; ふわふわ ; Copyright alria.net 2020 All Rights Reserved. ; 【タイトル・05章 こども選挙 姉妹共同戦線】 ; ; 2020-08-31 ; 2020-09-01 こども選挙 ; 2020-09-02 第4話から移動 ; 2020-09-13 天才ランキング ; 2020-09-17 メモを移動 コハク補正 市長引退 ; 2020-10-02 ふよふよ大通形式に対応 ; 2020-10-07 ラクリモサを第10話から移動 ; 2020-10-26 表情、タイトル、音楽対応 ; 2020-11-05 本編再編と1項対応 【開始・こども選挙】 【背景・枢木小学校・教室】 【音楽・小学五年生】 【立ち絵・イオリ楽左】 【立ち絵・タケル右】 【項見出し】 ルルリ疑「このチラシは何かしら?」 ミリア疑「どんなチラシ?」 「一日市長をやりませんか?」 イオリ「こども選挙ですね」 イオリ「毎年6月ごろにやるんですよ」 ミリア疑「こども選挙とは」 イオリ「選挙って大人だけじゃないですか」 タケル「それなー」 タケル疑「不公平だよな」 イオリ楽「こども選挙は、選挙権が逆転するんです」 イオリ「選挙権は18歳未満だけ」 イオリ「被選挙権は25歳未満だけ」 イオリ楽「子供が立候補して、子供が投票するんです」 タケル笑「うまいこと考えたな!」 ミリア喜「おもしろそう」 イオリ「当選者は一人だけ。一日市長になれます」 タケル「市長体験みたいな感じか?」 イオリ「いいえ」 イオリ「選挙は、公約を一つ掲げて戦うんですけど」 イオリ喜「当選者の公約は、本当に実現されるんです」 ルルリ驚「凄いわね」 イオリ楽「投票の仕組みも本物と同じなんですよ」 ルルリ哀「今まで知らなかったのが悔やまれるわ」 タケル笑「お、やる気か?」 ルルリ楽「私は消費税を0%にしましょう」 ルルリ楽「そして市民全員に10万円を配る」 ルルリ笑「これで当選は間違いなしね」 イオリ「公約は一つだけですよ」 タケル「一日だけ消費税無くなってもなあ」 ルルリ楽「じゃあ市民全員に20万円を配るわ」 イオリ「いいと思いますけど・・・」 タケル楽「じゃあアタシは30万円配る」 ミリア笑「わたし50万」 タケル楽「ええい、じゃあ100万だ!」 タケル笑「もってけドロボー!」 ルルリ疑「これって本当に配られるのかしら?」 イオリ「実現出来ない公約では立候補を止められます」 タケル疑「いくらならいいんだよ」 イオリ「お金持ちから税金を取ればいいのでは」 「金持ちから税金を取って100万円を配る」 ルルリ「これね。当選確実だわ」 タケル疑「誰が出る?」 ミリア疑「なんでわたしを見るの?」 【つづく】 【開始・かわいそうな人】 【背景・枢木小学校・教室】 【立ち絵・イオリ疑左】 【立ち絵・タケル疑右】 【音楽・小学五年生】 【項見出し】 イオリ哀「三剣家なら、市長にならなくても配れますね」 ルルリ哀「この公約はボツにしましょう」 タケル哀「シャレになんなかったな」 ミリア疑「配ったらみんな幸せになる?」 イオリ疑「独り占めして使わないよりはいいのでは」 ルルリ疑「私はむしろ不幸になると思うわ」 ルルリ「自立した稼ぎ方では無いから」 タケル「みんなは幸せになるけど」 タケル疑「お嬢の家は不幸になるのかなー」 ルルリ「ジェシカママが悲しむでしょうね」 ミリア疑「じゃあ、かわいそうな人だけなら?」 