveでリアルタイム配信することが出来るし、 実はコメントに文章生成AIで返答する仕組みも実装済みだったりする。 つまり、ふわふわ2021でとん挫した、「収録とライブを装った作品」の構成が取れるのだ。 YouTubeの凄いところは知名度だけじゃなく、 GB単位の動画を数百本も保管して配信してくれるところにある。 個人が同じだけのサーバ資源を用意しようとすると、 ストレージは安くなってきたからいいとしても、通信コストは馬鹿にならないだろう。 というわけで、便利なアーカイブ機能を利用するだけでも利用価値があると判断した。 残念ながら、利用規約で性的満足を目的としたキスが明示的に禁止されているため、 そんなん誰でもやってるやん、という思いを押し殺して、キスシーンは描かないことにした。 アリアはカジュアルにキスで愛情表現するのが伝統だったが、今回は直接のキスはしていない。 それでも、アリアとルルリがゆるぎないパートナーであるという原則には妥協していない。 動画にしたことで、音声を聴かせるのが前提という構成にすることは出来た。 副次効果として、マウスのクリック連打という面倒な労働から解放できたのだが、 代償として、「自分のペースでどんどん速読していく」遊び方が出来なくなってしまった。 需要があれば台本を公開することは出来るが、今は網羅性より体験共有に重きを置く。 最後に、わかる人にだけはわかるマニアックな努力であるが、今回は画面が横固定になった。 2020では縦横選択式、2022ではモバイルファーストの縦固定、 そして2023では「YouTube Liveになった時の想定」としての横固定であるのだが、 横長の絵を「背景+立ち絵のレイヤー構造」以外で表現することにはコストがかかるのだ。 他では味わえない世界生成装置の美麗な絵を楽しんで欲しいし、 指の数を数えてあげつらうようなことをしてもコストが跳ね上がるだけなので気にしないで欲しい。 今回は人間が目視した絵のまま採用するようにしたので、土壇場で絵が狂うことは無くなった。 ■ 個人的な研究に関するつぶやき いわゆる反AIはイラストに対してのみ比較的多く発生しており、 たとえばChatGPTを公に否定すると、どちらかというと老害とみなされる風潮だと思う。 これは大企業発の製品がプロパガンダによって守られていることの実証でもあるかも知れない。 SDXLの登場により、NAIリーク問題に一定の終止符が打たれたと思う。 同時に、裸の姿を学習させることが、 深層学習が苦手とする論理性であるところの「解剖学的正しさ」にとって重要なことも実感した。 NSFWを禁止すると、SFWの人体も崩れがちになるのだ。 この問題は、ヌードをアートとして学習させる大義があれば、計算によって挽回できる。 「一枚の絵に特徴の違う四人を登場させる」ような芸当でなければ、今は指の数もほぼ正確に出せるはずである。 今はアニメが流行だけど、パラパラ漫画の域を出ておらず、所要時間の割に再生時間が長くない。 カットインのような使い方で作品の質を上げることは出来るかもしれないが、 個人が30分のアニメ制作を実現出来るようになるまでは、もっと技術的な進化が必要そうに見える。 2024年末には実現できるようになってれば面白い。自動作曲も出来ればOP/EDも作れる。