タケル「それならいいかも知れないけど」 イオリ「可哀想な人は沢山いると思いますよ」 ルルリ無「海外の乞食には、お金を恵んでもらうために」 ルルリ哀「わざと腕や足を切断しちゃう人がいるらしい」 タケル哀「ひどい話だな」 ルルリ「そこまでいかなくても」 ルルリ楽「収入が無ければ可哀想なら、働かないわね」 ミリア疑「むむむ」 タケル「本当に可哀想な人だけに」 タケル「お金を配ることって出来ないのかな」 ミリア喜「それがやりたい」 ルルリ「そこが一番難しいのよね、きっと」 イオリ「可哀想な人にも色々いるでしょうから」 ルルリ疑「お金が無くて才能を活かせない人はどう?」 ルルリ「私が三剣家に助けてもらったみたいに」 ルルリ楽「たとえば、天才への移住支援かしらね」 イオリ「天才って時点で、可哀想とは違うような」 ルルリ「チサトもあれで苦労してるのよ、たぶん」 イオリ「緊急で深刻な人から救いたいですよね」 ルルリ「ホームレスにも寝床はあるし」 ルルリ「飢え死にする人は生活保護を受けてないのよ」 イオリ「だから全員一律で配るしかないんですよね」 ルルリ「でも無限に配り続けるのは無理よ」 イオリ「お金が余った人が必ず配ればいいのでは」 ルルリ「共産主義がお好みならそれもいいかもね」 タケル「アタシは資本主義のほうがいいな」 タケル楽「いつか金持ちになりたい」 ミリア疑「むずかしいなあ」 【つづく】 【開始・立候補】 【背景・枢木小学校・教室】 【音楽・小学五年生】 【項見出し】 ルルリ疑「まあ真面目に考えるなら」 ルルリ「市民全員のためになる公約でしょうけど」 ルルリ眠「パッとは思いつかないわね」 タケル「アタシも大した公約は思いつかないなー」 タケル笑「他人の金で焼肉が食いたいとか」 イオリ疑「それは公約なのか?」 ミリア喜「バーベキューする?」 タケル喜「いいねー、そろそろ夏だし!」 【立ち絵・ミリア楽】 ミリア「わたし、立候補したい」 タケル疑「え、バーベキューで?」 ミリア「バーベキューじゃなくてもいいけど・・・」 ルルリ疑「イオリは?」 イオリ「アリアさんが立候補するなら」 イオリ「私は応援に回ります」 ミリア楽「ありがとう」 タケル疑「金持ちのお金を配らなくていいのか?」 イオリ楽「アリアさんは友達ですから」 イオリ穏「それに、南部の人が言う三剣とは違います」 タケル笑「むしろ、止めないと配り始めそうだもんな」 ミリア無「ちゃんと考えようと思ってるよ」 ルルリ穏「偉いわね」 ルルリ「じゃあ私たちは、ミリア候補を擁立するのね」 イオリ楽「はい!」 タケル楽「よーし、やるぞー!」 タケル疑「で、公約は何なんだ?」 ミリア「あのね・・・」 『ひそひそひそひそ』 タケル驚「そんだけ??」 イオリ楽「容易に実現可能ではありますね」 ルルリ哀「そうかしら・・・私にはとても難しいわ」 ミリア疑「だめかな?」 ルルリ楽「ダメではないわ」 ルルリ穏「すごくいいと思う」 イオリ楽「アリアさんらしいですね」 タケル喜「アタシも賛成!」 ミリア喜「うん、頑張る!」 【つづく】 【開始・コハク登場】 【背景・枢木小学校・教室】 【立ち絵・イオリ楽左】 【立ち絵・ミリア穏右】 【音楽・小学五年生】 【項見出し】 イオリ「立候補の手続きは出来ました」 イオリ楽「公約も問題なしでした」 タケル疑「次は何すればいいんだ?」 イオリ「ポスターを作って掲示板に貼るのと」 イオリ「あとは街頭演説ですね」 ルルリ「ポスターは発注でいいかしらね」 イオリ「大人の人に手伝って貰うのは禁止です」 イオリ眠「印刷費は出ますけど、選挙カーはありません」 タケル「子供は車の免許取れないしな」 イオリ「あとは所信表明の動画配信と」 イオリ「選挙公報の記事づくり」 ルルリ眠「結構やる事が多いわね・・・」 イオリ「動画は、スマホで撮ったものを」 イオリ「アップロードすれば公開してくれます」 ミリア「わたし演説する」 ルルリ「まずは演説が聞きたいわね」 ルルリ「それを素材にして必要な物を作る」 ルルリ楽「ポスターと選挙公報は作っておくわ」 イオリ楽「動画は撮って提出しておきます」 タケル楽「アタシは貼る係だな」 タケル「どこで演説する?」 ルルリ「スタジオでリハーサルして」 ルルリ「本番は校門がいいんじゃないかしら」 イオリ「選挙運動は7日間です」 イオリ「小中学生を狙うなら月曜からですね」 【背景・枢木小学校・校門】 【立ち絵・全消し】 『月曜日 校門』 イオリ「もう演説してる人がいますね」 タケル疑「みんな考えることは一緒か」 ルルリ驚「あ、あれは・・・」 【立ち絵・コハク無右】 【音楽・コハクたん】 「私の最終的な目標は、三剣財閥の追放です!」 「南部の市民に土地と財産を配ります!」 【立ち絵・ルルリ眠左】 ルルリ眠「何を言ってるの、コハク!」 コハク驚「あっ、お姉ちゃん!」 「見てください! あの女は裏切り者です!」 「財閥に洗脳されて家を出ていった」 「もと天導ルルリです!」 ルルリ眠「やめなさい」 コハク「三剣と縁を切って帰ってくるならやめたげる」 ルルリ疑「まだあの人はそんな事を言ってるの?」 コハク疑「どの人?」 コハク「三剣と仲良くしないのは、みんなの常識だよ」 ルルリ「もっと広い世界に目を向けたほうがいいわよ」 コハク眠「それはそっくりお返しするよ」 コハク「三剣は地方になんか住まないで」 コハク「別の国に行っちゃえばいいんだ」 ルルリ眠「そこまで追放したがる意味がわからないわね」 コハク「私は三剣に奪われたものをみんなに返したい」 ルルリ疑「三剣家は土地と財産を奪ったの?」 コハク「絵本に書いてあるでしょ。誰でも知ってるよ」 ルルリ疑「それは作り話じゃないかしら」 コハク「絵本だけじゃなくて」 コハク「小説にもテレビにもなってるよ」 コハク「お姉ちゃんだって演劇に出て」 コハク笑「オーホホホってやってたじゃん」 ルルリ哀「見てたのね・・・」 【つづく】 【開始・イオリ乱入】 【背景・枢木小学校・校門】 【立ち絵・イオリ王疑左】 【立ち絵・コハク驚右】 【音楽・コハクたん】 【項見出し】 「そこまでだ! ルルリの妹!」 コハク驚「な、何なの?」 「枢里の民を苦しめるその所業、僕が許さないぞ!」 タケル喜「王子!」 コハク眠「何よ、お姉ちゃんの彼氏?」 イオリ王疑「僕はただの鶴城市民だ!」 イオリ王疑「三剣アリアさんの応援演説に来た!」 コハク疑「あなたも南部の人でしょ?」 コハク疑「どうして三剣の味方をするの?」 イオリ王笑「それは、アリアさんがイイヤツだからだ!」 ミリア穏「えへへ」 コハク「あ、あなたが三剣財閥の悪役令嬢なのね!」 ミリア無「わたし女王様です」 ミリア楽「悪役じゃないよ」 コハク「じゃあ、お金ちょうだい」 ミリア疑「いくら?」 コハク喜「5000兆円」 ミリア疑「何に使うの?」 コハク楽「みんなに配る」 イオリ王「君は5000兆円って言うけど」 イオリ王疑「どれくらいの金額かわかるのかい?」 コハク眠「知らない」 コハク「でも、金持ちなら」 コハク「いくらでもお金持ってるんでしょ」 タケル照「あー、そんなこと無いと思うぞ」 コハク「じゃあ、全財産でいいよ」 コハク眠「三剣の全財産をみんなに配れば」 コハク「みんなが豊かになるんじゃん」 ルルリ「そうすれば、天導家は」 ルルリ「鶴城市でトップクラスの金持ちになるわね」 ルルリ笑「金持ちが悪なら、天導家こそ悪になる」 コハク無「うちは何も悪いことをしてないじゃん」 ルルリ疑「三剣家から土地と財産を奪うでしょ?」 コハク眠「それは三剣が悪いやつだからじゃん」 ルルリ「家を追い出された枢里の人たちが」 ルルリ楽「天導家に土地と財産を奪われた、って」 ルルリ「絵本や小説やテレビ番組を作ったり」 ルルリ喜「演劇しちゃうかも知れないわね」 コハク哀「そんなの・・・」 【つづく】 【開始・ミリアの演説】 【背景・枢木小学校・校門】 【立ち絵・ミリア穏】 【音楽・ピュアッピュア】 【項見出し】 ミリア楽「わたしも演説していいかな?」 コハク無「どうぞ・・・」 「枢木小学校、枢木中学校のみなさん、こんにちは」 「このたび、こども選挙に立候補しました」 「三剣アリアと申します」 「よろしくお願いします」 「わたしの公約は」 「みんなで一緒にご飯を食べる、です」 「鶴城市には、いろんな理由で」 「離れ離れになってしまっている人がいます」 「親と時間が合わなくて、一人でご飯を食べてる人」 「友達の輪に入れず、トイレでお弁当を食べてる人」 「喧嘩をしてしまって、うまく仲直りが出来ない人」 「お話してみたいのに、なかなか言い出せない人」 「そういう人に、きっかけを作りたいと思いました」 「わたしが市長になったら」 「一緒にご飯を食べる日をつくりたいです」 「一緒にいただきますをして、楽しくご飯を食べて」 「ごちそうさまをしたいです」 「天導こはくさんや、ルルリのお父さんやお母さん」 「一緒にご飯を食べられればいいなと思います」 「鶴城市のみんなで一斉にいただきますを言えたら」 「そう思うと、わくわくします」 「それができるように」 「出来る限りのことをやっていきたいと思います」 「みなさん、どうぞよろしくお願いいたします」 【つづく】 【開始・上級生としての心構え】 【背景・枢木小学校・教室】 【立ち絵・イオリ王楽左】 【立ち絵・タケル喜右】 【音楽・小学五年生】 【項見出し】 タケル喜「みんなお疲れー!」 ミリア喜「おつかれさまー」 ルルリ哀「ごめんね、ミリア」 ミリア楽「どうしたの?」 ルルリ「うちの妹が」 タケル楽「一瞬ビビったよなー」 イオリ王楽「僕も絡んじゃった」 タケル「王子は彼氏って言われてたな」 ルルリ楽「ずっと王子でいたほうが面白いわよ」 ミリア穏「枢里のみんなを心配してくれてありがとう」 タケル「王子は友達想いだな」 イオリ王「でも、少し前までの私は」 イオリ王「妹さんと同じことを考えていたと思う」 タケル照「それ思った」 ルルリ「公約も私達で考えたやつに近かったものね」 イオリ王「貰う側の都合だけだと、ああなりますよね」 タケル疑「でも三剣を名指しにするのは違うだろー」 ルルリ「そうね。天導家もお金持ちだし」 イオリ疑「トップクラスって、本当なんですか?」 ルルリ「少なくとも私の借金より大きい金額の札束を」 ルルリ眠「交渉のために持ち歩けるくらいはあるわね」 タケル「億以上ってことか」 ルルリ無「私、買い戻されそうになった事があるのよ」 イオリ王哀「三剣家と天導家の闇は深そうですね」 ルルリ「嫌われてる気はしてたけど」 ルルリ眠「あんな風になってるとは思わなかったわ」 ミリア「きっとお姉ちゃんがいなくて寂しいんだよ」 ルルリ「昔はベッタリだったのに」 ルルリ笑「私に似て寂しがりなのかしらね」 ミリア「最近一緒にご飯を食べたのはいつ?」 ルルリ眠「5年以上前かしらね・・・」 タケル「3年生の5年前って、保育園じゃん」 ルルリ「ちゃんと会話したの、今日が初めてよ」 ミリア無「それはよくない」 【つづく】 【開始・姉妹ごはん】 【背景・ファミレス】 【立ち絵・コハク左】 【立ち絵・ルルリ右】 【音楽・コハクたん】 【項見出し】 ルルリ疑「ここで良かったの?」 ルルリ「もっと高いお店でも良かったのよ」 コハク「ここがいい」 コハク楽「昔一緒に来たことがあるから」 ルルリ無「そう・・・」 ルルリ「その、お母さんは元気?」 コハク「気になるなら帰ってくればいいじゃん」 ルルリ「私、怖いのよ、ママが」 コハク疑「どうして?」 ルルリ「すぐ怒るし」 ルルリ無「友達出来たのに怒るし」 ルルリ哀「話し合ってても怒るし・・・」 コハク「それはお姉ちゃんが家出するからじゃん」 ルルリ「順番が逆よ」 ルルリ「友達と遊ぶなっていうから家を出たのよ」 コハク疑「友達ってピンクのふわふわミツルギだよね?」 ルルリ穏「そうよ。言っておくけど大好きなのよ」 コハク「そんなの、ロミオとジュリエットじゃん」 ルルリ驚「縁起でもない!」 ルルリ楽「さすがに服毒自殺はしないわよ」 コハク疑「そんな話だっけ?」 コハク眠「あなたはどうしてロミオなの」 コハク「のところしか覚えてない」 ルルリ眠「名前に意味は無い、という意味なら」 ルルリ「その引用も間違いではないわね」 コハク疑「財産目当てで近づいた訳じゃないんだ?」 ルルリ疑「私がそんなことするように見える?」 コハク笑「オーホホホホ」 ルルリ照「だからそれは演技だってば」 コハク「お姉ちゃんのほうが三剣っぽいと思うよ」 コハク眠「あの子は・・・なんか嫌」 コハク「見てると凄いムカムカしてイライラする」 ルルリ眠「ミリアは全然悪い子じゃないんだけどなあ」 コハク「だからだよ」 コハク「あの子の隣で演説すると」 コハク照「こっちが悪者みたいになるじゃん」 ルルリ「メガホンで他所のおうちの悪口を言うのは」 ルルリ眠「間違いなく悪者のすることでしょ」 【つづく】 【開始・安い食事と高い地位】 【背景・ファミレス】 【立ち絵・コハク左】 【立ち絵・ルルリ右】 【音楽・コハクたん】 【項見出し】 ルルリ「料理が来たわ。まずは食べましょう」 コハク「昔も食べてたよね、エスカルゴ」 ルルリ楽「これが一番美味しいと思う」 ルルリ「まあ、ここは美味しい物が多いわよね」 コハク疑「普段もっと凄いの食べてるんじゃないの?」 ルルリ「食べてるけど、ここは美味しいほうよ」 ルルリ穏「値段もとんでもなく安いのね」 ルルリ「一万円で絶対足りるって言われたのも納得」 コハク無「庶民はこれが普通なんですー」 ルルリ「だとしたら庶民は十分幸せよ」 コハク眠「上級国民に言われても嬉しくない」 ルルリ「だから御馳走してあげるってば」 コハク疑「お姉ちゃんのは、三剣のお金でしょ?」 ルルリ「三剣電機のお給料をそう呼ぶのかしら」 コハク驚「お姉ちゃん、働いてるの?!」 ルルリ喜「ふふん。これを見なさい」 ルルリ無「あっやっぱりナシ」 コハク疑「自慢げに取り出そうとしたものは何なの」 ルルリ「社員証を持ってたんだけど」 ルルリ「返してしまってたのを忘れてたわ」 コハク哀「クビになったの?」 ルルリ楽「まさか。昇格したのよ」 ルルリ笑「今は三剣家の最高階級の一員よ」 コハク楽「じゃあ、お姉ちゃんも、権力があるの?」 ルルリ「どうかしらね」 ルルリ眠「権限が付与されていると聞いた気はするけど」 コハク笑「三剣の財産を勝手に配ったりできる?」 ルルリ「それは無理よ。ミリアも無理」 ルルリ眠「子供は財産管理権を与えられていないもの」 【つづく】 【開始・資本主義の拒絶】 【背景・ファミレス】 【立ち絵・コハク左】 【立ち絵・ルルリ右】 【音楽・コハクたん】 【項見出し】 コハク「私はやっぱりお金持ちって悪だと思う」 コハク眠「三剣はどうして悪なのか考えたけど」 コハク「お金持ちってだけで悪なんだよ」 ルルリ「それなら天導家も悪になっちゃうわよね」 コハク「天導家も悪なんだよ」 コハク眠「会社も国も、みんなみんな悪なんだよ」 コハク無「もしかしたらお金そのものが悪なのかも」 ルルリ「それは共産主義者の発想ね」 コハク疑「?」 ルルリ「土地と財産はみんなのもの」 ルルリ「みんなで働いて、みんなで分け合うのよ」 コハク楽「そのほうがいい」 ルルリ「食事は好きに食べちゃだめ」 ルルリ「配給された・・・給食しか食べちゃダメね」 コハク驚「えっ」 ルルリ「だから美味しいレストランは閉店」 ルルリ「私有財産は禁止だから」 ルルリ「お洋服も選べないし、スマホも没収よ」 コハク無「それは支配じゃん」 ルルリ「そうよ」 ルルリ「みんな平等にするために」 ルルリ「独裁者がみんなを支配するのよ」 コハク哀「それはなんか違う」 ルルリ疑「じゃあ、自由に買い物して、豊かになる?」 コハク楽「それだと金持ちと貧乏人が出来るんでしょ」 ルルリ「そうね」 ルルリ眠「いいことを教えてあげる」 ルルリ喜「枢里は、三剣家が支配する共産主義社会よ」 コハク疑「三剣は資本主義じゃん??」 ルルリ「お金をよこせ、と言う南部の政治家こそ」 ルルリ眠「資本を自分のために蓄えているでしょう」 コハク哀「お姉ちゃんの言ってる事はメチャクチャだよ」 ルルリ無「でも、私にはそうとしか考えられないのよ」 【つづく】 【開始・姉妹共同戦線】 【背景・枢木小学校・校門】 【音楽・子供の外遊び】 【項見出し】 タケル疑「なんでルルリが敵に回ってるんだよ」 ミリア喜「お姉ちゃんだもん」 イオリ王疑「三剣チームの裏切り者には制裁だ!」 ミリア「わたしが言ったの」 ミリア楽「コハクちゃんのそばにいてあげて、って」 タケル無「お嬢がそれでいいんならいいけど・・・」 イオリ王無「やけに楽しそうなのが腹立ちますね」 「金持ちは働いて庶民に金をくばれー」 「くばれー」 「富を独占して貧乏人を困らせるやつはでていけー」 「でていけー」 「三剣は南部の子にも晩飯をおごれー」 「おごれー」 「枢里の社員にもボーナスをよこせー」 「よこせー え?」 タケル疑「思いっきり名指しにされてるぞ」 ミリア無「むむむ」 イオリ王笑「とっちめてやりますか」 ミリア楽「選挙で戦おう」 「夏までにあと3キロ痩せたーい!」 「やせたーい!」 「経理の智子さん結婚してください!」 「けっこんしてー!」 「やっほー!!」 「やーーっほーー!」 タケル驚「どんどんカオスになってきたぞ」 イオリ王楽「通行人捕まえて何でも叫ばせてますね」 「旦那なんかハゲてしまえー!」 「ハゲてしまえー」 「旦那の小遣いを上げてくれー!」 「あげてくれー!」 「お嬢様、こども選挙頑張ってください!」 「がんばってー!」 ミリア笑「がんばりまーす」 【つづく】 【開始・開票】 【全背景・SR汎用】 【立ち絵・タケル喜左】 【立ち絵・ルルリ右】 【音楽・チャットトーク】 【項見出し】 タケル「もしもしルルリ?」 ルルリ「どした?」 タケル「いま選挙速報見てるんだけどさ」 ルルリ「うん」 タケル「開票率1%なのに当確って出てるんだけど」 タケル疑「どういうこと?」 ルルリ「当てずっぽうだと思うわ」 ルルリ眠「まあ、統計学とか出口調査とかで」 ルルリ眠「独自に推測してるんでしょうけど」 タケル楽「ふっふっふ」 タケル喜「じゃあ三剣チームの推定勝利ってことか」 ルルリ楽「まだわからないわよー」 タケル「ルルリたちは好き勝手喋ってただけじゃん」 ルルリ「市民の思いや考えを発信していたのよ」 ルルリ楽「国民主権の原点は市民ひとりひとりだわ」 タケル「難しいことを言ってごまかされた気がする」 タケル「お嬢は居る?」 タケル楽「ちょっと声が聴きたい」 ルルリ「いま仕事中で外してるわ」 タケル疑「こんな時間に働いてるのか」 ルルリ「毎晩、大事な仕事があるのよ」 タケル無「そうかー大変だな」 タケル楽「んじゃよろしく伝えておいて!」 【背景・枢木小学校・校門】 『翌日』 【立ち絵・全消し】 【立ち絵・コハク楽左】 【立ち絵・ルルリ右】 【音楽・コハクたん】 「おねえたーん」 ルルリ「コハク、なにやってるの?」 「あしょぼー」 ルルリ「選挙は昨日で終わったわよ」 ルルリ楽「メガホンも片付けなさいな」 コハク眠「せっかく面白くなってきたところなのに」 ルルリ「それより打ち上げしましょう」 ルルリ穏「手伝ってくれたお友達にもお礼するのよ」 コハク「ふぁーい」 ルルリ「今度こそ、お姉ちゃんが御馳走してあげるわ」 コハク喜「じゃあ高いお店行こ」 ルルリ喜「とっても美味しいエスカルゴのあるお店よ」 コハク無「こないだ行ったばっかじゃん」 ルルリ「一万円で収まる店ならどこでもいいけど」 コハク「残念会だから仕方ないかー」 ルルリ楽「得票2割は凄い善戦だと思うわよ!」 コハク無「でも三剣は半分以上取ってたじゃん」 ルルリ「公約を直せれば枢里の票も狙えたわね」 ルルリ楽「また来年頑張りましょう」 【つづく】 【開始・引退宣言】 【背景・鶴城市・スタジオ】 【立ち絵・ミリア左】 【立ち絵・ルルリ右】 【音楽・真面目モード】 【項見出し】 ミリア「みなさん投票ありがとうございました」 ミリア楽「一日市長になりました、三剣アリアです」 市長「おめでとう、アリアさん」 ミリア「みんなで一緒にごはんを食べる」 ミリア楽「これが私の公約でした」 ミリア「市役所で相談した結果、毎週第四土曜を」 ミリア喜「【withごはんの日】にしたいと思います」 ミリア「誰かと一緒にごはんを食べましょう」 ルルリ「しかもなんと、三剣グループからの助成で」 ルルリ喜「鶴城市内の外食ディナーは半額おごります!」 ルルリ無「(おひとり様最大1000円まで)」 ルルリ哀「財源は私のお給料から支払われるそうです」 ルルリ疑「おかしくないですか?」 ルルリ眠「三剣は不当な搾取をヤメロー」 ミリア眠「はいはいお知らせありがとうございました」 ミリア楽「みなさんお気軽に利用してくださいね」 市長「私もぜひ利用させていただきます」 市長「さて、私からも一つお知らせがございます」 市長「10月に予定されている、おとなの選挙」 市長「鶴城市長選ですが」 市長「私は出馬せず」 市長「今期限りで引退させていただきます」 ルルリ驚「えっ?」 【背景・高級レストラン】 【立ち絵・全消し】 【立ち絵・ジェシD】 『withごはんの日 枢里』 ジェシD「枢里からは現職議員の山田が出馬します」 市長「三剣さんはやはり出られませんか」 ジェシD「私は住民票を東京に移したままですし」 ジェシF「投票日までに三か月の居住実態を作る」 ジェシD「という条件を満たすのも難しいのです」 ミリア「ママは半分以上、都会で仕事してるもんね」 ジェシD「今は大阪の仕事がどうしても忙しくて」 ジェシB「もっとアリアの傍にいてあげたいんですけど」 ジェシA「向こうのお仕事もなかなか落ち着かなくて」 市長「南部からは、天導さんが出られるんだとか」 ルルリ驚「天導さんって」 市長「娘さんの・・・あやめさんのほう」 市長「ルルリちゃんのお母さん」 ルルリ眠「うちのママに政治家は無理よ」 ルルリ哀「すぐ怒るもん」 市長「あやめさんの怒り顔は見たことが無いなあ」 ルルリ無「私にだけ冷たいのね」 ルルリ眠「三剣家と仲良くなったからってだけで」 ミリア「ルルリのママも」 ミリア楽「話し合えばきっと仲良くなれるよ」 ルルリ眠「そんな簡単な話ならいいけれど」 ルルリ無「おとな選挙のほうでも」 ルルリ疑「三剣追放とか言い出しかねないわよ」 ジェシH「市長が市民を追放なんて出来ませんよ」 ルルリ眠「南部の重鎮はそんな馬鹿げた話を」 ルルリ無「いつも本気で語り合っているのよ」 ミリア無「なおさら、一度話し合った方がいいと思う」 【章解放・060・06章本編を解放しました】 【章解放・051・05章1項を解放しました】 【おわり・050】